人生で使うお金にもロードマップが必要!【お金のプロが指南!ちゃんと知らなきゃ、お金のことVol.2】

こんにちは、ママカブ編集部です。前回は、人生で必要なお金についてお話ししました。

例として、総務省や文部科学省などが公表している調査結果を元に、人生の収支のモデルケースをお見せしました。でも、正直「2億稼いで2億使う」なんて、なんか自分の話じゃないみたい、と思いませんでしたか?

それも当然。あくまでモデルケースなのだから、自分ごととして実感するのは難しいですよね。

あなたのお金のロードマップを作ろう!

ここからは、あなたが<自分の場合はどうなんだろう>と想像できるようになるためのお手伝いをさせてください。というわけで連載【お金のプロが指南!ちゃんと知らなきゃ、お金のことVol.2】は、それぞれのご家庭における「お金が将来どのようになっていくのか」を見通せる「ロードマップ」を作る方法をお話ししていきます!

「お金のロードマップ」を作る時に、何よりも重視してほしいのが、あなたとご家族の「価値観」です。お金と時間は有限です。自分が大切だと思うことに使いたいですよね。

というわけで、まずは「自分がどんなことを人生で大切にしたいのか」というあなたの価値観を明確にするワークから始めましょう。

どうすれば自分の価値観がわかる?

お手元にある適当な紙に、「これからやりたいこと」「欲しいもの」を100個書き出してみてください。

「え〜100個なんて出せない!」と思うかもしれません。
そんな場合は、「もしもお金も時間も、何も制約がないならば……」と考えてみましょう。

「私は何が欲しい?」「私は何をどうしたい?」のか、思い浮かんだものをどんどん書き出してみましょう。

・子どもが望むならば、中学受験させたい
・留学も経験させたい
・温泉旅行に行きたい
・海外旅行に行きたい
・お料理教室に通いたい
・最新の洗濯乾燥機を買いたい
・老後は田舎暮らしをしたい

こんな具合に、思いつくままに列挙しましょう。

できるだけ、自分がワクワクすること、やりたいことも挙げていきましょう。
お子さんが小さいと、ついつい後回しになってしまう「私」のやりたいこと。
考えるだけならタダです。

書き出すことは力になる

話が少しそれますが、頭に思い浮かべたことを文字に書き出してみるという行為自体にパワーがあるんですよ。

「書き出す」→「書いた文字が目に映る」→「意識する」。このように何度も自分の思いと向き合うことで、ぼんやりとした考えだったのが、<意味のある自分との約束>になるんです。目標を壁に貼り出すのも、まさにこの行為ですね。

たとえば「写真撮影がうまくなりたい」と考え、文字にしたとします。するとどうなるかーーSNSを見るときに、撮影が上手な人の構図などが気になるようになります。撮影講座などの情報もキャッチできるようになるかもしれません! こんな具合に、自分の意識のセンサー感度が高まるんですよ。

脱線しました。
何をやってみたいのか100個書き出すこのワークですが、ご家族と一緒にあれこれ考えながらやってみても楽しいと思います!

あなたとご家族が、「どんなことを大切にしたい」と考えているのか、なんとなく見えてきたのではないでしょうか?

現状を把握するための3ステップ

さて、夢をかなえるためには、現状をハッキリさせておく必要があります。

ステップ1:1年間の収支を出す

「収入」は、サラリーマンの場合はお給料を指します。
自営業の方ならば、売上から経費を引いた利益が該当します。

※ここでは分かりやすいように手取り金額(通帳に入ってきている金額)で考えてみましょう。お給料の人は、さまざまなものが引かれています。このお話はまた今度。

「支出」については、メインで使っている通帳を持ってきて、年初残高から年末残高を引いた残高を見てください。もしくは、1ヵ月間の収支に12をかけて、1年分として算出してもOKです。

ステップ2:今あるお金(=資産)銀行口座に入っているお金を確認する

現時点で銀行などに預けている預貯金はいくらあるでしょうか?
株や投資信託、生命保険、住宅、自動車なども、現時点でいくらに相当するのか確認して、書き出してみましょう。

※分からない場合は預貯金だけでもOK。
でもこの機会に資産になるようなものはどれなのか考えてみましょう。

ステップ3:一時的にかかるお金を書き出す

先ほど、あなたが「やりたいこと」を100個挙げてもらいました。それら「やりたいこと」にかかるお金(一時出費)はどれぐらい必要になりますか?

