片付けが苦手でも「ステップ1」だけで十分スッキリ!片付けの「基本の3ステップ」とは【ライフオーガナイザー鈴木尚子が斬る!】 vol.4

思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、ライフオーガナイザー鈴木尚子さんに「片付け」術を連載で教えて頂いています。

前回は、「【オーガナイズ→整理→収納→片付け(整頓)】の順番でなければ、うまくいかず、すぐにリバウンドしてしまいます。日々の片付けができるようになるためには全てのものに元に戻る場所が必要なのです」というお話を伺いました。今回は、片付けの肝【整理】方法について教えてもらいましたので、ご紹介します。

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思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、ライフオーガナイザー鈴木尚子さんに「片付け」術を連載で教えて頂いています。 第1回・2回では、...

「ライフオーガナイズ」とは?

「片付けなければと思いつつ、重い腰が上がらない……」

「そもそも、そんなに時間がない」

と、しりごみしている方もいらっしゃると思います。
確かにワーキングマザーが増えた昨今は、片付けにかける時間なんて無いと思うほど忙しくされていますよね。しかし、一度しっかりと片付けの仕組みを作れば、その後の生活はぐんと楽になるんです。環境作りは、先行投資!と考えてみてください。

そこで筆者が提案したいのは、アメリカ発祥の片付け術である「ライフオーガナイズ」です。ライフオーガナイズとは、“もの“だけではなく、あなた自身と家族を主役にして、生活や人生、空間やもの、「暮らしを最適化」する片付け術です。

ライフオーガナイズの手法

単にものを捨てたり、収納グッズを揃えるのではなく、思考や、行動の傾向、時間の使い方や家族との関係性など多方面から整える手法です。

「基本の3ステップ」とは

ライフオーガナイズを理解してもらったら、次は「整理」をマスターしましょう。

「整理→収納→片付け」は、すなわち「基本の3ステップ」です。

●「基本の3ステップ」

ステップ1. 選ぶ

ステップ2. 収める

ステップ3. 維持する

「整理」とは、「ステップ1. 選ぶ」作業のこと。

「何をしたらいいかわからない」

「どこから始めたらいいかわからない」

と言われる方が大変多いのですが、兎にも角にもすすめたいのが「整理」です。

「整理」するときは、全部出すのが鉄則!

「整理」とは必要なものといらないものを分ける作業とありますが、「捨てなければいけない」という思い込みがこの作業をやる前から億劫に感じさせてしまうように思います。ですが、実は逆、「これからの暮らしに必要なものを選ぶ作業」なのです。

全部を見直しする作業は途方にくれるように思われるかもしれません。
今回のお客様も、

「これから全てのものを見直しますね」と言ったら、

「え、全部出すのですか?」

と固まりました。作業場所に行くとお二人が作業箇所を見つめて同じポーズで途方に暮れていて、思わず笑ってしまったほどです。ヤラセではなくこの状況でした(笑)

でも、実はやり始めると意外と楽しい作業なんですよ。できれば家族を巻き込んで「ものを選ぶ」作業をしてほしいんです!

「選ぶ」作業前のポイント

・事前にいつどこの片付けをやるので手伝ってほしいと伝えること。

・終わったら美味しいものを食べようとか次の日に出掛けようなどご褒美とセットに!

小さなお子さんでも、ものを出す作業やゴミを捨てる作業などできることを見つけて、片付けはママだけでなく皆でやる作業なんだと理解してもらうと良いでしょう。

【一人で行う場合】

何分で出来るか計ってみたり、撮りためておいたドラマを見ながらやるとか、終わった後にスイーツなどのご褒美を用意するなどして乗り切りましょう。

やる場所は、どこでも構いませんが、一番困っている場所は使用しているものが多く、あれも必要これも必要となりがち。しばらく見直していないものや使っていないものが含まれている場所ですと、整理の成果が出やすくなります。

「ステップ1.選ぶ」のやり方

下記が、「ステップ1. 選ぶ」の手順になり、順番に説明していきます。

●「ステップ1. 選ぶ」の手順

①全部出す

②4つに分けて選ぶ
(「感情と機能で分ける方法」または「使用頻度で4つに分ける方法」で行う)

③元の場所に戻す

①全部出す

まずは、その中に入っているものを全て出しましょう。
いらないものを抜き取るだけですと、少々迷うものなどはその存在を無視して見なかったことにしてしまいますので、全て出して一つ一つのものと向き合うことが大切なのです。

出すときには、棚一段、引き出し一つなどの場所別、もしくは食品、調理ツールなどのアイテムごとなど無理のない範囲で出してください。

②4つに分けて選ぶ(3秒ルールで見極め!)

