【調査概要:調査期間/2025年7月16日~8月9日 調査対象/HugKumメルマガ会員 0歳~12歳のお子さんがいる393人】
目次
いつから持たせる? 子どものスマホデビューに悩む保護者の声
中学生は9割がスマホ所有、小学生はまだ3割程度にとどまる
まず、現在お子さんがスマートフォンを持っているかどうかをアンケートで聞いてみたところ、学年によって差がみられました。中学生以上では約9割がすでに所有している一方で、小学5~6年生は約33%、小学3~4年生では約29%にとどまっています。
今回のアンケートでは、小学生の段階において、まだ「持たせていない」家庭のほうが多数派であることがわかりました。

また、小学生の期間のなかでも、学年が上がるにつれて少しずつ所有率が高まっており、低学年よりも高学年で持たせている家庭が増えていることがわかります。小学5~6年生になると、友だち同士で連絡を取り合ったり、習いごとや塾に通う機会が増えたりすることも背景にあると考えられます。
スマホデビューは中学生以降が安心、という声が多数
では、子どもにスマートフォンを持たせるなら、何歳ごろがよいと考えているのでしょうか。アンケートでもっとも多かった回答は「13歳以上(中学生以降)」で、179人と多数を占めました。

次いで「10〜12歳(小学校高学年)」が69人、「7〜9歳(小学校低学年)」が50人という結果に。多くの保護者が「中学生になってから」と考えていることがわかります。
中学生になると通学範囲が広がり、塾や部活動などで帰宅が遅くなることも増えます。子どもがひとりで行動する機会が多くなるため、その際の連絡手段や安全面を考えて、スマートフォンを持たせる家庭も増えてくるのかもしれません。
保護者の心配は「長時間利用」と「SNSトラブル」が上位
お子さんのスマートフォン利用で、保護者が特に心配な点はどのようなことなのでしょうか。もっとも多かった回答は「長時間の利用」で235人。次に「SNSでのトラブル」で198人が選択し、「視力や脳への影響」についても多くの保護者が不安を抱えていることがわかります。

また自由記述欄では、「寝るのが遅くなる」「姿勢が悪くなる」といった生活習慣や身体への影響を心配する声も寄せられました。子どもの健康面や情報リテラシーへの不安が浮き彫りになっています。
実際に起きた「ヒヤッと体験」
さらに、「スマホ利用でトラブルやヒヤッとしたことはありますか」とたずねてみると、多くの保護者から具体的なエピソードが寄せられました。個人情報の流出や紛失、対人トラブルなど、さまざまなリスクが現実に起きていることがわかります。
不適切な利用
- ・勝手に有料のアニメを購入していた。(大分県/女性)
- ・広告で流れるアダルトサイトや怪しいサイトをクリックしていた。(山梨県/男性)
- ・友だちの息子が、知らない間に数十万円課金していた。(東京都/女性)
人とのつながりにおける懸念
- ・クラスLINEの送信の多さに驚いた。着信音が鳴り止まず…。(神奈川県/女性)
- ・ゲーム中に知らない人と会話できてしまった。(東京都/女性)
- ・ネッ友と会うために一人旅行を決行した。(香川県/女性)
- ・不特定多数と連絡できるアプリで大量の通知が来た。(石川県/女性)
個人情報の流出
- ・不特定多数が閲覧できるサイトに名前を入力していた。(東京都/女性)
- ・ホームページに名前・誕生日・小学校名を書き込んでいた。(東京都/女性)
- ・家族の写真など個人情報を公開してしまった。(広島県/女性)
紛失や破損
- ・タブレットを置き忘れたことがある。(徳島県/女性)
- ・iPadを落として角が欠けてしまった。(北海道/女性)
- ・歩きスマホで落としそうになり、ヒヤッとした。(三重県/男性)
金銭的なトラブル
- ・ショッピングアプリで注文しそうになった。(愛媛県/男性)
- ・勝手に課金しそうになっていた。(東京都/女性)
- ・YouTubeで調べ、勝手に課金しようとした。(山梨県/女性)
実際に寄せられた声を見てみると、スマホやタブレットの便利さの裏で、子どもが思わぬトラブルに巻き込まれることがあることがうかがえます。
保護者にとっては、ちょっとしたヒヤリ体験も他人事ではありません。事前に家庭でルールを話し合ったり、利用状況を見守ったりすることの重要性をあらためて感じます。
子どもにスマホ、各家庭でルールはある?
家庭での対応は半々
では、実際に子どもにスマホやタブレットを持たせている家庭では、どの程度親子でルールを設けているのでしょうか。ご家庭でのルールの有無を聞いてみると、ルールが「ある」と答えた保護者が167人、「ない」と答えた人が153人で、わずかにルールを設定している家庭のほうが多いものの、ほとんど同じ程度の割合となりました。

「時間」「場所」「制限」…家庭ごとのルール事情
ルールを設定しているご家庭に、具体的な内容を聞いてみると、「利用時間」「使用する場所」「アプリや機能の制限」「優先順位のルール」など、さまざまな観点で工夫がされていることがわかりました。
◆時間に関するルール
利用時間を区切ることで、スマートフォンやタブレットの長時間利用を防ぐ工夫が多く寄せられました。
- ・動画、ゲームは30分まで。(東京都/女性)
- ・夜8時半以降は使わない。(神奈川県/女性)
- ・1時間のタイマーで終わります。(香川県/女性)
◆場所に関するルール
スマートフォンなどを使える場所を決めることで、生活リズムを守ろうとする家庭もあります。
- ・家の外には持ち出さない。(三重県/女性)
- ・自分の部屋には持っていかない。(石川県/女性)
- ・夜寝る前はリビングの指定の場所に置いて触らない。(大阪府/女性)
- ・使うときは大人のいる場所で。(広島県/女性)
◆利用制限に関する工夫
アプリやフィルターを使って、保護者が管理する家庭もあるようです。
- ・SNSなどを不定期に親がチェックする。(東京都/男性)
- ・グーグルファミリーリンクで管理し、1日累計3時間、アプリごとに制限を設定している。(千葉県/女性)
- ・フィルター制限をかけて、時間管理をしています。(東京都/女性)
◆優先順位やスマホの使い方のルール
スマートフォンを使う前にやるべきことを済ませるなど、生活全体を意識したルールも多く見られました。
- ・宿題、手伝いを優先すること。(栃木県/女性)
- ・勉強などやることをやっているなら、制限はかけない。(秋田県/男性)
- ・宿題等のやるべきことが全て終わってから。(群馬県/女性)
生活への影響を防ぎつつ、子どもが安心してスマートフォンを使える環境を作るために、親がどこまで関わるべきかを模索している様子がうかがえます。
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親子で考える“安心・安全なスマホ利用”

今回のアンケートから、多くの保護者が子どものスマートフォン利用に悩みながらも、家庭によっては利用にルールを設けることで「上手なつきあい方」を模索していることがわかりました。
それでも、現実には、想定外の課金や個人情報の流出、見知らぬ人とのやり取りなど、子どもが巻き込まれるリスクが潜んでいます。
スマートフォンは便利なツールである一方、危険も潜み、家庭での見守りが欠かせません。ルールの内容は家庭によってさまざまですが、大切なのは「親子で話し合い、納得して使い方を決めること」。家族で相談しながら活用していくことで、子どもにとっての安心・安全なスマホ利用につながるのかもしれません。
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構成・文/牧野 未衣菜
