新連載【ライフオーガナイザー鈴木尚子が斬る!】あなたは左脳派?右脳派?〝利き脳〟による片付けのクセ発見法とは? vol.1

 

みなさんは、家に突然ゲストが来ても大丈夫でしょうか? HugKum編集部では、片付けに迷走している読者に向けて、思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、ライフオーガナイザー鈴木尚子さんに「片付け」術を連載で教えて頂くことになりました。初回は、〝利き脳〟による片付けのクセ発見方法について。利き脳を調べることで、思考や行動のクセが見え収納方法が分かるそう。みなさんもぜひ、家族の利き脳を知って、片付けについて今一度考えてみませんか。

片付けられない原因は、ズバリこれ!

今や、小学5年生の家庭科の授業に〝片付けの必要性〟が入っていることをご存知でしょうか? そう、片付けに悩む家庭が年々多くなっていることから、片付けは習う時代になっているんです。

※写真はイメージです

片付けに悩む最たる理由は、共働き世帯が増え家事時間が減少したから、と言われていますが、それだけではありません。SNSなどにアップされた美しい収納に惑わされてしまっているからなんです!

ステキな容器に洗剤や液体調味料を詰め替えたり、リビングをすっきり見せるために、開け閉めのしづらい粘土ケースを収納ボックスにしたり。きれいだけれど手間がかかるこれらの作業は、ただでさえ忙しい毎日に、より負荷をかけているんです。

大切なのは、自分にとってやりやすいか。また、手間を取られずに、楽にできるやり方であるかということ。少しでも自分の時間を充実させ、ママやパパの精神的な健康を手に入れることが大切なんです。

ライフオーガナイズとは?

そこで、筆者が提案したいのは、アメリカ発祥の片づけ術である「ライフオーガナイズ」です。

ライフオーガナイズとは、〝モノ〟だけではなく、あなた自身と家族を主役にして、生活や人生、空間やモノ、「暮らしを最適化」する片付け術のことです。
つまり、単にモノを捨てたり、収納グッズを揃えたりするのではなく、思考や行動の傾向、時間の使い方や家族との関係性など多方面から整える手法です。

片付けの手がかりは、自分の〝利き脳〟を知ること

ライフオーガナイザーの片付けでは、〝利き脳〟を参考に、片付けの手がかりを見つけ出します。

利き脳とは、利き手・利き足があるように、使いやすい脳があるということ。利き脳が分かれば、行動や思考のクセを理解することができます。これは、坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに日本ライフオーガナイザー協会が応用しまとめた、ライフオーガナイズの手法の一つです。

自分の〝利き脳〟の調べ方

利き脳には、〝インプット〟のときの利き脳と〝アウトプット〟の時の利き脳の2つのタイプがあります。その2つのタイプから、あなたの〝利き脳〟を調べます。

〝インプット脳〟の調べ方

まず、情報を取り込んで理解するときに使う〝インプット脳〟を調べましょう。これは、片付けモノを探すときや要不要判断をするときに使用します。

Q.自然に指を組んだときに、どちらの親指が下になりますか?

写真は、右手の親指が下になっているので、〝インプット脳〟は「右脳タイプ」

A.右手の親指が下になる人は、〝インプット脳〟は「右脳タイプ」
左手の親指が下になる人は、〝インプット脳〟は「左脳タイプ」になります

〝アウトプット脳〟の調べ方

アウトプット脳とは、情報を言葉や行動に使うときに使用し、モノを元に戻すときや片付けの仕組みをつくるときに用います。

Q.腕を組んだとき、どちらの腕が下にきますか?

写真は、左腕が下になっているので、〝アウトプット脳〟は「左脳タイプ」

A.右腕が下になる人は、〝アウトプット脳〟は「右脳タイプ」、
左腕が下になる人は、〝アウトプット脳〟は「左脳タイプ」になります

〝利き脳〟は4つのタイプに分かれる

4つのタイプの利き脳から、自分はどのタイプで、どんなクセがあるのか、見てみてください(図2)。

自分を知ること、自分がどんなやり方だとうまく片付けられるのか?どうすれば迷うことなく目当てのモノを取り出せるのか?それが分かると片付けもしやすくなります。

例えば、筆者は〝右右(うう)脳タイプ〟、片付けるそばからなぜか散らかって行くことが疑問でした。「図2:利き脳 4タイプ」を見ると〝あちこちに手を出してしまいやりきれない〟とある通り、リビングを片付けている途中で寝室に荷物を置きに行く、するとベッドメーキングしていないことが気になり、ベッドメーキングをする、その上サイドテーブルのごちゃつきが気になりそこを片付け始めてしまう……その後、リビングに戻ってびっくり!そうだリビングを片付けていたんだった!なんていうことがしょっちゅうでした。

おまけに、息子がものを使っては出しっぱなし体質。学校から帰って来て、ここでランドセルをおろしたんだね、ジャンパーを脱いだんだね、お菓子はこれを食べてDSをやったんだね、という風に全部やりっぱなし!

始めは、私の育て方が悪いのかと思いましたが、息子の利き脳を調べると同じ〝右右(うう)脳タイプ。しつけのせいではなく、片付けの特性が同じなんだ!と思えたことで、その後の解決方法が変わりました。

このように、自分の特性を知ることで、相手との違いを理解できるようになります。〝利き脳〟を知ることは、家族間の片付けには大変重要なポイントなのです。

家族で、片付け上手になるには?

では、家族みんなの〝利き脳〟を調べたとき、4タイプ全員が家の中にいる!なんて場合には、どうしたら良いのでしょうか?

一番苦手な人に合わせる

家族それぞれの利き脳がバラバラでも、特にママが片付け上手の場合は、そのやり方を押し付けていることでお子さんがやり辛い、夫ができないという場合も。開け閉めのアクションが多すぎないか?もっと簡単にできないか?
より近くにしまう方法はないか?などを考えてみましょう。 

お互いのやりやすい方法を話し合う

実は片付けに関して家族で話し合ったことがある家は、少ないもの。なぜできないんだろう?と疑問を持ちながらなぜなのかを話し合うことはありません。

ですが、聞いてみると意外や意外、届かない、分かり辛い、引き出しが重いなど色んな理由があるものです。お互いにどうなっていたらやりやすいだろう?と話し合ってみましょう。

 

いかがでしたか。家族で話し合ってみると、それぞれの自覚も出て片付けに前向きになる効果もあります。お互いの片付けのくせに理解を示し、やりやすい方法を検討してみてくださいね。ママだけが片付ける時代はもう古い!家族みんなで片付けが進められるといいですね。

記事執筆

鈴木尚子|SMART STORAGE!代表 ライフオーガナイザー®

片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。2011年にSMART STORAGE!を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオーガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWellLiving を立ち上げ、活動の場を広げている

 

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