「ノストラダムス」って何? 予言の内容やその他のよく知られる予言も紹介

2025年の7月は一部の人の間で災害の予言が話題になりました。このような予言はこれまでもたびたび出現しています。
「ノストラダムス」は、1999年に関する予言を残したことで日本で有名になった人物です。当時は多くの人がノストラダムスの予言に注目していましたが、当時の状況を知らない人も増えています。ノストラダムスの人物像や、当時広まった予言の内容について確認しましょう。

ノストラダムスとはどんな人物?

ノストラダムスは1999年の終末予言で有名ですが、人物像を知っている人は少ないかもしれません。まずは、ノストラダムスがどのような人物だったのか、紹介します。

フランスの医師・予言者として知られる

ノストラダムスのフルネームは、ミシェル・ド・ノストラダムス(フランス語のつづりではMichel de Nostredame)です。1503年12月14日、南フランスでキリスト教に改宗したユダヤ人の家庭に生まれました。

彼は占星術・医学・数学・哲学などの知識を身に付けており、成長してからも医学の分野や予言者として活躍しています。

特に、ペスト患者の治療に当たったことや、予言のように解釈できる詩集を発表したことは有名です。多方面で才能を発揮し、1566年7月に亡くなっています。

星を見るノストラダムス wikimedia commons(PD)

ノストラダムスの大予言とは?

日本では、ノストラダムスといえば「ノストラダムスの大予言」が知られています。一体どのような予言だったのか、元になった書籍も併せて紹介しましょう。

日本のベストセラー書籍が元になっている

ノストラダムスの予言とは、もともとはフランスで発行された詩集を指しています。この詩集の内容が、後世の出来事を表す予言として注目を集めているのです。

日本では、1973年に刊行された五島勉による「ノストラダムスの大予言」が、ノストラダムスの詩集の内容を解釈した書籍として累計250万部を超えるベストセラーになりました。

特に、日本では五島勉の著書で紹介された「第10巻第72詩」の解釈が広く知られるようになりました。

ノストラダムスの『予言集』(初版1555年)。
日本に紹介された詩編がおさめられている

日本では人類滅亡・地球滅亡論に発展

「ノストラダムスの大予言」という書籍の中では、第10巻第72詩を「1999年7の月に空から恐怖の大王が降りてくる」といった内容に解釈しています。

「恐怖の大王」が隕石や火山噴火、核兵器などを連想させたことから、人類滅亡や地球滅亡の終末論へと発展していきました。

しかし、ノストラダムスの詩集の内容は、一般的に使われているフランス語と異なり難解で、フランスでも解釈が分かれるものです。第10巻第72詩を終末論と紐づけている解釈は少なく、日本国内で独自に広がっていった解釈といえます。

結果的に、1999年7月に人類や地球が滅亡することはなく、予言の解釈通りにはなりませんでした。

出典:ノストラダムスの大予言が残したもの 娯楽超え危うさも:朝日新聞
サタデープラス:ブームは日本だけ? 「ノストラダムスの大予言」で人生が狂った男 | 毎日新聞

ノストラダムス以外のよく知られる予言

ノストラダムス以外にも、多くの人の注目を集めよく知られている予言があります。それぞれの予言について概要を確認しましょう。2025年にも終末論のようなうわさ話が広まり、ニュースでも取り上げられました。

2025年7月5日の大災難

SNSやYouTubeから広まった「2025年7月5日の大災難」は、日本の漫画に書かれている内容が元になったものです。1999年に刊行された『私が見た未来(著:たつき諒)』という漫画の中で、2025年7月5日という日付に触れられています。

中国語圏のSNSやメディアで大きな話題となり、香港で航空便が一時的に減便されるなどの影響も報じられました。

元になった情報はあくまでも漫画家の夢をモチーフとした作品ですが、作品内に東日本大震災が起きた年月が記されていることから、2025年7月5日にも何か起きるのではないかとうわさが広まったようです。

出典:7月5日 “うわさ”の日が過ぎて 「流言」や「デマ」について専門家は | NHK | フェイク対策

2012年12月21日の古代マヤ文明の予言

古代マヤの予言も、世界的にもよく知られている予言です。その中には、2012年12月21日でマヤ暦の大きな周期が終わることから、世界が終わると解釈されたものもあります。

ただし、予言書には終末と再生が書かれており、完全に世界が滅亡し全てがなくなるという内容ではありません。

世界には古代マヤの終末予言を信じた人もいましたが、2012年12月21日以降に世界が滅びるといったことはなく、世界を変えるような大きな出来事も発生しなかったため、予言は外れたという見方が大多数を占めます。

出典:マヤ予言書 2012年12月「人類滅亡説」とは? | 女性自身

ババ・ヴァンガの予言

ブルガリアには、ババ・ヴァンガと呼ばれる盲目の女性がいました。1996年に亡くなっていますが、さまざまな予言を的中させたと報じられることがあります。

亡くなる前に未来の予言を書き残しており、その予言の内容にも注目が集まっているようです。

第二次世界大戦の始まりやチェルノブイリ原発事故などを予言し、的中させたともいわれていますが、彼女の残した予言は数が多く、全ての予言が的中しているわけではありません。

出典:史上最高の予言者ババ・ヴァンガの62の予言(5079年まで)を一挙大公開!! イルミナティの計画とも戦慄の一致!【永久保存版】ーオカルトニュースメディア トカナ

ノストラダムスの予言は抽象的な詩によるもの

ノストラダムスの予言は、日本のベストセラー書籍が元になって生まれた終末論で、1999年7月に地球が滅亡するといった内容です。しかし、海外ではノストラダムスの予言が終末論のような形で広まってはおらず、日本独自の解釈が含まれています。

最近では「2025年7月5日の大災難」が中国語圏を中心に広まり、日本への観光客の一時的な減少や航空便の調整といった影響も報じられました。予言は科学的に信憑性があるものではなく、当たったとしても因果関係が分からないため、安易に惑わされないよう注意も必要です。

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構成・文/HugKum編集部

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