増加する不登校問題に新たな解決策?「バーチャル教室」「エンカレッジルーム」など子どもの学びを止めない学校側の工夫【最新教育事情】

学習雑誌『小学一年生』(小学館発行)では、最新教育事情を現役の先生が教えるコラムを連載中です。今回は、不登校児童のための部屋「エンカレッジルーム」についてご紹介します。 パパママの時代とはひと味ちがった令和の学校事情をのぞいてみてください。

不登校児童のための教室を設置し、子どもの「学びを止めない」環境を整える

近年の学校では全国的に不登校児童・生徒が増加し、社会問題になっています。私たち教師の間でも、登校しぶりがトップの話題に上るほどです。先生たちが一番心配しているのは、学校に来られなくなることで、その子の学びが停止してしまうことです。不登校を理由に子どもの学びを止めてはいけないのです。

とはいえ、何も策を講じていないわけではありません。自治体にもよりますが、じつは、教室に代わる居場所として、不登校児童のための部屋(エンカレッジルーム)を設ける学校が増えているのです。部屋は新たに作るのではなく、空き教室を整備して設けることが多いようです。

エンカレッジルームでは、自治体から派遣される専門の先生が子どもたちの勉強を見てくれます。どのように過ごすかは、子ども自身で決めてもらいます。算数だけやって帰る子、午前中だけエンカレッジルームで自習して給食は教室で食べる子、体育だけはみんなと授業を受けて、他の教科はエンカレッジルームでリモートで授業を受ける子などさまざまです。もちろん、給食だけ食べて帰るのもOK。あくまで子どもの主体性に任せ、その子にとって学校に通いやすい環境を整え、学びを継続できるよう配慮していくことがスタンダードになりつつあります。

学校側としては、最終的に教室に戻ってみんなと授業を受けられるようになることがいちばんの目標です。ですから、エンカレッジルームでの様子を見ながら担任の先生と連携をとり、子どもが戻りたいと思えるよう声掛けをしていきます。

自宅にいながらバーチャル教室に登校 アバターとして授業に参加

学校での設備が整ったことに加えて、「バーチャル教室」も登場しました。いわゆる仮想空間上の学校です。子どもは自宅でパソコンを開き、メタバースのサイトにアクセスします。登校時間が8時半なら、その時間にアクセスして、自分のキャラクター(アバター)で「登校」するのです。仮想空間の教室には、さまざまな子どもが登校していて、みんなで授業を受けるといったシステムです。

こうした取り組みを実施している自治体では、自宅にいてもバーチャル教室に登校すれば出席扱いになります。 昔と大きく違うのは、このように学びの方法が多様化してきたことです。

もちろん、登校して授業を受けることが一番のスタンダードではありますが、それができない子も教育を受けることができる。子ども側が自分にあった学びの方法を選択できるようになったのです。こうした取り組みを行う自治体、学校は今後もますます増えていくでしょう。

1年生の保護者の方のお悩みを募集中! 採用された方には2000円分の図書カードをプレゼント

小学校生活がスタートしたパパママの皆さんの質問に、現役小学校教師と小児科医が回答する「『小一』ママとパパの子育て相談室」が雑誌「小学一年生」で連載中です。

「食べものの好き嫌いが多くて困っている」「毎朝起こすのが大変」など、小学1年生のお子さんにまつわる質問を大募集しています。

お悩みが採用された方には図書カード2000円分をプレゼントします。ぜひ下記より質問をお寄せください!

お悩み・質問応募は>>こちらから

こちらの記事もおすすめ

「あぐらでも寝そべってもOK」小学校の全校集会が激変! 昭和世代おなじみの“前ならえ”は廃止、校長先生の出番も減少【令和の学校事情】
移動の手間も省けて、先生たちも、子どもたちも楽ちん! モニター視聴 人どうしの接触を減らす対策が優先だったコロナ禍を機に、全...

私がお答えしました

佐々木陽子先生 公立小学校教諭

低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2026年12月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

編集部おすすめ

関連記事