こんにちは、ママカブ編集部です。前回は、投資初心者向けに分散効果の得られる「つみたて」+「投資信託」の組み合わせ利用法をご紹介しました。今回は、より直接的な投資である「株式投資」についてお話ししていきます。
さらに、手元の現金は減らしたくないけど「投資」してみたい!という方向けに、貯めたポイントで投資できる「ポイント投資」も紹介します。
目次
推したい会社を応援するのが株式投資
「●●●株式会社」という社名、よく見かけますよね。
「株式会社」とは、多くの人から株と引き換えにお金をもらい、そのお金で会社を動かしている会社です。この時やりとりするものが「株式」で、この売買取引を「株式投資」といいます。
つまり、株式投資とは、成長しそう、世の役に立ちそう、応援したい、と思う企業にお金を出してあげて、そのお金で会社を運営してもらい、より多くのお金を生み出してもらうための行為なのです。
もちろん、会社側にもメリットがあります。銀行などからお金を借りると、金利を支払う必要が生じます。しかし株式を発行することで、銀行に借金することなく、経営するためのお金を手に入れることができます(=金利が発生しない)。そうして調達したお金で、設備投資や社員を増やすことに使えるわけです。
株主が会社を応援して、会社は借金を抱えずに資金を調達して事業に打ち込む。その結果、企業がより多くのお金を生み出せば、会社は売上が伸びて、その一部を(株式の形で)所有している投資家にも利益が返ってくることになって、みんなハッピー。これが株式投資の本質です。
株主になるメリットとデメリット
株式投資をして、株主になると受けれられるメリットには主に次の3つがあります。
・会社の所有者の一員となり、会社の意思決定(株主総会)に参加できる
・利益の一部を配当金として受け取ることができる
・会社の魅力(株価)が上がったら、株式を売って利益を得ることができる
対して、株式投資で考えられるデメリットとしては、主に以下の2つがあります。
・会社が破綻して株式に価値がなくなってしまうリスク(信用リスク)
・株式の値段(株価)が下がってしまうリスク(価格変動リスク)
株はどこで売っているの?
自分がいいなと思う会社を応援できる仕組みが株式投資の姿であるとご紹介しましたが、株がどこで買えるかご存知ですか? 株式を扱えるのは証券会社です。このため個人が株式を買うには、窓口である証券会社に証券口座を開設する必要があります。
口座を開設してから、実際に取引するまでの流れを簡単に説明すると下記の通りです。
1.証券会社に口座を開く
株を購入するにはまず証券会社で自分の口座を開く必要があります。
最近は、ネットで取引をするネット証券が多くなるので、すぐに口座開設できます。
2.口座にお金を入金する
銀行や郵便局などから証券会社で開設した口座にお金を振り込みます。
3.買う銘柄を選ぶ
購入する銘柄を選びます。
4.注文を出す
買う銘柄が決まったら実際に注文を出します。
5.取引成立
出した注文の取引が成立すれば、株式を購入することができます。
6.株を売る
株を売る場合も基本的に購入するときと同じ流れで行います。
一部、初めて耳にするような用語が出て「うわ! 難しそう。だったらもういいわ」と思った方もいらっしゃるかもしれません。でも、株式投資の基本は、「安く買って、高く売る」と単純明快。とはいえ、最初からうまくトレードするのは難しいです。
でもそれって、当然のこと。だって、子育てだって、私たちみんな何も知らないところから、問題にぶつかっては解決策を探して、乗り越えてここまでやってきましたよね。そして他にも、たとえばフルマラソン完走を目指すとしても、最初のステップは無理なく近所でのランニングから始めますよね?
そんな感じで、少しずつ学びながらチャレンジしていきましょう!
また株を買う場合には「なぜこの株をこのタイミングで買おうと思ったか?」「どのタイミングが来たら売るつもりか」など、考えたことをノートに記録しておくことをおすすめします。
大金持ちでなくても買える!
さて、さきほど利益の一部を配当金としてもらえるメリットを説明しましたが、株主としてのメリットを受けるには、ワンセットの数量(単元)で購入する必要があります。
多くの会社では、100株以上株式を保有する株主になると、株主総会に参加できるなどのメリットが得られます。
「えー、100株も必要なんて!」「どんだけお金が必要なの?」と思われますよね。
大金持ちじゃないと無理、なんてことは全くなく、数万円で単元株主になることができます。
現在、東証1部に上場している会社(全2193銘柄)のうち、10万円以下で単元株が買える銘柄は704銘柄!(2021年2月現在)
単元株を保有していると、配当金をもらえるだけでなく、株主総会に出られたり、「株主優待」をもらえることも!
会社からサービス券などがもらえる!
