「ベビーベッドの事故」に注意! 事故原因や予防対策、選び方のポイントも

家庭では、ベビーベッドを使っている子どもが事故に遭うこともあります。どのようなトラブルがあるのか、事例や特徴を確認しましょう。また事故が起きてしまう原因や対策についても併せて解説します。ベビーベッド選びのコツもチェックしておきましょう。

ベビーベッドで起きる事故の事例

ベビーベッドの使用中に、子どもが事故に遭うケースがあります。具体的には、どのような事例があるのでしょうか? まずは一般的な事故の特徴を解説します。

ベッドからの転落

ベビーベッドを使用する乳幼児は、ベッドの上で座ったりつかまり立ちをしたりと動くことが多くあります。成長段階によっては、柵を乗り越えて転落してしまうことがあります。転落によって頭や体を打つ危険があり、負傷や死亡事故の原因になることがあります。

乳幼児向けのベッドといっても、状況によって転落の危険性があることを理解しておきましょう。

出典:0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください! | 消費者庁

周囲の環境による窒息

ベッドの上で動けない乳幼児であっても、周囲の環境によって窒息事故が起きる可能性があります。

毛布に手や足が当たって顔の上に被さると、動けない乳幼児にとっては危険です。寝返りを打つようになれば、ベッドの上でうつ伏せになり、周囲に置いてあるおもちゃで窒息する恐れもあります。

さらに、収納扉付きの床板調整式木製ベビーベッドでは、収納扉と柵の間に子どもが挟まってしまう事故が発生しており、ベビーベッドでも窒息を伴う事故に注意が必要です。

出典:木製ベビーベッドの収納扉が不意に開き乳児が窒息する重大事故が発生!_国民生活センター

ベッドガードによる事故も

乳幼児の事故は、ベビーベッドだけで起きているわけではありません。転落やけがを防ぐ目的で使用されたベッドガードによる事故も増えています。

ベビーベッドで事故が起きているからと言って、ベッドガードを使用すれば安全というわけではないのです。特に、大人用のベッドに使うベッドガードは生後18カ月未満には使用しないよう、各団体が呼びかけています。

また、ベビーベッドの柵にぶつかってけがをしないように取り付ける、ベビーベッド用ベッドガードの使用についても、安全面での確認が必要です。海外では窒息事故のリスクがあるとして、使用を避けるよう呼びかけている国もあります。

出典:第141号 幼児用ベッドガードのSG基準改正 | 製品安全協会CPSA

ベビーベッドで事故が起きる原因

ベビーベッドは乳幼児が1人で眠れるように設計されており、本来は子どもの安全を守るための道具です。しかし、使用時の事故は発生しています。なぜ事故が起きてしまうのでしょうか? 一般的な原因について解説します。

乳幼児の発達によるトラブル

乳幼児の発達は早く、急に寝返りやつかまり立ちができるようになります。これまで安全だったとしても、常に同じ対策で問題ないとは限りません。

例えば、動けないと思っていた子どもが突然寝返りをして、軟らかいクッションやマットレスによって窒息する可能性もあります。寝返りができるようになっても、まだうまく体を動かせないため、元に戻れず窒息するリスクもあります。

また、突然つかまり立ちができるようになれば、周囲に置いてあるものを踏み台にしてベッドから転落してしまうこともありえるでしょう。

月齢に合わない製品の使用

対象の月齢ではない乳幼児がベビーベッドを使うことで、事故が起きやすくなります。ベビーベッドは生まれてすぐ使えるものが一般的ですが、多くの製品は生後24カ月までの乳幼児が対象です。

生後24カ月未満を対象とした製品もあり、子どもの発達次第では、想定より早く使用を中止すべきケースもあります。

原則は対象となる月齢までの使用にとどめ、発達が速いと感じるときには早く使えなくなることも考えておきましょう。

部品の故障や破損

事故の原因として、ベビーベッド自体の製造不良や故障、破損などがあります。購入時に本体や部品に問題がないか確認することはもちろん、定期的なチェックが必要です。また、ロックをかけておく必要がある製品の場合には、使用者のロック確認も求められるでしょう。

