スイスの休校開けが参考になる!学校の新生活や子ども達の様子は?現地在住ママのリアルレポート

新型コロナウィルスの感染拡大がひと段落したことで、世界各国で続いていた外出自粛も緩和され、学校の授業も再開しつつあります。

HugKumでは、現地での子どもの生活や学びの現状を、世界各国で暮らすママからのレポートでお届けしています。

スイスからの3回目は、休校開けの新生活

スイスではコロナウィルス感染拡大を阻止するための行動制限措置が段階的に緩和されるようになり、511日から義務教育機関の授業が再開しました。チューリヒ州の各学校の授業も再開しましたが、休校開けのはじめの1カ月は様子を見ながらのスタートに。新たなライフスタイルとともにゆっくりと日常の生活に戻る準備期間に突入しました。

時短とグループ分けで授業が再開

チューリヒ州にある地元の公立幼稚園と小学校では、休校措置解除後すぐに通常の学校スケジュールに戻るのではなく、はじめの1ヶ月は限定的に授業を再開し、段階的に通常の授業へ戻る方針がとられています。

小学1年生は週4日、1日あたり45分×3コマの授業

時間割は通常より約半分のコマ数となり、1日あたり45分×3コマの授業が行われています。水曜日はお休みとなっていますが、先生は1日に同じ授業を2回することに。州によっては休校措置が解除されてからすぐに通常の時間割に戻った学校もあるようです。

1クラスを2グループに分けて少人数制で距離を確保

各クラスを2つのグループに分け(各15人以下)、午前グループと午後グループにわかれて授業が行われています。授業中も生徒と生徒の間に距離が確保できるように、教室内の机の数を減らしてそれぞれの机の間に距離がとれるよう配置も変えられています。体育や水泳のクラスは距離の確保をとりにくいという理由で、再開の予定はまだありません。

兄弟で違うスケジュール管理が大変…

兄弟姉妹で学校のスケジュールが異なる家庭も多く出ているようで、特にリモートワークができない職種のママたちはグループ分けでの授業再開に頭を悩ます事態に。医療機関で働くあるママは、兄弟のスケジュールが一致するようにグループ分けを急遽変更してもらったとも。

我が家でも小学校に通う長女と幼稚園に通う次女が真反対のスケジュールとなり、長女が午前授業の曜日には次女が午後に幼稚園に行くなど、毎日登校時間がバラバラな生活に。苗字の順番にグループ分けをしてなるべく兄弟が同じスケジュールになるよう調節している学校もあるようです。学校側も始めての事態であり、いろいろと試行錯誤しているようです。

学校での新しいきまりごと

コロナ感染拡大防止対策として、子供たちが密接することをなるべく避けられるよう授業再開にあたり学校側から新しいきまりと注意事項のお知らせが届きました。その内容は、

  • 校舎内に入れるのは、授業開始10分前から
  • 既定のドアのみ出入り口として開放
  • 校舎内への保護者の出入りは基本的に禁止
  • 休憩時間もお友達と距離をおき、6人以上の集団にならない
  • すべての教室の出入り口に消毒液を設置し、トイレやドアノブの消毒をこまめにする
  • 授業が終わったら即帰宅
  • ハグや握手など体に触れることを避ける
  • 食べ物や飲み物をお友達とシェアしない

などというもの。保護者が周りにいない時も子供たち自身がコロナ感染防止を意識して行動できるようになる必要があり、いままでとは違う学校生活のスタートとなりました。

足りない授業は通常より多めの宿題でカバー

本来の授業時間が足りていない分、家での宿題が通常より多くでるようになっています。基本的には算数とドイツ語の宿題で難しいものではないものの、まだ1年生ということもあり複数の課題を手順通りにきちんと終わらせるのに一苦労することも。

休校中、自宅学習での課題の量が多すぎて大変だったと感じていたママは少なくないようです。時には火を使った簡単な実験の宿題もでており、保護者といっしょにする必要がある課題もあったり。8月から2年生になる準備と思いながら、引き続きがんばっています。

お友達との遊びも少しずつ再開

学校が始まっていちばん子供たちが楽しみにしていたのは、やはりお友達に会えることでした。学校以外の時間にも少しずつお友達と遊ぶようになりました。

小人数で広い空間を意識

外出自粛中であった約2か月間、お友達とのコミュニケーションはママの携帯を使って子供同士がビデオメッセージを送り合うことがほとんどでした。でもやっぱり一緒に走り回って遊ぶことがいちばん楽しそう!

しかし休校開けとなった今でも、お誕生日会をしても少人数にして、なるべく室内ではなく外やオープンスペースで遊ぶことを多くのママが意識しているようです。

休校でお友達の大切さを実感!

以前は1人で幼稚園の登下校をしていた次女は、休校が明けてからお友達と時間を合わせて登下校をするようにもなりました(スイスでは幼稚園のころから子供だけで登下校することがすすめられています!)。長くお友達と会えなかったことで逆に絆が深くなったようにも感じます。

新しいライフスタイルの始まり

自宅学習に慣れきってしまい「学校なんてもう行きたくない!」なんていうのではないかと思っていたら、子供たちは意外とすんなり学校生活に戻り、お友達と会えるようになったことに喜んでいます。コロナ対策のための新たなライフスタイルがこのまま定着していくのか、それとも元の生活のように戻るのかまだ先は見えませんが、限られた中で今できることを大切にしていきたいです。

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文・構成/ss

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