思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、鈴木尚子さん(ライフオーガナイザー)に片付けにくい場所No.1クローゼットの収納について伺っています。今回はその続きです。
↓前回のクローセットの収納についての記事はこちら。
前回(vol.7)は、「もしも、相手にどんな印象を持たれているのかを知りたければ、“自分のクローゼットを見れば良い”といわれるほど自分を表す場所」とクローゼットと自分自身の関係についてお話しを伺いました。今回は、パンパンになったクローゼットにメスを入れる具体的な方法を伝授してもらいました。ぜひ参考にしてみてください。
「ライフオーガナイズ」とは?
クローゼットは自分自身を語る場所というくらい、自分とリンクしている場所なんです。ですから、クローゼットを片付けると自分自身までもが整理される感覚になるはず!
そこで筆者が提案したいのは、アメリカ発祥の片付け術である「ライフオーガナイズ」です。ライフオーガナイズとは、“もの“だけではなく、あなた自身と家族を主役にして、生活や人生、空間やもの、「暮らしを最適化」する片付け術です。
ライフオーガナイズの手法
単にものを捨てたり、収納グッズを揃えるのではなく、思考や、行動の傾向、時間の使い方や家族との関係性など多方面から整える手法です。
筆者はファッションのプロだった経歴をいかし、クローゼットオーガナイザーの育成にも携わっています。
では早速、今日はクローゼットを片付けていきましょう!
クローゼットの片付け方法
片付けるにあたりvol.4でご紹介した、オーガナイズの「基本の3ステップ」をおさらいします。
●「基本の3ステップ」
ステップ1. 選ぶ
ステップ2. 収める
ステップ3. 維持する
上記のステップに沿って、今回クローゼットの片付けの「選ぶ」の作業をいたします。
片付けの「基本の3ステップ」についてはこちら↓
「選ぶ」作業は、3秒ルール
選ぶ作業は、「全部出す」→「4つに分けて選ぶ」→「元の場所に戻す」の順に行います。
【1】全部出す
「全部出したら大変なことになる!」
という方はパンツ、スカート、Tシャツとカテゴリーごとに分けていきましょう。ハンガーものから行うと一気にカサが減ることもあるのでオススメです。
【2】4つに分けて選ぶ
次に、4つに分けていきましょう。
まずは思いにひたらずに、全てを一気に、一枚3秒で分けていきます。
そうでもしないと、いつまでも服の散らかりが続き思考も冴えません。
この時、床などに十文字にマスキングテープを貼り、カテゴリごとに分けるとわかりやすくなると思います。※迷うものはDに置きます。
分け方のカテゴリは下記のように、機能と感情のマトリックスで分けます。
縦軸が「着ている・着ていない」かの機能、
横軸は「好き・好きではない」の感情です。
こうやって4つに分けてみることで、どんな領域のアイテムが多いのかが、一目瞭然!
実は、「好きだけど使っていない」、「痩せたら着る」とか、「あの時は良かったな」などのアイテムが残っているケースが多いのです。
Aのエリア(好きでよく着ている)
好きで稼働しているアイテムたち。ここが多くなればクローゼットの稼働率がアップし、毎日の着こなしが充実していきます。よって、このAのエリアを多くしていく事が大事なのです。
Bのエリア(好きではないが着ている)
好きも嫌いもなく、役割上必要だったり、ユ◯クロのヒートテックのように、必要だから着ているアイテムが入ってきます。
この時点でもよく考えて、本当にこの数が必要かな?とか見直す目を持ってください。
ここにあるボーダーTシャツ着ているけど、そんなに着心地が良いわけでもないし……と、処分することにしました。
A・Bのエリアの服は、一度クローゼットに戻しましょう。
Cのエリア(好きではない着ていない)
すでに着ていないし、好きでもないアイテム、これらは全て処分。リサイクルショップに持っていくことにしました。譲り先があるなら譲っても!
Dのエリア(好きだけど着ていない)
問題は、こちらDのエリアです。
好きだけど着ていないの場所には「好き」という感情が入っているので、なかなか手放しにくいエリアなのです。
最後に、迷いのあるDと向き合いましょう。
迷ったら、着てみて
Dのエリアの正解の整理方法をご紹介します。
まず、迷ったら着てみてください。「なんか変」は残さないこと! 自分が“なんか変だなぁ”と思う服は、他人から見てもなんか変なものなのです……。
ちなみに今回の作業では、Dエリアにこんなアイテムがありました。
一つはボタンがとれている→すぐに付け替えて戻します。もう一つは、表面の毛羽立ちが気になります。直せるものではないので処分!!
毛玉のある服ほどイタイものはありませんからね苦笑!
思い出の服は、どうしたらいい?
Dのエリアには、母に買ってもらった服がありました。
大好きだったものですが、ほとんど着ていません。
今、着てみると
「きつい……そして、形が少し古い?」
今回ついに、サヨナラすることにしました。
また、これらのスカートも少しデザインが古いかも……。
もちろん、流行ばかりを追う必要はないのですが、自分で古くさいかなぁ?と思うものは迷いなく処分しましょう!
ボトムスの更新は、雑誌でチェック
実は、デニムも古臭さが目立つアイテムの一つ。要注意です!
古臭いかどうかは、雑誌でチェック
今の流れにも少し目を配ると良いかもしれません。デニムに限らずボトムスは流行のシルエットがあるので、時々雑誌などでチェックしてみましょう!
痩せたら着れる服は、どうしたら?
これらは、少々小さくなったアイテム。
“痩せたら着るかな?”と思っていました。
痩せたら、もっと素敵なアイテムを!
痩せたら着るかな?という服でクローゼットをパンパンのままにしておくのはもったいないですよね!
思い切って処分。そのほうが前向きになれるケースも多いんです。
みなさん、思い当たることはありましたか。洋服が決まっていないと、1日が憂鬱になってしまいますよね。クローゼットにずっと鎮座しているアイテムを見直してみませんか。迷いがある服は、明日着て出かけてみてください。それができないならば、もう手放して自分が素敵でいられる服をセレクトしませんか。次回は7月。お洋服の収納についてさらに詳しくお話しします。
過去の記事はこちら↓
記事執筆
片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。2011年にSMART STORAGE!を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオーガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWellLiving を立ち上げ、活動の場を広げている