もし問題があれば、本来は外れない部品が外れたり、隙間ができたりといったトラブルが発生し、事故が起きるリスクが上昇します。

もし故障や破損があれば速やかに使用を取りやめ、必要な場合は修理や買い替えを検討しましょう。

ベビーベッドの事故を予防する対策

乳幼児の睡眠環境を整えるに当たって、ベビーベッドは欠かせないアイテムです。事故のリスクは、どのように減らせばよいのでしょうか? 一般的な予防対策について解説します。

柵や部品の調整をする

ベッド本体に調節機能がある場合、転落防止のために柵は高い位置に調整しておくことが重要です。特に子どもが動き始めた後は、急に立ち上がることも考えて柵を高めにしておきましょう。

そのほか、床板や収納など、製品によって調節できる部品もあります。取扱説明書を確認し、調節が可能な箇所と方法を確認しましょう。転落や隙間に落ちるなどのトラブルを予防するためにも、適切な状態での使用が求められます。

クッションやぬいぐるみを置かない

基本的に、ベビーベッドの中にはクッションやぬいぐるみなどの柔らかいものを置かないようにしましょう。特に子どもが小さいうちは、柔らかい毛布やマットレスも窒息のリスクがあり危険です。

また、ある程度大きくなった後は、ベッド内に置いてあるものを踏み台にして柵を乗り越えてしまう可能性もあります。柔らかいものだけでなく、踏み台にできるようなおもちゃもベッド内には入れないようにしましょう。

子どもの発達状態によって使用を取りやめる

子どもが動かないうちは、大人が周辺環境を整えることで事故のリスクを減らせます。しかし、子ども自身が動くようになると、転落や窒息のリスクは高くなるでしょう。

家庭では、ベビーベッドの卒業時期は保護者が決めています。必ず生後24カ月で使うのをやめるわけではなく、寝返りやつかまり立ちをするようになったときを1つの目安として、ベビーベッド以外の睡眠環境を整える家庭もあるようです。

特に背が高くなり、つかまり立ちをして柵から身を乗り出せるような状態になると、転落の危険があります。子どもの発達状態をチェックし、適切な環境に切り替えることで事故のリスクを減らすことができるでしょう。

ベビーベッドを選ぶときのコツ

最新の安全基準を満たしている製品を選ぶ

子どもが使う製品には、安全基準を満たしているかを示すマークがあります。「SGマーク」は一般財団法人製品安全協会が定めた基準を満たした製品にのみ表示が許可されているものです。安全基準・製品認証・事故賠償が一体化しています。

「PSCマーク」は、消費生活用製品安全法に基づいて定められたものです。マークが付いていれば、国の技術基準に適合していることを示します。なお、2025年12月25日よりベビーベッドは子ども用特定製品となるため、今後は「子どもPSCマーク」への切り替えが進んでいく予定です。

安全基準を満たしている製品を選ぶことにより、事故のリスクが低下します。ベビーベッドを選ぶときには、安全マークが付いているかどうかをしっかり確認しましょう。

出典:乳幼児用ベッドが子供用特定製品になります (METI/経済産業省)
出典:SGマークについて | 製品安全協会CPSA

適切な種類を見極める

ベビーベッドには、複数の種類があります。種類によって、サイズ・床板の高さ・開き方・収納棚の有無・移動の可否などが異なるため、目的に合わせた選択が重要です。

例えば、ベビーベッドは70×120cmがレギュラーサイズとなっていますが、60×90cm程度で高さが低いスモールサイズもあります。乳児のうちだけ使用するならスモールサイズで問題はありませんが、長く使いたいなら大きいサイズがよいでしょう。

高さ調節ができるものや、床に置ける布団用サークルなど、種類は豊富です。安全性と利便性を兼ね備えた製品を選ぶことが大切です。

ベビーベッドでの事故対策を徹底しよう

ベビーベッドは子どもの安全を守るために使用するものですが、転落や窒息など、深刻な事故が報告されています。事故の原因や事例を知ることで、対策が可能です。

子どもの発達に合わせた使用を心掛け、状況によっては部品の調節や周辺環境の見直しも検討しましょう。一定の安全基準を満たしていることを示す、SGマークやPSCマークが付いている製品を選ぶことも大切です。

より安全にベビーベッドを使用するために、対象年齢や使い方も必ずチェックしておきましょう。

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