なかなかむずかしい上手なお箸の持ち方。子どものうちは仕方がなくても、それが癖になってしまうと、大人になってから矯正に苦労することもあるようです。できるだけ早いうちから正しい持ち方に慣れさせてあげたいところですが、いったいどんな練習法に効果があるのでしょうか? そもそもお箸を上手に持つ必要性って?
今回はそんな疑問やお悩みをお持ちのママパパ向けに、「お箸の持ち方」事情をアンケートリサーチ。寄せられた意見をもとに、効果的な練習法や便利なアイテムもご紹介します!
目次
箸の持ち方はどんな印象を与える?
食事をすること自体に支障はないのに、どうしてお箸を上手に持つ必要があるの? お子さんだけでなくママやパパでも、そう疑問に思うこともあるかもしれません。しかし、お箸の持ち方は食事を同席する人への印象を左右したり、テーブルマナーのひとつとして重要視される傾向にあります。
そこで、Hugkumではママパパを対象に「お箸の持ち方から受ける印象」をアンケート調査! 以下では、寄せられたご意見をまとめました。
Q1. 箸の持ち方がきれいな人にどんな印象を受けますか?
まずは、アンケートで聞いてみた「お箸の持ち方がきれいな人」に対してママ・パパたちが抱く印象をご紹介します。大人・子どもに関わらず、お箸の持ち方がきれいだと、食事を同席する相手にどのような印象を与えるのでしょうか。
お箸の持ち方がきれいな人に対しては、やはり「好印象」を抱く方が多いようです。理由としては「見ていて気持ちがいい」ことが挙げられています。
また、「育ちが良さそうな印象を受ける」という声も寄せられました。お箸の持ち方をマナーの一環と捉える方も多く、親のしつけが行き届いているかどうかの判断材料のひとつとする方も珍しくないようです。
なかには、「人柄も良さそうに見える」という声も。「お箸をきれいに使える=食事相手への気遣いもできる」と見なされ、真面目な印象を与えるようです。
Q2. 箸の持ち方が汚い人にどんな印象を受けますか?
反対に「お箸の持ち方が汚い人」にはどのような印象を持つのか、アンケートで聞いてみました。ママパパたちから寄せられた回答をお伝えします。
多かったのは「不快な印象を受ける」という回答。お箸の持ち方が汚い人と食事を同席すると、多かれ少なかれ気になったり、残念に思ったりする人が多いようです。なかには「一緒にご飯を行きたくない」という辛辣な声も。
また、お箸の使い方が汚いと「しつけがなっていない」と感じる方も少なくありません。先述したように、お箸の持ち方が、家庭での教育や親のしつけが行き届いているかどうかの判断材料とされることも。
「マナーが悪い」「食べ方が汚い」といった声もありました。お箸の持ち方が汚いと上手に食べ物をつかめず、こぼしたり、落としてしまったりと、食べ方が汚く見えてしまうかも。
食事以外のことに関しても「がさつ」「だらしなそう」といったイメージを持たれてしまうこともあるようです。お箸をきれいに使えるに越したことはなさそうですね。
まずは、正しい持ち方&ポイントをおさらい!
ここまで、アンケートに寄せられた「お箸の持ち方から受ける印象」をご紹介してきましたが、いかがでしたか? 食事自体には支障がないように思えても、 同席する人とお互いに気持ちよく食事ができるように、お箸はきれいに使えるようにしておきたいですね。
では、そもそも「お箸のきれいな持ち方」とは? 練習法を知る前に、まずは「正しい持ち方」をおさらいしておきましょう。
上の箸を親指・中指・人差し指の3本の指で支える
まずは片方のお箸(上のお箸)を、鉛筆を持つときと同じように親指・中指・人差し指の3本の指で支えます。持つ位置は上から3分の1あたりが目安です。
下の箸は親指の先端に挟み、薬指を添える
もう一方のお箸は、同じく上から3分の1あたりの箇所を親指の付け根に挟み、その延長線上を薬指の第一関節あたりに置くようにして持ちます。親指の付け根にしっかりと挟めていないと薬指がすべる原因になるので、気をつけて持ちましょう。
下の箸は固定。上の箸だけを動かす。
食べ物をつかむ際は、下のお箸はあくまでも固定。
上のお箸だけを動かし、食べ物をつかんでみましょう。
左利きはむりに矯正しなくてもOK。食事のときだけ右利きでも◯
左利きでも同様の動作を左手で行えばOK。ただし和食は、汁物が右、主食が左、と主に右利き向けに配膳されるので食べづらく思うこともあるかもしれません。この配膳に慣れれば問題はないのでむりに矯正する必要はありませんが、なかには「お箸を持つ手だけ右」と決めているという方もいるようです。
輪ゴムで上達!箸の持ち方おすすめ練習法
お箸の正しい持ち方がイメージできたら、いよいよ練習をしてみましょう! 今回ご紹介するのは、輪ゴムを使った練習法。輪ゴムで下のお箸を固定して、上のお箸だけを動かし食べ物をつかんでみるというものです。手が小さいお子さんには小さめの輪ゴムを用意してあげましょう。
Step1:輪ゴムに指を通す
まずは輪ゴムを8の字にし、親指と人差し指を通します。
Step2:上の箸を持つ
上のお箸は輪ゴムの上から、鉛筆を持つときと同じように、親指、人差し指、中指で支えます。この状態で箸先を上下に動かす練習をしてみましょう!
Step3:下の箸を輪ゴムにくぐらせ固定
次に、上のお箸と平行になるように、親指の根元に下のお箸を挟みます。このとき、下のお箸は、親指に掛かっている輪ゴムにくぐらせて固定します。
Step4:下のお箸は固定、上のお箸だけ動かしてみる
上のお箸だけを動かして、箸先を閉じたり開いたりしてみましょう。繰り返すうちに、「下のお箸は固定、上のお箸だけ動かす」というお箸の正しい持ち方の基本が身につくはずです。
やってませんか?誤った箸の持ち方と種類
明らかに間違えた持ち方もあれば、「これってやっぱり間違えてる…?」と判断が難しいものもありますよね。ここでは、間違ったお箸の持ち方の特徴をそれぞれ説明していきます。
クロス箸
お箸をばってんに交差させて持つ「クロス箸」は、代表的な誤ったお箸の持ち方。箸先に力が込めにくく、食べ物をうまくつかめません。滑りやすく、食べ物をこぼしやすい持ち方です。
にぎり箸
食事中、特に目立つ誤った持ち方が「にぎり箸」です。お箸をグーで握るようにするので食べ物をつかみにくく、自然とお箸で刺したり掬うようにして食べたりと、食べ方自体が汚くなってしまいがちです。
鉛筆持ち
一見上手に持てているように見えても、上のお箸に人差し指を絡ませるようにして親指と2本の指だけで動かしていたら、それは「鉛筆持ち」と呼ばれる誤った持ち方です。食材をうまく掴めないだけでなく、お箸を持つ手も疲れてしまいます。上のお箸は、中指・人差し指・親指の3本で支えて動かすのが正解。
要注意!気をつけたい お箸のタブー
また、お箸は持ち方だけでなく、扱い方にも要注意。特に「きらい箸」「忌み箸」と呼ばれるお箸のタブーはやらないように気をつけたいところです。知らず知らずのうちにやってしまわないよう、お箸を使う際のNGも覚えておきましょう。注意したい代表的なお箸のタブー5つをご紹介します。
迷い箸
料理の上で、お箸を迷わせること。
移し箸(箸渡し)
お箸とお箸で、だれかと同時におなじ食べ物を掴むこと。
渡し箸
器を横切るように縁にお箸を渡すこと。お箸を一旦置きたい場合は箸置きを使いましょう。
寄せ箸
お箸を使って器をじぶんに引き寄せること。
ねぶり箸
お箸をしゃぶること。
どう教えるのがいい?先輩ママパパの体験談
ここまでお箸の持ち方や練習法をお伝えしてきましたが、実際にママやパパはどのようにしてお子さんにお箸の持ち方を教えているのでしょうか。アンケートで聞いてみた体験談をご紹介します。
サポート箸や矯正箸を使う
寄せられた体験談で多かったのが「市販のサポート箸や矯正箸を使って教えていた」というもの。サポート箸には印や補助が付いており、日常的に使うことで正しい持ち方が習慣づくといわれています。
まずは鉛筆の持ち方から教える
上のお箸をしっかり持ち、動かすことは、お箸を正しく持つための大切なポイントです。上のお箸と鉛筆は持ち方が似ているので、まずは「鉛筆を正しく持つこと」から教えたママやパパも多いようです。
親が箸を正しく使ってみせる
「親のふり見て子は育つ」と言うように、「親が正しく使っていれば子どもも自然と正しく持てるようになる」という声も寄せられました。もしもママやパパがお箸の持ち方に自信がなければ、ぜひお子さんといっしょに練習してみてくださいね。
トレーニングにおすすめのお箸・矯正箸 3選
正しくお箸を持つ練習に効果的と言われる矯正箸。ほとんどの商品に左利き用も用意されているので、左利きのお子さんがいるご家庭でも重宝されています。そんな矯正箸のなかでも、実際に使ってみたママやパパから人気の商品をアンケートリサーチ! 寄せられた回答の中から、厳選してご紹介します。
エジソンのお箸
リングに指を入れるだけで、すぐにお箸を正しく持てるサポート箸「エジソンのお箸」。上のお箸と下のお箸が連結されているのでクロスせず、「自然ときれいに持てるようになった」と好評のアイテムです。連結部が分離し、洗浄がかんたんなのも嬉しいポイント。
レック アンパンマン 持ちかた覚え箸
レックの「アンパンマン 持ちかた覚え箸」はアンパンマンの顔モチーフがとってもかわいい、お子さんからも人気のアイテム。上達に合わせてサポートを減らし、段階的に正しい持ち方を身につけられます。レックからはアンパンマンのお子さん用食器がたくさん展開されているので、他の食器と合わせて使うのもいいかも!
ちゃんと箸
付属のシリコンパーツが中指と人差し指の位置をわかりやすくサポートしてくれる「ちゃんと箸」。下のお箸の指の置き場所も、くぼみでさりげなく教えてくれます。うるし仕上げの上品な見た目で、一見しただけでは、矯正用のお箸を使っているとはわかりにくい点が特徴です。
長い目で見て、やさしく教えてあげましょう
食事の時間を気持ちよく過ごすためにも、お箸はきれいに使いたいもの。とはいえ、はじめから「完璧」を目指してしまうと、食事の時間が楽しくなくなってしまうおそれもあります。特にちいさいお子さんなら、長い目で見ながらやさしく教えてあげましょう。時にはサポート箸などの便利アイテムに頼りつつ、きれいな持ち方を目指してみてくださいね。
構成・文/羽吹理美