子どもにも大人にもおすすめの短編アニメーション映画
実写はもちろんアニメーションにも、短編の作品は豊富に存在します。ここでは、子どもが楽しめるものから大人もじっくり味わいたいアーティスティックなものまで、さまざまな短編アニメーション作品を集めてみました。
『シリー・シンフォニー』シリーズ
『シリー・シンフォニー』は、1929〜1939年にわたって、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによって製作された短編アニメーション映画のシリーズ。
なかでも、『３匹のこぶた』や『みにくいあひるの子』をはじめ、おとぎ話を題材としたミュージカル調の作品が有名です。古いものではありますが、ディズニーならではの楽しい動きと音楽で、小さい子でも決して飽きさせません。
ディズニー・ショートフィルムコレクション
ピクサー・ショート・フィルム
ピクサーアニメーション映画の短編を、ミニムービーも合わせて13本収録した作品集。長編作品の上映前に流されてきた短編ばかりなので、観たことのある作品も多いかもしれません。ほっこりする作品が揃い、大人が見ても癒されます。
ジブリがいっぱいSPECIAL ショートショート
スタジオジブリが1992年から2016年までに制作した短編作品がぎゅぎゅっと詰まった作品集。宮崎駿監督が手がけた『そらいろのたね』やCHAGE&ASKA『On Your Mark』PVをはじめ、意外と知られていない短編の名作が満載です。TVCM用に作られたアニメーション作品も多数収録されており、ジブリファンなら必見。
ちいさな英雄－カニとタマゴと透明人間－
子どものたまごアレルギーをきっかけに展開される『サムライエッグ』は、ママパパもつい感情移入してしまう一作。
陽なたのアオシグレ
長編作品『ペンギン・ハイウェイ』で注目を集めた石田祐康監督による上映時間18分の短編作品。内気な小学４年生男子のヒナタは、クラスで人気の女子・シグレのことが密かに好き。ある日、シグレが突然転校してしまうことになって…。
シグレに想いを伝えるために駆け出したヒナタの胸キュンストーリー。小学生の恋模様とともに描かれる渾身のアクションシーンが見どころの一作です。
ほしのこえ
『君の名は』『すずめの戸締り』の新海誠監督が、2002年に個人制作した初の劇場公開作品。宇宙に旅立った中学生の少女と地球に残った少年の遠距離恋愛のやりとりを、携帯電話のメールや2002年当時の日本の日常風景を交えて描きます。宇宙と地球、ばらばらになった二人の間に次第に生じる“時間のズレ”の表現がなんとも切ない作品です。
ダム・キーパー
『トイ・ストーリー3』『モンスターズ・ユニバーシティ』のアートディレクターを務めた堤大介氏とロバート・コンドウ氏が共同監督で手がけた18分の短編アニメーション作品です。
舞台は大気汚染に覆われた時代の世界。街を守るダムを動かす作業を任されている一匹のブタの少年は、平和ボケした街の人々に存在を忘れられていました。そんな少年のもとに、ある日、キツネの転校生がやってきて…。
世界中の国際映画祭で20以上もの賞を受賞した作品です。
つみきのいえ
水没した街に住む一人の老人は、上昇する海面から逃れるために、上へ上へと積み木のように部屋を積み上げて暮らしていました。そんなある日、老人はお気に入りのパイプを海に落としてしまいます。水の中に潜り、積み上げられた家の下の階へと進むほど、かつて暮らしていた家族との古い思い出を想起し……。美しくも切ない短編アニメーション映画です。
ママパパにおすすめ！育児の合間にサクッと楽しめる短編映画
育児中は「映画を観たい」と思っても、長編作品を続けて観られるほどのまとまった時間が取れない場合も多いですよね。
ここでは、そんな育児中のママパパがサクッと観て感動できる短編実写作品をご紹介。複数の短編が集められたオムニバス形式の作品も。
Bis Gleich
年老いた男性と、その向かいに住む老夫人。目が合う程度の関係が、ある日を境に変化していき……。
ドイツ語の映画ではありますが、台詞が少ないので問題なく見ることができます。ふたりのやり取りに心温まる20分程度の作品です。
一分間タイムマシン
上映時間はたったの６分、舞台も一箇所ですが、思わぬ展開に没入してしまうこと間違いなしの一作です。
とっくんでカンペキ
子どものかわいらしい恋愛の様子についついほっこりしてしまう、６分間の短編映画です。
TOKYO!
東京を舞台に紡がれる３つの短編作品から成るオムニバス映画。フランス・日本・ドイツ・韓国の合作により、2008年に公開されました。
それぞれの作品でメガホンを取ったのは、ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノという錚々たる監督陣。三人の鬼才が切り取った東京の姿に、日本人としてハッとさせられる場面も。
ナイト・オン・ザ・プラネット
1991年に制作されたジム・ジャームッシュ監督によるオムニバス映画。ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ、５つの都市を舞台に、タクシードライバーと乗客の人間模様を描きます。
各都市を舞台とした５つの短編作品の連なりとなっているため、一作ごとに休憩を挟んでも問題ありません。ユーモラスでありながら、時にはその土地の社会問題や風刺も織り交ぜられており、楽しみつつも深く考えさせられる作品です。
人生スイッチ
ささいなことがきっかけで、人生が大きく変わってしまう…。だれにでもあるかもしれないそんな「人生スイッチ」をテーマに、６つの短編をアルゼンチンのダミアン・ジフロン監督が撮り下ろした作品。
間違えて車をレッカー移動されたことから全てを失った男の復讐劇や、結婚式で大きなピンチを迎えるカップル等々……ハラハラが止まらない６つの物語を楽しめるオムニバス作品です。
ユメ十夜
夏目漱石の小説『夢十夜』を原作に、11人の監督が短編映画を撮ったオムニバス作品です。
実相寺昭雄、市川崑、西川美和をはじめとした豪華な監督陣が、それぞれの独自の解釈で夏目漱石の夢の世界を映像化。キャストも豪華なので、原作ファンもそうでない人も、エピローグを含む11通りの映像表現をきっと楽しめるはず。
点
ガールズバンド・yonigeの『ワンルーム』という曲から着想を得て、『愚行録』の石川慶監督がメガホンをとった作品です。
田舎町で床屋を営む理容師の高志のもとに、幼馴染で元恋人でもあるともえがやってきて「結婚式のためにうなじの毛を剃ってほしい」と高志に頼みます。ともえと高志のぎこちない会話劇から成る物語。
大人になってからこそ、二人の不器用なやりとりが胸に沁みます。上映時間は26分。
子どもの楽しみとしてはもちろん、忙しい育児の合間のリフレッシュにも
短い時間でサクッと見られる短編映画は、お子さんの楽しみとしてはもちろん、ママパパの育児の合間のリフレッシュにもおすすめです。短い上映時間にさまざまな創意工夫が凝らされた短編映画の世界に、ぜひ浸ってみてくださいね。
あなたにはこちらもおすすめ
文/羽吹理美ほか 構成/HugKum編集部