スウェーデン人の夫が、子どもの寝かしつけのときに毎日していること。明かりをひとつひとつ、消していく【北欧パパと日本で子育て vol.15】

こんにちは。ライター・エッセイストの桒原さやかです。この連載ではスウェーデン人夫と日本で子育てしている日々のこと、子育てしながら気がついたことや考えたこと、またそれをわたしがどう捉えているのかというところまで書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

連載15話目のテーマは、「寝かしつけ」について。スウェーデン人の夫が実践している、北欧流の寝かしつけとは?

長くて寒い、北欧の冬

北欧では短い夏が終わったら、秋が一瞬で目の前を通り過ぎていき、長い冬がやってきます。

もちろん、寒さも辛いのですが、なによりも堪えたのは「冬の暗さ」かもしれません。

ノルウェーのトロムソに住んでいたときの、冬の景色。

冬は太陽がのぼる時間がとても短いのです。朝の10時くらいに、うっすら明るくなってきたと思ったら、14時くらいにはまた暗くなっていきます。スウェーデン人の夫が小学生だったときも、いつも真っ暗のなか学校へ出かけていたのだとか。

そんな環境で過ごしている北欧のひとたちは、明かりに対する考え方がわたしたちとはちょっと違うようです。

トロムソの冬至の時期は、一番明るい時間帯でこれくらいの明るさでした。

冬の時期は、暗さを味わう

北欧では部屋全体を明るくするのではなく、間接照明をいくつか置いて、やわらかい光で部屋を照らすという話を聞いたことがある方も多いかもしれません。

それは冬になっても同じなのです。

やわらかい明かりのランプを窓辺に吊るしたり、食卓に小さなキャンドルを灯したり。外が暗いと家の中くらいは明るくしたくなりそうですが、北欧のひとたちは暗さをそのまま受け入れている、もしくは、暗さを味わっているようにも見えました。

スウェーデンの絵本「だれのおばあちゃん?」(クレヨンハウス)の1コマ。本を読むときにキャンドルを灯していて、そんなところもスウェーデンらしいなぁと感じます。
クリスマスが近づいてくると、北欧の窓辺に星の形のキャンドルが灯ります。

北欧流の寝かしつけ?

子どもの毎日の寝かしつけも、わたしとスウェーデン人の夫はちょっと違います。子どもたちがベットに向かうまでの時間、夫はあることを毎日しています。

それは、部屋の明かりをひとつずつ消していくということ

夕飯の片付けが終わったら、まずはダイニングとキッチンの電気をパチンと消します。

今、明かりがついているのは、リビングと廊下だけ。歯磨きの時間になると、夫はリビングの明かりをまたひとつ消すのです。

歯磨きが終わったら、リビングと廊下の電気もぜんぶ消してしまいます。

そして、子ども部屋に向かい、灯すのはベットにある小さなランプだけ。本を3冊くらい読んだら、ベットのランプも消します。すると、家の中はすっかり真っ暗に。そのまま子どもたちはスッと眠りにはいるのです。

外が暗くなってきたら、家の中も暗くしていく。

毎日子どもの寝かしつけをしながら、こんなところも北欧らしいなぁと思うのでした。

最近読んでいるお気に入りの絵本たち。

前回の話はこちら

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北欧パパと日本で子育て

プロフィール

桒原さやか ライター・エッセイスト

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。

文・構成・写真/桒原さやか

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