子どもがいるのに、キャンドルは大丈夫?
子どもたちが2歳と4歳だったころの話です。部屋が少し暗かった夕方、スウェーデン人の夫がいつものようにキャンドルを灯しました。そのとき遊びに来ていた友人のひとりが、こんなことを言いました。
「子どもが小さいのに、キャンドルを灯して大丈夫?」
やけどや火事になってしまう可能性もゼロではないので、もっともな質問だと思います。すると、夫はこんなふうに答えました。
「どうやったら危ないか、子どもたちも知っているから」
教わるのではなく、子どもが考える

夫はキャンドルを灯すとき、よく子どもたちに聞くことがあります。
「火にさわったらどうなると思う?」
「キャンドルはどこが熱いか知っている?」
「キャンドルを灯しているとき、何に気をつけたらいいと思う?」
まず、どんなことをしたら危ないのか、子どもに考えてもらうのです。そして、そのあとは、しずかに子どもたちを見守っています。

幼稚園で斧を使うことがある?
私の子ども時代を思い出すと、「触っちゃダメだよ」「これは危ないからやめようね」とよく言われていました。ケガをしないように、危ないことはできるだけ避けるように、親が守ってくれていたんだなと思います。
でも、北欧ではちょっと違うようです。
あちらでは、キャンドルだけではなく、小さな子どもが木登りをするのもよく見る、ごく普通の風景。親といっしょに火を使って料理したり、野菜をカットしたりするのも珍しくありません。また、ノルウェーの幼稚園では、子どもたちが斧を使うこともあると知ったときは「やっぱりそうなんだ!」と、どこか納得しました。

小さな失敗を受け入れる
スウェーデンの海沿いに住んでいた夫の姉と、こんな会話をしたことがあります。
私「海はときに、危ない場所でもあるよね」
姉「危ないと思いすぎない方がいいよ。でも、尊敬は必要だけどね」
もちろん大きなケガや命にかかわることは避ける必要がありますが、そうでなければ、北欧では危ないからという理由で、なにかを遠ざけることはあまりしないように感じます。
何が危ないのかを、子どもたちが考えることを大事にしていて、その上で、小さな失敗を受け入れるという感じ。もちろん、教えたら終わりではなく、子どもたちを見守るというのがセットになっています。

子どもは小さな大人
子どもは小さな大人。これはスウェーデンでよく聞く言葉です。
娘がまだ2歳くらいのころに、ひとりで馬に乗ったことがありました。
「わたしはウマにものれるんだよ!」
そう何度も話す、キラキラした娘の顔を今でもはっきりと覚えています。今でもあのときの娘の顔を思い出しながら、その言葉の意味を考えています。

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プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか
