パクっと食べやすいミニトマト・ぶどうの誤嚥に注意!窒息の危険から子どもを守ろう【Safe Kids】

秋も深まり、スーパーや八百屋さんには、美味しそうな野菜や果物がたくさん並ぶようになりました。今回は、食べ物による子どもの窒息を予防するために知っておいていただきたいことについてお話しします。

4才までは4つに切って!食べ物による窒息を予防するために

 ミニトマトや大粒のぶどうのように、丸くて表面がツルツルした食べ物が子どもの喉の奥にスルッと入り込み、窒息してしまうことがある、ということはみなさんもご存じかと思います。ミニトマトやぶどうなどは、「幼稚園や保育園などで『給食での提供を避ける食品』」とされています(参照:内閣府「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン 【事故防止のための取組み】 P.21)。

ではこのような食べ物による窒息を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか。

イラストのダウンロードはこちらから

 

家庭で簡単にできる方法は、そのような食べ物を、「縦に4つに切ってから食べさせる」ことです。少なくとも4才までは4つに切ってください。最近出回っているぶどうは皮が薄く食べやすいですが、皮もむいた方がよいでしょう。

 

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ではなぜ「4才まで」なのでしょう?

厚生労働省の人口動態統計を見てみますと、年齢階層別の死亡総数に占める「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」による死亡数の比率は、全人口の平均は0.4%ですが、0才(0.6%)、1才(1.1%)、2才(2.2%)、3才(1.0%)、4才(1.7%)、59才(0.3%)となっており、5才未満(=4才まで)のリスクが高い、ということがわかっています。そこで、「4才まで」としていますが、上の統計にもありますように、5才になれば大丈夫、小学生になれば窒息しない、というわけではありませんので、お子さんの発達状況や咀嚼力(噛む力)などに応じて判断してください。

ミニトマトやぶどうを4つに切って食べさせたり、切ったものをお弁当に入れるのはちょっと手間がかかることですが、、お子さんがおいしいミニトマトやぶどうで窒息することのないよう、「4才までは4つに切る」を実行していただきたいと思います。

 

ミニトマトとぶどうのシールができました

Safe Kids Japanでは、ミニトマトや大粒のぶどうなどによる窒息を予防することを目的に、食材を提供する事業者の方々を通じて一般消費者の皆さんに安全な食べ方をご紹介したいと考え、シールとチラシを作成しました。こちらのページからダウンロードできますのでご活用ください。ダウンロードはこちら

 

Safe Kids Japanとは

 私たちSafe Kids Japanは、事故による子どもの傷害を予防することを目的として活動しているNPO法人です。20186月からこのHugKumで、子どもの傷害予防に関する記事を配信しています。基本的に毎月1回、季節や年中行事などに関連した内容の記事をお送りしたいと考えています。

さて、「事故による傷害」、「傷害予防」という言葉、あまり聞き慣れないかもしれません。私たちがなぜ「事故」ではなく「傷害」という言葉にこだわっているのか、について、少し説明させてください。

 

事故?傷害?その違いは?

 「事故」という言葉を辞書で調べてみると、「思いがけなく起こった良くないできごと」とあります。英語で言うとaccidentですね。accidentは「意図しない不幸なできごと」という意味で、「避けることができない運命的なもの」という意味も含まれています。海外でもかつてはaccidentを使っていましたが、最近ではinjuryという言葉が使用されるようになりました。injuryは「ケガ」「負傷」という意味です。「事故」は科学的に分析し、きちんと対策すれば「予防することが可能」という考え方が一般的になり、「運命的な」という意味を含むaccidentではなく、injuryという言葉を使用することが勧められるようになったのです。今ではaccidentという言葉の使用を禁止している医学誌もあるくらいです。

そのinjuryに対応する日本語として、Safe Kids Japanでは「傷害」という言葉を使っています。よく「事故予防」と言われますね。もちろん事故そのものが起きないことがいちばんなのですが、たとえ事故が起きたとしても、(重大な)ケガはしないように備えよう、そんな思いも込めて、「傷害予防」と言っています。

NPO法人Safe Kids Japan

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