こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食づくりで時間がかかることの一つに「煮る」があります。離乳食に使う野菜などは、大人以上にトロトロの軟らかい状態にするために、大人の料理以上に煮る時間が必要なのです。そんな時などに活躍するのが「圧力鍋」です。今回は、離乳食づくりに圧力鍋を使う時の選び方や活用方法を話します。
離乳食作りに圧力鍋が便利!
圧力鍋を使うと離乳食づくりがラクになります。
1.短時間で作れる!
赤ちゃんは、まだ噛む力が弱いため大人の食材以上にやわらかく煮る必要があります。圧力鍋を使うと煮る時間が短縮できるのです!
2.ホロっとやわらくなる
普段の鍋を使って、例えば大根を煮ます。いつもと同じように煮ているはずなのに、いつまでたっても柔らかくならない!という経験はありませんか?圧力鍋なら、そんな大根もほろっと軟らかく煮ることができます。
離乳食で使える圧力鍋の選び方
いざ、圧力鍋を買いに行こう!とお店に行くと、圧力鍋の種類の多さにビックリするのではないかと思います。今回は、離乳食で使える圧力鍋の選び方を紹介します。
選び方① 小ぶりの圧力鍋を選ぶ
圧力鍋というと、大きい鍋のイメージがありませんか?私の実家にあった圧力鍋もとっても大きかったので「なんか難しそう」と子どもの時からのイメージがあり、使う前から億劫になって、私自身なかなか手を出すことができませんでした。でも実は、小さい圧力鍋もあるのです!離乳食のために少量だけ作るのであれば、小ぶりの圧力鍋が使いやすいです。ただ、圧力鍋は見た目よりも容量が小さいので、家族のごはんから取り分けして離乳食を作る場合など、離乳食以外にも活用する場合は、大きめの圧力鍋があるととても便利です!
選び方② 初心者にはおもり式がおすすめ
圧力鍋にはおもり式とスプリング式の2種類があります。おもり式は音がうるさく、スプリング式は音が静かですので、赤ちゃんがいる家庭には一見スプリング式がいいかなと思うのですが、店頭で店員さんには「初心者の方はおもり式が分かりやすいです」と言われました。おもり式の利点は「いつ圧がかかったかが分かる!」という点です。「圧力がかかってから●分煮込む」という手順の圧力鍋ですので、圧力がかかると音が鳴るおもり式だと分かりやすいです。
離乳食作りにおすすめの圧力鍋
ヘイワ アルミ圧力鍋 PC-28A
初心者におススメ。おもり式の圧力鍋です。材質がアルミ製なのでIHは使用できませんが、圧力鍋初心者の方には使いやすいということで、私が初めてかった圧力鍋です。容量も2.8ℓなので離乳食調理に使いやすい大きさです。
アイリスオーヤマ KPC-MA2
火にかけるのが少し心配な場合は電気圧力鍋もおすすめ。材料を入れてスイッチオンすると、料理が完成すると言うものです。離乳食づくりをしている時は、ただでさえコンロが足りませんので一つは電気圧力鍋で調理する方法もひとつです。いろいろなメーカーが電気圧力鍋を出していますが、今回紹介するのはアイリスオーヤマの電気圧力鍋。実はこれ友人の家にあったんです。「ボタンが少なくて操作がしやすい」と友人が絶賛していたので紹介します。1~2人用なので、コンパクトで場所も取らないところもおすすめです。
離乳食の圧力鍋での作り方
では、実際に圧力鍋を使って調理してみましょう。
おかゆ(10倍かゆ、軟飯)
離乳食づくりで一番時間がかかるのがおかゆです。圧力鍋でおかゆを炊く時のつくり方です。10倍かゆでも軟飯でも手順は同じです。まずは、各時期に必要な分量の米と水を用意します。
1.お米を洗い軽く水気を切って圧力鍋に入れ、分量の水で30分浸水する。
2.圧力鍋を火にかけ、圧力がかかったら弱火にして10~15分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
野菜
煮るのに時間がかかる根菜類を煮るときに活躍するのが圧力鍋です。大根、にんじんなど軟らかくしたい野菜を煮てみましょう。ほうれん草などの葉野菜は圧力鍋を使うとドロドロになるので普通の鍋で煮るのがおススメです。
1.野菜を洗い1㎝厚さ程度に切る
2.圧力鍋に野菜を入れて水又はだし(200~300ml程度)を入れ火にかけ、圧力がかかったら弱火にして4分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
上記の方法だと、何種類かの野菜を入れてもレシピとしては1種類。せっかくなのでバリエーションをつけたい場合は以下のようにしてもOk!
