フリースクールからの復学で在籍校に戻すべきか
「フリースクールから在籍校に戻すべきか?」の答えとしては、お子さんによって分かれるという印象があります。当然のことですが、不登校になったのは子どもですし、そこから復帰して学校に行くようになるのも子どもです。ですので、お子さんが「できること」と「できないこと」をよく確認しながら進めていくのがベストではないかと思います。
フリースクールに限らず、不登校になった後、元気になれた子どもがきちんと在籍校に戻ることができている割合はかなり少ないのが実情です。

在籍校に戻れるかどうかは、多くの場合、「子どもの主体性が戻っているかどうか」で決まります。つまり本人の意志で「学校に戻りたい」と思う子どもが戻るのです。元気になっても、学校生活に合わせるのがしんどかったり、学校に対して恐怖が残っていたりするのであれば、戻ることは難しいと、たくさんのご相談に乗る中で感じています。
何よりも先に取り組むべきなのは、子どもの「心と体の回復」です。そして、回復したときの年齢と環境によって、在籍校に戻れるか、を考えると良いのではないでしょうか。
まだ小学校低学年では集団生活や学習を取り戻しやすく、在籍校への復学のハードルは低いのですが、上の学年にいけばいくほど、周囲を気にしたり、学習スピードにも追いつけない状況になったりするからです。
その上で、お子さんの意思に寄り添って考えていくことが大事です。
私は3人の子どもの不登校を体験しフリースクールに通わせることで、子どもたちは自分が好きになり、自信が持てるようになりました。そのような子もいますし、逆に学校の友達や元の在籍校に行ける自分になりたいと考え、復学の意志を持つ子もいます。
不登校中の子どもの復学をうまく進めるためのポイント3つ
子どもの復学を考える際には、次の3つのポイントを押さえて進めることをおすすめします。
子どもが「自分の気持ち」を言語化できるようサポートをする

在籍校に戻るかどうかを考える際には、子ども自身が困っていることを言語化できるか、という点がポイントになると思っています。おそらく、言語化できている子は、困っていることに対して助けを求めることができるため、在籍校に戻ってもやっていけますが、言語化が苦手な子は、復学に対してどこかしらでつまずきが出てくるのではないかという印象があります。
親が「学校でなくとも学習できる」事実を知ることが大事
実は、親の間違った思い込みが問題になっていることがあります。それは「学校でないと学習できない」ということ。この考えを持っていると、うまくいきにくいです。復学に限らず、親の意識が変わらないと不登校の問題は良い方向には向かいません。
「学校に戻らなければ勉強はできないし、将来の不安が大きい」という考え自体が古くなりつつあります。フリースクールでも小学校の授業の学びをサポートしているところもありますし、フリースクール等の「学校外への復学」を文部科学省も必要としています。またフリースクールのほうが子どもの主体性を育む環境や心のサポートに力を入れているケースも少なくありません。
不登校児の子育て経験者やカウンセラーに話を聞く
不登校に悩んでいる場合、相談先としてはまず学校の先生やスクールカウンセラーが候補に挙がりますが、特に学校の先生はほとんどの場合、不登校の専門知識を学ぶ機会がないと耳にします。
また先生や学校側は「学校への復学」を前提とすることが多く、現状の理解が十分にできていないと、回復段階に見合わない提案になることもあります。
するとお子さんの意思や回復状況とはまた違った方向に向かってしまう恐れもあるんです。
ですので、子どもを十分に理解するために、まずは似たような経験を持つ不登校児の子育てママや、民間のカウンセラーなどに当たってみてはいかがでしょうか。
避けるべき親のNG行動

「今後、どこに通うか」を考えるタイミングで、やめたほうがいいNG行動は、親御さんが子どもの気持ちを十分に確認できないうちに「こうしたほうが良いのではないか」と決めつけて、進めていってしまうことです。
学校側には学習や集団の遅れを「できるだけ早く戻してあげたい」という思いから、“ステップアップ復学”を望む流れがあります。これは、家庭で一定期間休んで、元気になってきたら、段階的に在籍校へ戻していくという方法です。
しかし、親御さんが先行して学校側の意向と合致してしまうと、お子さんが「本音を言えない」という問題が出てきてしまいます。もし仮にお子さんが「明日は学校行くね」と言ったとしても、それが「建前」になってしまうのです。そうなると、本音を押し殺しているので、その先、どこかでぶり返してしまいます。実際、このようなパターンのご相談がとても多いんです。
これを避けるためには、学校と話をする前に、まずお子さんの「本音」をきちんと確認すること。そして学校側とその気持ちと回復の状態を共有し、協力体制を築いていくことが大事だと思います。
「どこに通うべきか?」を決めるときの子どもとの付き合い方
子どもが不登校になる背景として、子どもが親に本音を共有できていない環境があることが多く見受けられます。そのため、お子さんの不登校をきっかけに親子関係を今一度振り返ってみることが大事だと感じます。
お子さんが親に遠慮なく、困りごとも含めて、「自分はこうしたい」という意思を伝えられるようになってくると、フリースクールから在籍校に戻れるパターンも増えてくる印象です。
ただし、そうではないパターンもあります。実際に親御さんが在籍校へ戻すタイミングを時期尚早に決めてしまい、つまずいているパターンが圧倒的に多いと感じています。
そのため、お子さんの心身の元気が担保できるまで、またはお子さんがどうしたいのかという意思が出てくるまで「待つ」ことが私たち親に求められていることかもしれません。
不登校からフリースクールへ進み、在籍校に戻そうか考えるタイミングでのお悩みの解決策をお伝えしました。もし不安が大きい場合は、一人で悩まず、周囲や経験者、カウンセラーなどに相談して、親御さん自身が背負い込まないことも大切ですよ。
取材・文/石原亜香利