そして次に4つに分けます。モノを手にしたら、3秒で4つのカテゴリーのどこに値するかを素早く見極めてください。

写真はイメージです

【感情と機能で分ける方法】

「いるか?」「いらないか?」で分けると「いる」ばかりになってしまう人は、この4つに分ける方法が効果的です。

この方法は感情と機能で分ける方法と言います。

女性は、「可愛いから!好きだから、なんか気分が上がるから!」など感情でものを所有していることが大変多いです。ですが、「では、使っているのか?」というと気に入っているだけで使用できていない、使い切れていないものが多い。なので、それらをしっかり分けることが必要なのです。このやり方は、化粧品や衣類など感情移入しがちなアイテムに向いています。

<筆者の経験談>

筆者は、感情的にものを所有していると感じたので、たくさんあった掃除用品をこの方法でやって見たことがありますが、掃除用品に感情などないと思いきや、これは匂いが好き、これは手触りが嫌い、これは見た目が嫌いなどの好き嫌いで日々使用していることに気づき驚いたこともあります。

【使用頻度で4つに分ける方法】

モノをオーソドックスな使用頻度で分ける方法も有効です。

【感情と機能で分ける方法】と【使用頻度で4つに分ける方法】どちらでもOKです。やりやすい分け方で仕分けしてみてください。

例えば、下記のように……。

食器なら、食器棚から全部だし、4つに分類します

③元の場所に戻す

②の作業をしながら、同時に“どこにしまうか?”を考えると、そこで思考停止してしまう方も多いのですが、これはとても難しいこと!これが片付け困難者が出てしまう理由のひとつなんです。実は、プロでもこの同時作業が苦手な人も多いのですよ。

なぜなら、まだその収納箇所に収めるべき全体量が見えていないから。

うっかり先に、収納ケースを新調したりすれば、後から出てくるものをしまう場所がありません。そこで、隙間に突っ込んでしまえばリバウンドしてしまうのです。

オレンジの箇所を元に戻せばOK!

では、どうしたらいいか?というと、4つに分けたとき、この時は、ただオレンジの箇所を元の場所に戻すだけでOKなんです。同じものを集めて一箇所にしまうなどの無理ない程度で構いません。元の場所に戻すのは二度手間に感じるかもしれませんが、これでいいのです!

【感情と機能で分ける方法】の場合

【使用頻度で4つに分ける方法】の場合

4つに分けたときグリーンの箇所が重要!

どちらの方法でも、注目すべきはいずれの場合も「グリーン」の箇所。

“迷うもの”や“保管すべきもの”は、いつも使っているものと混在させないこと。これが重要です!!迷ったり、使っていないけれど処分できないものは、少し手の届きにくい場所に別に保管するだけで、日頃使っている場所がぐんと使いやすくなります。

「ステップ1」だけで、空間がスッキリに

SNSで見るような素敵収納にしようとしたり、雑誌で見るような収め方を駆使して行うのは、「ステップ1. 選ぶ」の後の作業です。ですが、同時並行で行おうとする方がとても多いので注意が必要です。

まずは、今回学んだ「選ぶ」作業を家中で行なってみてください!
これだけでも少し空間がスッキリするはず。この作業は「捨てる」ではなく、前向きにこれからの人生に必要なものを選ぶ作業だと心得て欲しいです。次回は、5月。次の「ステップ2. 収める」をご紹介しますので、一緒に学びましょう。

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記事執筆

鈴木尚子|SMART STORAGE!代表 ライフオーガナイザー®

片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。2011年にSMART STORAGE!を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオーガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWellLiving を立ち上げ、活動の場を広げている

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