【医師監修】後陣痛はいつまで続く?痛みが出やすい理由や和らげる方法をご紹介!

産後にママが経験する母体回復の過程のひとつ「後陣痛」。後陣痛のことを、どのくらいご存知ですか?実は、筆者も子供3人の出産経験があり、お産の痛みよりも後陣痛の痛さに涙したものです。

出産・お産についての情報はあっても、後陣痛のことはあまり知られていません。HugKumが行ったアンケート回答から、先輩ママが経験した「後陣痛」の痛みや、「後陣痛の痛みを緩和する方法」をご紹介します。

後陣痛とは?

後陣痛とは、お産終了後、元の大きさに戻る(子宮復古)子宮収縮に伴った数時間持続する痛みをいいます。生理的な後陣痛は望ましいとされていますが、中には、痛みが強く産褥婦にとって、とても辛いものであり日常生活に支障をきたすこともあるようです。

後陣痛はいつまで続く?【ママの体験談】

後陣痛のピークは出産直後から〜3日程度といわれ、痛みも徐々に緩和されていきます。個人差はありますが、産後4週間ほど続く方もいるようです。

後陣痛は一般的にはいつまで?

通常、後陣痛は出産当日から3日程度のようですが、先輩ママたちの実際の様子はどうだったのでしょう?後陣痛の有無・時期について、アンケート結果を紹介します。

Q.後陣痛はありましたか? いつまで続きましたか?

全体の6割のママたちが、後陣痛を経験しています。先輩ママの多くは産後1週間程度、痛みを感じているようです。さらに、2週間~4週間と後陣痛が続いたママたちが約2割います。一方で、痛みを感じなかったママは4割と、だいぶ個人差があることが見てとれます。

後陣痛はどんな痛み?

このように、期間だけを見ても個人差のある後陣痛。その痛みは、どのようなものだったのでしょうか?先輩ママたちの体験談の一部をご紹介します。

生理痛のような痛みを感じたママから、子宮や下腹部が痛いと感じたママ、鈍痛や締め付けられるような痛みを表現するママがいたりさまざまですが、産後の辛さが伝わります。

「生理痛かな?というレベル」 (30代・神奈川県・子ども1人)
「生理痛二日目のような強烈な痛みがたまに押し寄せる。陣痛の初期段階みたいな感じ。 子宮が収縮してるって感じね。 授乳の時は特に子宮がが収縮しようとするらしくて、とても痛かった。 おっぱいは痛くなかったけど、子供が乳首を咥える度に強烈な下腹部痛が襲ってくるからそれがきつかった。」 (30代・東京都・子ども2人)
「子宮がきゅーっとなる痛み。立ってるのが辛い痛さ。」(20代・東京都・子ども1人)

「下腹部のキリキリした痛み。一人目のときは身動きのとれないような痛みが数日続き、その後はぴたっと収まった。二人目のときは、動けないほどではないが辛い痛みが、悪露とともに長く続いた。」(30代・和歌山県・子ども2人)

生理痛よりも嫌な感じの鈍痛と、刺すような痛み。」(40代・大阪府・子ども3人)

後陣痛が起こる理由

個人差のある後陣痛は、何が原因で起こるのでしょうか?また、痛みが出やすい人・痛みが続く人の特徴をみてみましょう。

後陣痛はなぜ起こる?

胎児と胎盤などの付属物が娩出されたあと、急速な子宮収縮が始まります。この子宮内圧の消失に加え、脳の下垂体後葉というところから分泌されるオキシトシンというホルモンによる分娩後の子宮を収縮させる痛みが後陣痛です。

痛みが強いママの特徴

経産婦

2人目以降の出産(経産婦)は、子宮収縮がスムーズな場合が多く、その分初産婦よりも強い痛みを感じることがあります。また子宮が大きく引き伸ばされた場合(双子、三つ子の出産や羊水過多など)、引っ張られるような痛みを感じる場合もあります。

母乳中

母乳育児の場合、授乳すると子宮を元の大きさに戻そうと子宮収縮を促すホルモン(オキシトシン)が分泌されます。そのことが影響して、後陣痛が強くなることもあります。

 

後陣痛の痛みを緩和する方法

通常起こる範囲の後陣痛は正常な生理反応なので特に治療は必要なく心配することはありません。ですが、痛みが過度に強い場合は、お産を終えたばかりのママにとってストレスや不安になります。そこで後陣痛の痛みを和らげるための対処法を、ご紹介します。

お腹周りを温める

お腹周りが冷えないようにすることは、後陣痛の緩和に効果的です。必要に応じて、湯たんぽやカイロで温めたり、仙骨周りや腹部に温かいシャワーを当てて、冷えによる過度な子宮筋肉の収縮を和らげましょう。またおなかを冷やす飲み物や、食べ物も痛みが強い時は、避けるようにしましょう。予防的には、白湯を飲んだり、腹部の血流を妨げない、締め付けない下着や靴下などが望ましいです。

楽な姿勢を探す

腹部に力がかかりすぎない様に、横向きや仰向け、膝の曲げ伸ばしなどを試してみるとよいでしょう。緊張すると子宮を収縮させるホルモンが分泌され、痛みを感じやすくなります。カラダの緊張をほぐす様に、おなかに手を当てたり、足腰をマッサージしたりしながら、楽な姿勢をとることも試してみましょう。

医師に相談

産後は出来るだけ無理をしないで、体力を戻す時期です。そのため、過度な痛みによるストレスや不安がある場合は、産婦人科医に相談しましょう。授乳中でも内服できる鎮痛剤の処方は可能です。痛みの強い場合に後陣痛以外の原因(子宮筋層炎・子宮内膜炎などの子宮内感染症)がないか、病院で確認が必要です。

後陣痛と上手に付き合おう

後陣痛は、個人差こそありますが、子宮収縮の過程で起こる生理的な痛みであることがほとんどです。産後という特別なタイミングのママにとって、ストレスや不安を少しでも和らげるよう、お医者さんのお話や先輩ママたちの体験談を参考にしてみてください。

記事監修

AYAウィメンズクリニック(https://aya-womens-clinic.com
産婦人科専門医 日本産婦人科学会所属
著書:愛と生命力を育む「さずかり体操」
佐々木 綾 院長
京都・大阪の市中病院にて、分娩・手術、救急治療を多数経験。一児の母。
2016年にAYAウィメンズクリニックを開院。
妊娠中・出産前後、手術前後の東洋医学的心身のケアや波動療法を西洋医学の診療にとり入れ始める。
早期からオンライン診療を取り入れ、隣接する歯科医院と連携し、全身トータルケアを提供している。
1人1人心身の調和のとれたハッピーバランスをモットーに、日頃頑張りすぎている女性達の駆け込み寺の様なクリニックとして、全国だけでなく、海外からの受診も継続的に増えている。

 

文・構成/太田さちか

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