お茶パックを使ってまとめて野菜を柔らかくする方法も
お茶パックに、野菜を種類に分けて入れ作ります。多めに煮れば、ストックして使えます。
<材料例>
にんじん
大根
さつまいも
お茶パック3枚
水200ml
<作り方>
1.材料を切り、それぞれお茶パックに入れ、圧力鍋に入れる。
2.圧力鍋に水を入れ火にかけ、圧力がかかったら弱火にして4分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
小さい器に入れる方法
圧力鍋で茶わん蒸しを作る時の要領で調理します。耐熱の器に切った食材を入れ、鍋に入るだけ用意すれば数種類の離乳食が一度に完成!
<材料例>
にんじん+しらす
大根+生鮭
さつまいも+鶏ささみ
各器にだしを50ml
鍋に水を200ml
<作り方>
1.しらすは塩抜き、生鮭は骨と皮を取り除き、鶏ささみは筋をとる。それぞれ食べやすい大きさに切る。
1.野菜を切り、それぞれ器に入れ、圧力鍋に入れる。
2.圧力鍋に水を入れ火にかけ、圧力がかかったら弱火にして4分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
りんご
そのまま食べてもOK!ヨーグルトやパンの上にのせても美味しいです。多めに作って大人も一緒に食べましょう。大人は甘みが足りないときは、砂糖やはちみつを加えて見てください。
材料
りんご 1個
水 200ml
1.りんごはくし切りにして芯を取る。
2.圧力鍋にりんごと水を入れ火にかけ、圧力がかかったら弱火にして2分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
大人メニューからの取り分けもできる
普段、圧力鍋で肉じゃがを作る時は、調味料を含めた材料をすべて圧力鍋に入れますが、離乳食へ取り分けする場合は、大人と同じ味つけをするわけにはいきません。ですので、以下の手順で作ってみましょう。離乳食後期以降のレシピです。
<材料>
牛肉(赤身)150g
じゃがいも 3個
玉ねぎ 1個
にんじん 1本
かつお昆布だし 300ml
しょう油 大さじ1
きび砂糖 大さじ1
<作り方>
1.牛肉は3㎝幅に切る。じゃがいも、にんじんは乱切りにする。たまねぎは半分に切ってから2㎝幅に切る
2.圧力鍋に1とだしを入れ火にかけ、圧力がかかったら弱火にして3分加圧する。
3.火を止めて圧力が下がるまで置き、圧力が完全に抜けてから蓋を開ける。
4.離乳食用に食材とだしを取り分ける。
5.大人用の調味料を入れ、火にかけ弱火で2分煮込む(蓋はしない)。
<離乳食の材料>
大人4で取り分けた食材
牛肉(赤身)15g(20g)
じゃがいも 15g(20g)
玉ねぎ 10g(15g)
にんじん 10g(15g)
煮汁 100ml
*( )は完了期の分量
<作り方>
1.材料を5㎜(1㎝)に切る。
2.小鍋に煮汁を沸かし、1を入れ90秒以上、弱火で加熱する。
3.必要ならばしょう油を0.3~0.5ml入れて風味をつける。
圧力鍋があると、野菜が柔らかくなるので「赤ちゃんがよく食べるようになった!」なんて話も聞きます。普段の鍋と併用しながら使ってみてくださいね!
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。
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