親世代が好きなジブリ作品ランキングBEST10
宮崎駿監督作品を筆頭に、数々の名作を生み出してきた「スタジオジブリ」。「アニメ=子ども向け」というイメージを覆し、どの作品も幅広い年齢層から愛され続けていますね。多岐にわたる作品の中でも、育児中のママパパたちからははたしてどんな作品が人気なのでしょうか?
10位 紅の豚
まずは、『紅の豚』(1992年公開、宮崎駿監督)が10位にランクイン。
主人公は、空賊相手に賞金稼ぎをするポルコ・ロッソ。自分自身でかけた魔法によって豚の姿になったポルコの活躍や、生き様、そして彼をとりまく人間模様が、時にコミカルに、時にしっとりと描かれます。第一次世界大戦後のイタリアを舞台に紡がれる、ちょっぴり渋くて深〜い本作の魅力には「大人になってから気づいた!」という方も多いようです。
9位 ハウルの動く城
9位には『ハウルの動く城』(2004年公開、宮崎駿監督)が挙がりました。
荒地の魔女の呪いによって90歳の老婆に姿を変えられたソフィーと、魔法使いハウル、そして家族のような仲間たちの「動く城」での共同生活を軸に繰り広げられる物語。ハウルや荒地の魔女、カルシファーたちを慈しむソフィーの気持ちに、家庭を持つママパパたちはきっと共感してしまうはず。
8位 もののけ姫
8位は日本映画の歴代興行記録を更新するほどの大ヒットとなった『もののけ姫』(1997年公開、宮崎駿監督)。
タタリ神となった猪神から呪いをかけられたアシタカと、山犬として森に暮らす人間の少女・サン。ふたりのそばで起きている「人間」と「もののけ」の争いによって、人と自然との共存という大きな課題を描きます。人間が「生きる」とは一体どういうことか? そんな根源的な問いを突きつけられる作品です。
7位 火垂るの墓
7位『火垂るの墓』は、1988年公開の高畑勲監督作品。昭和20年終戦間近の神戸にて、戦災孤児となった兄妹を待ち受けるのはあまりにも悲しい運命。わたしたちが暮らす平和な日常は決して当たり前ではないということ、そして、戦争が犠牲にするものについて深く考えさせられます。
6位 耳をすませば
6位は1995年に公開の『耳をすませば』。同名の少女コミックを原作に、近藤喜文監督が手がけた作品です。
作中に描かれる甘酸っぱい恋愛模様や、夢に向かって奔走する思春期の年頃に、くすぐったくなったり、懐かしくなったり……。主人公・雫と同年代の頃に本作を観ていたママパパも、大人になった今改めて触れてみると、新たな発見に出会えるかもしれません。
5位 魔女の宅急便
5位には、『魔女の宅急便』(1989年公開、宮崎駿監督)が挙がりました。
主人公は、魔女の母と人間の父との間に生まれた少女キキ。「魔女のいない町で1年間修行する」という魔女のしきたりをきっかけに旅に出て、ある港町に辿り着きます。そこで間借りしたパン屋さんではじめたのは、空飛ぶお届け屋。紆余曲折もありながら、魔女としてはもちろん、人として成長していくキキの姿に、過去や現在の自分の姿を重ねてしまう大人は多いのではないでしょうか。
4位 風の谷のナウシカ
4位には1984年公開『風の谷のナウシカ』。宮崎駿監督が自身原作の同名漫画を映画化した作品です。大戦争によって、文明も自然も崩壊してしまったのちの世界を舞台に、人間が争うことの愚かさや自然の尊さを描きます。壮大なストーリーながら、普遍的かつ、決して他人事ではないメッセージが満載。
3位 千と千尋の神隠し
3位は『千と千尋の神隠し』(2001年公開、宮崎駿監督)。奇妙な街へと迷い込んだ千尋が、一度は見失いかけた「自分」を見つけていくまでのお話。緻密なタッチで描かれる不思議な世界の景色や、魅力的なキャラクターの数々に、大人も子どもも目が離せなくなります。当時の日本歴代興行収入第1位を達成し、大きな話題を呼んだ作品です。
2位 天空の城ラピュタ
2位は『天空の城ラピュタ』(1986年公開、宮崎駿監督)!
見習い機械工として鉱山町で働き暮らす少年・パズーが、空から降ってきた少女・シータと出会ったことから、物語ははじまります。シータが持つ「飛行石」をめぐる陰謀と、その謎の先には……? 幻想的な世界観や、絵画のような美しい画面の数々に大人もうっとり。
1位 となりのトトロ
堂々の1位は、きっと誰もが納得の『となりのトトロ』(1988年公開、宮崎駿監督)。
田舎へ引っ越してきた草壁一家と「トトロ」と呼ばれる生き物の、夢の中のできごとのような不思議な交流を描いた本作。
子どもの頃はサツキやメイの視点で、大人になってからは親目線で。自分が置かれる境遇によっても、また違った味わいが楽しめる作品です。ワクワクするシーンがいっぱいあって、子どもと一緒に見やすい点も魅力!
子どもが好きなジブリ作品ランキングBEST5
ここまでママパパたちが好きなジブリ作品をお伝えしてきましたが、では、子どもたちからはどんな作品が人気なのでしょうか。
ここからは、子どもたちが好きなジブリ作品を同じくランキング形式でご紹介!
5位 魔女の宅急便
5位は大人たちからの人気も集めた『魔女の宅急便』。箒で空を飛んだり、黒猫のジジとしゃべったり……。外国風のおしゃれな街並みの中、キキが使う魔法に子どもたちの目は釘付け! キキとトンボとの関係も気になったりと、子ども心をくすぐる作品です。
4位 なし
4位はなんと、「なし」でした! お子さんがまだ幼く「ジブリ作品はまだデビューしてないよ」というご家庭も多いようです。今後、親子でジブリ作品を鑑賞できる日が楽しみですね。
3位 崖の上のポニョ
3位は、大人部門ではランクインに至らなかった『崖の上のポニョ』(2008年公開、宮崎駿)。崖の上の一軒家に暮らす少年・宗介と、ある日、彼が助けた魚の女の子・ポニョの交流の物語。アンデルセン童話「人魚姫」をベースとしたファンタジーに加えて、主人公は子ども! 同じくらいの年頃の子どもが活躍する物語に、子どもたちはついつい引き込まれてしまうようです。
2位 千と千尋の神隠し
子どもたちからの人気2位は『千と千尋の神隠し』。不可思議な世界観ながら「豚にされてしまった両親を助ける」物語に、子どもはハラハラ! 終盤で明かされるハクの秘密には、大人・子どもに関わらず感極まってしまいます。
1位 となりのトトロ
1位は大人部門と同様、納得の『となりのトトロ』でした。 まっくろくろすけから始まり、小トトロ、中トトロと、少しずつ姿を現すトトロたちが、子どものハートを鷲掴み! 自分の近くにもトトロがいるかもしれない……と子どもたちに夢を見させてくれるお話です。
親&子、それぞれの視点で楽しめる仕掛けがいっぱい!
ほか、ランクインには至りませんでしたが、『アーヤと魔女』や『天空の城ラピュタ』も子どもたちから人気でした。
大人にとっては味わい深く、子どもにとっても興味が引きつけられる仕掛けが満載のジブリ作品。お互いの感想を話し合いながら、これからも親子でジブリ作品の世界を楽しんでいきたいですね。
構成・文/羽吹理美