どのご家庭にもあるフライパン。このフライパンでもパンができるのをご存知でしょうか。コロナ禍の今、お菓子やパン作りにチャレンジされる方が増え、スーパーではホットケーキミックスだけではなく、小麦粉や強力粉まで売り切れ続出(!)。そこでHugKumでは作業時間たった10分の「おうちパン」考案者の吉永麻衣子先生にフライパンで作るパン作りを教わりました。ぜひ、親子でチャレンジしてみてくださいね。
パン作りにぴったりなフライパンの選び方
一口にフライパンでパン作りといっても、フライパンには様々な種類がありますよね。どんな深さや大きさ、熱の伝わり方などのフライパンを選べばよいのでしょうか。
深さについて
深さは、作りたいパンの高さに関係してきます。例えば、5㎝の高さがあるフライパンならイングリッシュマフィンのようなパンが焼けます。
大きさについて
フライパンの大きさですが、一度に200gの粉で約8個焼くのなら28センチは必要です。ただ、自宅にあるフライパンで2回に分けて焼くなど工夫をすればよいので、28cmのフライパンがなければわざわざ購入する必要はありません。大きさはあまり気にしなくてOKです。
熱の伝わり方について
フライパンは、パンを直火で焼くため“熱伝導が均一に伝わる”フライパンをお選びください。
また、フライパンの素材は、フッ素コーティングされているフライパンがおすすめです。なぜならば、フライパンにパンの生地がくっつくこともなく焼けるので、焼き上がったパンを取り出すときにストレスがないから。
無論、鉄製のフライパンなどどのような素材のフライパンでもパンは焼けます。そんなときはパン生地がフライパンにくっつかないよう、オーブンシートや“くっつかないアルミホイル”などを敷いて生地を置くとよいでしょう。
「フライパン パン」の基本レシピ
フライパンで作れるパンの基本のレシピとして、「ドデカパン」を紹介します。吉永先生のレシピ「ドデカパン」は、おやすみ前に5分で生地づくり、発酵は冷蔵庫におまかせ、あとは焼くだけと本当にシンプル。
フライパンでできる「ドデカパン」
材料:ドデカパン(1個分)
■保存容器
強力粉 180g
塩 3g
インスタントドライイースト 2g
■ボウル
水 150g
■そのほか
オリーブオイル
岩塩
お好みのハーブ
作り方(作業時間:10分)
1.計量する
材料をデジタルスケールで計量し、保存容器、ボウルにそれぞれ投入する。
2.こねる
保存容器の中の材料をスプーンでひとまぜし、均一にする。
そこに水を8割入れぐるぐる混ぜる。
状態が変わらなくなったら粉っぽいところにめがけて残りの水を入れ均一になるまで混ぜる。
3.発酵する
冷蔵庫で8時間以上置く。
※1日に1回以上丸めなおせば5日間冷蔵庫で保存可能。
4.成型する
生地を出し、打ち粉(強力粉、分量外)を多めに振って、カードで生地を外し、アルミホイルの上に保存容器をさかさまにして置き、生地が落ちてくるのを待つ。
落ちてきたら三つ折りにする。
オリーブオイルをかけ、指で15か所程度穴をあける。
岩塩とお好みのハーブを振りかける。
5.焼成
フライパン……蓋をして強火で30秒後、火を消して15分置いてから、弱火で10分、裏返してさらに13分焼きます。
※オーブンやオーブントースター、魚焼きグリルでも焼けます。
・オーブン……200度で20分
・オーブントースター……1200wで15分
・魚焼きグリル……弱火5分、さらにアルミホイルをかぶせて13分
Point!
三つ折りにする時に生地を触りすぎないこと。
触りすぎたら三つ折りにした後、常温で20分ほど置くとふんわり焼けます。
生焼けが気になる方もいると思います。私のレシピだと強火にして30秒したら、火を消して15分置きます。これが仕上げ発酵の工程になります。ここをきちんと置いて、1.5倍になるまで待てば、生焼けの心配は減るかと思います。また、蓋を必ず閉めて焼いてくださいね。
『ドデカパン』のレシピ動画はこちら>>
発酵なし! 完成まで20分の「お手軽ピザ」
発酵する時間が手間と思う方は、発酵なしでできる「お手軽ピザ」はいかがでしょうか。吉永先生は「私は端がカリッとしたピザが好きなので、5ミリ弱の厚さに伸ばしています。また、トッピングは冷蔵庫にあるものをお使いください。加工肉(ベーコン、サラミ、ハム等)とチーズがあればピザになりますよ」とのことです♪
発酵なし!「お手軽ピザ」
材料
■大きなボウル
強力粉 100g
塩 1g
砂糖 5g
■小さなボウル
40℃程度のお湯 60g
インスタントドライイースト 1g
オリーブオイル 小さじ1
■トッピング
マヨネーズ 大さじ2程度
たらこ 2分の1腹
みょうが、ねぎ、しそ 適量
チーズ 50g
作り方
① ボウルの中の材料を混ぜ、小さなボウルの水にインスタントドライイーストを振り入れて溶かし、オリーブオイルを加える。
② 大きなボウルに小さなボウルの中身を一気に入れて、ゴムベラでこねる。状態が変わらなくなったら、手で3分ほどこねて一塊にする。
③ 冷たいフライパンに生地をお好みの厚さに手で広げ、フォークで生地全体に穴をあけて、トッピングをする。
④ 蓋をして弱火~中火の間くらいで15分程度焼く。チーズが溶ければ完成!
Point!
フライパンで焼くため、下からしか火があたらないため、ジャガイモやアスパラガスのようなトッピングを載せたいときは、火が通るのに時間がかかるものはレンジで火を通してから乗せてください。
具材や形をアレンジしたレシピ
フライパンで焼くときに、成形をしたり、具材を入れてアレンジにもぜひ挑戦したいはず。
【1】フライパンで焼ける!くまのサツマイモパン
お子さんの“食”への興味が出ればいいなと、くまの形などにしてもよいでしょう。パン作り初心者の方も、ぜひチャレンジしてくださいね!
完成はこんな感じです!
【2】フライパンで「贅沢ドデカぶどうパン」
乳・卵・油脂・砂糖不使用です! 家で作ると、た~っぷり、好きなだけ干しぶどうが入れられて、満足度の高いぶどうパンに。ぐるぐる混ぜるだけでできるので、初心者も挑戦してみてくださいね。
いかがでしたか。「フライパンで作るパン作りを経験しておくと、キャンプだけではなく、災害時インフラが止まってしまっても、外でパンが焼くことができるんですよ」と吉永先生。おうちで過ごす時間が長い今こそ挑戦してみませんか。
パン作成・写真・文/吉永麻衣子【公式HP:https://yoshinagamaiko.com/】
構成/HugKum編集部