株主優待とは、会社が投資家に対して贈るプレゼントのようなもので、その会社のサービス券や商品などをもらうことができます。株主優待を目当てに投資をしている投資家も大勢いらっしゃいますよ。
(株主優待で受けられるメリットや具体的な優待内容についてはこちら)
さらに最近では、100株以下の「単元未満」でも気軽に買える、LINE証券、PayPay証券、SBIネオモバイル証券などの証券会社が続々登場しています。
単元未満の場合は、配当金や株主優待はもらえないことが多いですが、「少額で試してみたい」という場合にはおすすめです。
もらったポイントでも投資OK
投資には興味が出てきたけれども、やっぱり現金を使うのには抵抗があるーーそんな方もいらっしゃることでしょう。じつはここ数年、お買い物などで貯まったポイントで投資ができる環境が増えてきています。
ポイントはそもそもオマケのようなもの。そのポイントで投資ができるならば、投資を始めるハードルがぐんと低くなりますよね。損したとしても自分のお財布からお金は出ていないので、心理的なハードルも低いと言えます。
ポイント投資ではおおまかに、株式投資をするものと、投資信託や投資信託のようなものを購入するケースに分かれます。
楽天ポイント:株、投資信託(楽天証券)
dポイント:株(フロッギー+docomo)、投資信託(THEO+docomo)
Tポイント:株(SBIネオモバイル証券)、投資信託(SBI証券)
paypay(PayPayボーナス):株、投資信託(PayPay証券)
LINEポイント:株、投資信託(LINE証券)
ポンタポイント:投資信託(カブコム証券)
それぞれ条件や投資対象の商品に違いがあるので、詳細はご自身でチェックしてみてください。
自己資金内での取引なら「借金」は生まれない
注意したい取引方法に「信用取引」があります。
これは、証券会社からお金や株を借りて、取引する方法です。
信用取引では、預けた資産の約3倍までお金や株を借りることができるため、通常の3倍の利益を受け取れる可能性があります。しかし、逆に損をしたときは3倍の損となります。
自分が用意した資金だけで取引を行っていれば、借金を抱えることはありません。
しかし、信用取引を利用して損失が発生すれば借金を抱えることになります。
株式投資に慣れていない初心者の場合、リスクが大きい信用取引は避けましょう。
自分が理解できるものだけに投資する
投資を始める場合、まずは自分が仕組みを理解できるものだけにしましょう。
ビットコインなどの仮想通貨や、FX(外国為替証拠金取引)についても注意が必要です。
特にちまたで話題になっている仮想通貨ですが、各国で対応はわかれ、まだまだ法規制が追いついていません。
一方、株式投資は売買できるのは金融庁に登録した証券会社のみ。歴史と安心感が違います。
例えば東京証券取引所へ上場している株式への投資ならば、上場する際に一旦スクリーニング(審査・選考)がかけられた株ということになります(中には粉飾決算などルール違反をする会社もありますが、例外的存在です)。
投資に慣れてきて、大きく利益を狙う方は別として、地道に資産運用を考えるのであれば、仮想通貨やFXではなく、株式投資から始めることをおすすします。
最も合理的なのは長期&コツコツ投資
投資について学んでいくと、長期でコツコツ資産を増やしていく方法が、最も合理的ということがご理解いただけると思います。
ですので、前回おすすめしたつみたて×投資信託は、初心者だけでなく投資に慣れた方でも、投資の中心に置いていただきたいと、ママカブ編集部は考えています。
ただ、投資信託の値動きは、刺激を求める人にとってはあまり面白いものではないかもしれません。値動きのあるものが面白い、応援したい銘柄があるという方は、株式投資をチャレンジしてみては?(くれぐれも焦らずに、自分の選びたいリスクの範囲内で!)
ママカブ編集部としては、この連載を通してお伝えしてきた、浮いた固定費、そして保険の見直しで浮かんできた我が家の余裕資金、さらにお買い物でゲットしたポイントなどを使って、HugKum読者のみなさんが資産を増やす一歩を踏み出してくだされば、これに勝る幸せはありません。
■ママカブ編集後記
今回の記事を読んでいますぐ投資したくなりましたー!
A子ちゃん、30年ぶりに日経平均株価が3万円超えたと聞いたことある?
長期的に積み立てを提案する立場としては、今始めるともしかすると上げ幅が大きかった分、株価が調整されて株価が下がるかもしれないと肝に銘じていてほしいの
ん? 儲からないんですか?
短期的に見ると株価が下がるかもしれない。下げたタイミングで売ってしまうと損が確定してしまうの。でも、私たちが目指すのは定期的に長期で積み立てる作戦よね?
そうすると株価の上げ下げに関係なく、コツコツ投資をし続けるだけ。そうすれば結果はついてくるわ。
だからリスクを減らすために業種を分けたり、国内、海外問わず広げて投資する必要があるんですね!!!
A子ちゃん! ばっちり理解できてる! もう安心ね!
文/ママカブ編集部
「おカネについてのあれこれを楽しく語ろう!」をモットーとしている編集部。メンバーはビジネス系出版社の同期入社組の2人。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つライターC江、マネー情報誌&金融教育メディアの編集者・ライター歴10年超のS子。