公開2週目の10月25日に、国内史上最速で累計興行収入約107億円を記録したメガヒット中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。まだまだその勢いは留まるところを知らない本作ですが、その観客に感謝を伝えるべく、主人公・竈門炭治郎役の花江夏樹、煉󠄁獄杏寿郎役の日野聡、猗窩座役の石田彰ら人気声優の3人が、本作の公開御礼舞台挨拶で初集結しました。
10月31日開催『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開御礼舞台挨拶
盛大な拍手と共にステージに現れた豪華キャスト陣。本作は公開から2週間が経った今もなお、人気は絶えることなく、日々観客に楽しまれていることについて花江さんは「僕も公開初日に映画館に行って、この間IMAXでも観ました。映像のクオリティと音楽の迫力と皆さんのお芝居が相まって、演じている身としても、ファンの一人としても夢見心地でした」と「鬼滅の刃」のいちファンとしての熱い想いを噛みしめました。
イベントでは3人が、ファンの間でも大きな注目が集まっている、煉󠄁獄と猗窩座との激戦についてもトークを繰り広げました。
最初に同シーンのアフレコについて花江さんが「日野さんと石田さんのお芝居がすさまじすぎて、緊張感が半端なくて、後ろで(アフレコの様子を)見ていたのですが、音を立てちゃいけないというプレッシャーの中、おふたりの芝居を観つつ、炭治郎の出番の緊張感がすごかったですね。本当に熾烈な戦いが繰り広げられているんだなというのが、アフレコ現場からもヒシヒシと感じました」と現場の熱量の高さを感慨深く振り返りました。
すると日野さんも、本作で煉󠄁獄役を演じるにあたり「猗窩座と対峙する点で、まずは煉󠄁獄の人としての強さ、心の強さを意識しました。かつ柱といえども上弦の参というものすごい強敵と戦う上で、力には限界がありながらも、精神力という意味では上弦の参の鬼をも上回る想いで、凛々しく演じようと心掛けていました」と同シーンについて熱くコメント。
そして石田さんとの共演については「白熱しました。収録自体が自粛期間前だったので、石田さんと花江くんはじめみんなと収録することができたので、同じ空間で熱量を感じながら演じられたというのが非常に大きかったです。石田さんの胸をお借りして、煉󠄁獄の想いを全力でぶつけさせていただきました」と溢れる想いを口にしました。
一方で石田さんは猗窩座について聞かれると「今回の映画の台本を読ませていただいて、猗窩座という役がどうしてもエッジの効いた尖っている人ように思えて、ただ強さだけを求めている姿がどうも普通じゃないと考え、そういう面を出すことで煉󠄁獄さんの対比になればと思いました」と、煉󠄁獄とは正反対の異常なまでに強さだけを求める猗窩座の持つ狂気性を、全身全霊で演じたとコメント。
さらに「最初の挨拶でも触れさせていただきましが、(猗窩座が)映画で初登場なわけですよ。煉󠄁獄はTVシリーズでしっかりキャラクターが作られていて、そこに対抗馬としていきなり出てくる…そこまでのキャラクターをやらなきゃいけないというところはプレッシャーでもあり、僕の方こそ全身全霊でぶつかっていかないと、人に胸を貸してる場合じゃないなと思いました」と、劇場版で初登場したキャラクターだからこそ、他の声優陣にも負けない想いを持って全身全霊で挑んだことを明かしました。
限りある命の尊さと強さを説く煉󠄁獄VS永遠の命と強さを求める猗窩座
この激戦では、限りある命だからこそ尊く強いと説く煉󠄁獄と、永遠の命と強さだけを求める猗窩座という対極に立つ2人の強い信念が衝突するところも見所となります。日野さんは「煉󠄁獄の強さは、家族、後輩、仲間、困っているすべての人々を助けたいという想いにある。その想いが自分も高見みへと持ち上げ強くなれるというところが彼の魅力だと思います。彼の母の教えと、柱として鬼殺隊としていままで鬼を倒してきたからこそ、猗窩座を前にその強さが出せたのではないかと思います。猗窩座は猗窩座で武を極めるという強さを持っていて、出会うタイミングというか、うまく歯車が噛み合ったら、すごく仲良くなれるんじゃないかとも思ってました」とコメント。
石田さんは「猗窩座の強さというのは煉󠄁獄と違って自分のために強くなるというところに特化していて、強くなること以外は全部排除してもいいという極端な目的を達成しようとするところに(強さ)があるんじゃないかなと思います。人のためになんか強くなれない、己のためにやらきゃ本当の強さは得られないんだという、人を諭したり教え導いたりするのには使いづらい理屈を持っていて、その強さは正義的な強さではないなと思いますね」と、猗窩座の独特な強さについて語りました。
そんな2人を前に、花江さんは炭治郎を演じるにあたり「日野さんと石田さんのお芝居を目の当たりにして、細かいことを考えるというよりも感情のままに、炭治郎の力ではどうにもできない悔しさを想いのままにぶつけようと思いましたね」と、まるで炭治郎としてその場にいるような感覚で、彼の想いを全身全霊でぶつけたと力強く語りました。
観客動員1000万人を突破!「よもやよもやだ!」(日野聡)
また、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が本日、観客動員1000万人を突破したことも発表されました。日野さんが「よもやよもやだ!」と歓喜の言葉を贈ると、観客からは割れんばかりの祝福の拍手が送られ、会場中にキャスト陣と観客の笑顔が溢れました。
最後に「皆さんご覧いただいたように無限列車編はこのような形で着地をしました。おそらくみなさんの記憶の中では煉󠄁獄さんが!という気持ちでいっぱいになっているかと思いますが、冷静になってください。魘夢すごい気持ち悪かったでしょ、炭治郎の夢がでてきて、『ああ、この夢が続けばいいのに』と思ったでしょ、そういうことを思い出すためにまた劇場へ来てくださればと思います」と石田さん。
日野さんも「この無限列車編に関わるすべての皆様が心を燃やして挑みました。世界中が大変なときだからこそ家族との愛、命の在り方、生きるというこの現実を受け止めながらも前に進むというメッセージを本作から受け取っていただければと思います」とコメントすると、花江さんも「たくさんの方々に楽しんで頂けて感謝です。これからも炭治郎を演じることができた喜びと煉󠄁獄さんから贈られた言葉を忘れずに今後も頑張っていきたいと思います!」と締めくくり、鳴りやまない祝福の拍手と共にイベントは幕を閉じました。
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)監督:外崎春雄
声の出演:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、嘴平伊之助、松岡禎丞、日野聡、平川大輔…ほか
公式サイト:https://kimetsu.com
文/山崎伸子