さらに、出産・教育・住宅購入などのライフイベントでかかる費用も書き出しましょう。

※前回、教育は子供一人1000万円としましたので、ご参考に。住宅は近隣の住宅価格をひとまず入れてみましょう。詳細は人によって違ってくるので、今後の連載のなかで説明する予定です。

さぁ、これでロードマップへの準備ができました!

お金のロードマップを作ってみよう

次に、これからの10年、20年先を表にして、どのタイミングで、いくらお金がかかりそうか、を見積もっていきます。これがあなただけの<お金のロードマップ>です。

実は、先ほどの「ステップ1~3」はプロのFP(ファイナンシャルプランナー)にお金の相談をする時でも、FPが一番に聞き取りをして、参考にする材料そのものなのです。

お金のロードマップをFPは「キャッシュフロー表」と呼びます。どのFPも最初に必ずキャッシュフロー表を作成するのは、お金のことで悩む人の問題を解決するために、絶対に必要な指標(メルクマール)となるからです。

下記に、書き方の例を添付します。日本FP協会(https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)でダウンロードすることもできますので、よかったら参照してみてくださいね。


(出典:日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/)

便利なライフプラン診断サイトも!

もう自分でできますよ! とお伝えしたものの、おそらく皆さん「えー? そんな急に言われても困る……」と思われたことでしょう。
実は、便利なシミュレーションサイトがあるので、そちらを使ってももちろんOKです!

ママカブ編集部がオススメのサイトはこちら。


(出典:日本FP協会 ライフプラン診断 https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/simulation/)

名前や具体的な職業・年収も入力する必要はありません。年代や会社員なのか自営業なのか、子どもの人数、大まかな世帯年収、生活費など9つの質問に答えるだけで、ライフプラン表が作成されます(※ただし、これでもだいぶざっくりとしたもの、ではあります)。

他にも同様のシミュレーションできるサイトがあります。ご自身がやりやすいサイトを使ってみてくださいね。
とにかく「一度やってみる」という姿勢が、大きな一歩となりますよ。

本当に大事にしたいこと、見えてきましたか?

さて、やってみたいことを実現させるタイミングと必要な金額が見えてきましたか?
どう考えても無理な気がして、「やっぱりやめてもいいかな?」と思えるものも出てきたかもしれませんね。

こうして考えていくうちに、あなたとご家族にとって「本当に大事にしたいこと」がクリアになっていきます。それこそがまさに一番大切にしてほしい「あなたの価値観」です。

さあ、ご自身とご家庭の<お金の現状>が分かったら、次に取り組むのが「改善」です!

削れるのはどの支出なのでしょうか。次回は「ベストな生活費の割合」など、日々の収支にフォーカスを当てて、ご説明していきます。

生涯いくらお金があれば、安心して暮らせるの?【お金のプロが指南!ちゃんと知らなきゃ、お金のことVol.1】
こんにちは! 現役の子育てママが運営するママカブ編集部です。メンバーはAFP(ファイナンシャル・プランナー)資格を持つライターC江と、マネー...

 

文/ママカブ編集部

「おカネについてのあれこれを楽しく語ろう!」をモットーとしている編集部。メンバーはビジネス系出版社の同期入社組の2人。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つライターC江、マネー情報誌&金融教育メディアの編集者・ライター歴10年超のS子。

URL:https://mama-kabu.net

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