【調査概要】
■調査期間:2026年3月6日〜31日
■調査機関:自社調査。Webメディア『HugKum』でのアンケート調査
■有効回答数:567人
目次
小学校への期待:「社会性の育成」が最多
小学校に最も期待している役割を選択肢からひとつ選んでお答えください。

保護者が小学校に最も期待する役割として最多となったのは「社会性の育成」で、230件の回答が集まりました。
次いで「将来への基礎づくり」が124件、「学力の向上」が83件、「安心できる場所」が78件と続き、「生活指導」は27件にとどまりました。
この結果は、保護者が学校を単なる学力習得の場としてではなく、集団生活を通じて人と関わる力を身につける場として捉えていることを示しています。
自由回答では「教師がきちんと指導できること」や「本来の役割を果たしてほしい」といった声も見られ、基本的な役割への期待が根強いことがわかります。
入学・進級時の不安は子どもの「友人関係」が突出

入学・進学にあたり最も不安な点を選択肢からひとつ選んでください。

入学・進級にあたり最も不安な点を尋ねた設問では、「友人関係」が285件で突出して多い結果となりました。
「学習についていけるか」が114件、「先生との相性」が92件と続き、「生活リズム」26件、「特に不安はない」22件は少数にとどまりました。
保護者が最も気にしているのは成績そのものよりも、子どもが新しい環境の中で人間関係を築けるかどうかという点です。
自由回答にも、環境変化へのストレス、集団行動への不安、いじめへの懸念、誤った価値観を身につけないかといった声が並び、対人関係や適応面を心配する傾向が際立っていました。
家庭の役割:「情緒面の支え」が最多、学校任せは極めて少数
家庭が担うべきだと思う教育的役割だと思うものを、以下からお選びください。(複数選択可)

続いて「家庭が担うべき教育的役割」については複数回答形式で質問したところ、「情緒面の支え」が450件で最多となりました。
「しつけ」が413件、「学習習慣」が338件と続き、「道徳観の形成」は177件。「学校任せでよい」と回答したのはわずか4件でした。
大多数の保護者が、家庭には子どもの心を支える役割や基本的な生活態度を育てる役割があると認識しており、学校に全面的に委ねようとする意識は極めて低いことが明らかになりました。
自由回答でも「一般常識」「基本的に全て」「勉強と日常生活のつながりを教えること」といった記述が見られ、家庭教育への責任感が高いことが読み取れます。
保護者が感じる負担は二極化の傾向が。行事対応が上位

園・学校からの要求で負担に感じるものを選択肢からひとつ選んでお答えください。

「園・学校からの要求で負担に感じるもの」では、「特にない」が171件で最多となりましたが、「行事対応」が166件とほぼ並ぶ結果となりました。「家庭学習」96件、「生活習慣の指導」47件、「情報共有の頻度」36件が続きました。
負担感は二極化しており、大きな負担を感じていない層がいる一方、行事やPTA関連、持ち物・連絡対応などの実務的な負担を重く感じている層も少なくありません。
自由回答には以下のような具体的な負担を感じる声が寄せられています。
- 「用意するものが直前・五月雨式の連絡」(女性)
- 「PTA役員にならない場合の理由を書かなければならないこと」(女性)
- 「全てお金がかかるもの」(女性)
学校と家庭の連携意識:肯定的評価が優勢も不透明感も
学校の先生は家庭をどの程度教育主体と見ていると思われますか?ひとつ選んでお答えください。

「学校の先生は家庭をどの程度教育主体と見ていると思うか」という設問では、「ある程度重視している」が290件で最多となり、「かなり重視している」が114件と続き、肯定的な評価が全体として優勢でした。一方で「あまり期待していない」58件、「ほとんど期待していない」12件、「わからない」63件もあり、学校側の考えを図りかねている保護者も一定数存在します。
学校と家庭が連携すべきだという前提は共有されつつも、その温度感については保護者側に不透明感が残っている様子がうかがえます。
園には高い評価と期待が。「生活の場」としての役割を重視
園(保育施設)は就学準備をどの程度してくれると思いますか?ひとつ選んでお答えください。

園(保育施設)の就学準備についての評価では、「ある程度してくれている」が307件で最多となり、「十分してくれている」が92件と続きました。一方で「不足している」56件、「ほとんどしていない」34件もあり、園による差や保護者の期待とのズレも見えてきます。
園(保育施設)の機能として特に期待することはなんですか?ひとつ選んでお答えください。

園に期待する機能としては、「生活の場」が278件で最多となり、「預かりサービス」108件、「教育機関」76件、「学習準備機関」71件の順となりました。
小学校の前倒し的な学習機能よりも、子どもが安心して日々を過ごせる生活の場としての役割を重視する保護者が多いことが明らかです。自由回答でも「子どもが安心できる第3の居場所」「社会性を育む場」「共同生活や人との関わり、社会のルールを体験し学ぶこと」といった声が見られました。
学校・園との認識のズレとは?大きな対立は少数、日常場面での食い違いが目立つ
園や学校と考えが食い違った経験はありますか?以下からひとつ選んでお答えください。

「園や学校と考えが食い違った経験はあるか」という設問では、「特にない」が282件で最多となりました。「友人関係」73件、「生活面」71件、「発達理解」57件、「学習面」40件と続き、全体として大きな対立を経験していない保護者が多い結果となっています。
ただし、食い違いが生じる場合は、学力よりも生活・発達・対人関係など、子どもの日常に近いテーマで起こりやすい傾向が見られます。自由回答には、連絡の遅さ、先生ごとの指導方針の違い、行事参加と保育の両立、PTA、感染症対応といった具体的な場面が挙げられていました。
保護者からは先生への質問と園への感謝
自由記述の「学校の先生に一つだけ聞きたいこと」には206件の回答が集まりました。
保護者が知りたいのは単なるルール説明ではなく、「子どもが安心して学校生活を送るには家庭でどんな関わりがよいか」「就学前にできるようになったほうがいいことは何か」「先生は通知表をどう評価しているか」「子どもの可能性をどう見ているか」といった、子どもの成長に直結する具体的な問いでした。
代表的な回答として以下のような声が挙げられています。
一方、「園の先生に一つだけ伝えたいこと」には289件の回答が寄せられ、「子どもの発達の視線をもって接してくれて感謝している」という日々の保育への感謝の声が多く見られました。また、「公平に接してほしい」「発達の差など大目に見てほしい」などの要望も。
社会性と人間関係を軸に、家庭・学校・園の連携が問われる
今回の調査全体を通じて浮かび上がるのは、保護者が学校に最も期待するのは「社会性の育成」であり、同時に最も不安を感じているのも「友人関係」であるという共通したテーマです。
学校は学力向上の場であるだけでなく、子どもが人と関わりながら安心して成長していく場として保護者に認識されていることが明確になりました。
また、家庭は情緒面の支えやしつけを担い、学校や園には社会性や生活の場としての役割を求めるという役割分担の意識も確認されました。
PTAや行事、連絡、ルール運用などに対する負担感や疑問は依然として残っており、学校、園、保護者が三位一体となって子どもを見守る社会において、三者間の連携は欠かせないということが浮き彫りになりました。
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文/HugKum編集部