【小児科医監修】幼児の湿疹、発疹は病気?肌トラブル?見極めポイントと症状を解説

幼児の「発疹」、原因や対処法を小児科医に聞きました

子どもに多い病気の中には、発疹が出るものもあります。発疹は園や家庭でうつる病気である可能性もあるので、慎重に対処しましょう。愛育クリニックの澁谷紀子先生にお話しを伺いました。

 

幼児の湿疹に多いのは? おもな原因は感染症や肌トラブル

発疹の原因1 感染症などの病気

発疹の原因は、大きくふたつに分けることができます。ひとつ目が感染症などの病気。多くの場合、発熱、かぜのような鼻水、せきなど、発疹以外の症状も伴います。

発疹の原因2 肌トラブル

ふたつ目が肌トラブル。熱が出たり、発疹が全身に広がったりすることはほとんどありません。

じんましんなどの場合も

このほか、川崎病やじんましんが原因となることもあります。じんましんは軽症なら特に治療をしなくても数時間~1日ほどでおさまりますが、アレルギーが原因の場合は注意が必要。特に食物アレルギーの場合、原因となるものを食べた後、急に呼吸困難などを起こす可能性もあるので、慎重に対処しましょう。

 

発疹の原因となる病気や種類は?

発疹が出るおもな病気について基本的なことを知っておくと、対処法のヒントになります。

幼児の発疹が関係する病気と肌トラブル一覧

 

発疹に気づいたときに注意すべき5つのこと

1.兄弟への感染に注意

人から人へうつる病気の可能性もあるので、原因のわからない発疹に気づいたらできるだけ別室へ移したり、接触を避けたりするようにします。

2. 熱を測る

原因が感染症の場合、発疹と同時または前後に熱が出ることも。肌トラブルの場合、熱が出ることはほとんどないので、発疹と熱はきちんと把握してく必要があります。

3. 顔?全身? 発疹の現れ方を観察

発疹が顔に現れた後に全身に広がったなど、発疹の分布や、出ている部位が時間とともにどのように変化をしているか、またはかゆみの有無、発疹の状態などをよく見ておきます。

4. 発疹が出る前の様子を確認

発疹が出る前に発熱やかぜのような症状などが現れる感染症もあるので、最近の様子を確認しておきます。

5. 感染症の流行状況を確認

感染症の場合、人から人へうつることで広がっていきます。園や地域での流行状況を確認しておきましょう。

 

ワクチン接種で予防できる感染症をおさらいしておこう

発疹が出る感染症の中には、ワクチンで予防することができるものもあります。接種時期が決められているので、必要に応じて保護者にもアドバイスを!

水痘(水ぼうそう)

ワクチンの種類:水痘ワクチン
標準的な接種時期
1回目:生後12~15か月
2回目:1回目の接種から6~12か月後

麻疹(はしか)・風疹

ワクチンの種類:麻疹・風疹混合(MR)ワクチン
標準的な接種時期
1回目:1歳になったらできるだけ早く
2回目:小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)
※1回目(第1期)を接種すれば、95%の確率で発症を防げる!

 

保護者も接種状況の確認を!

子どもを取り巻く環境での流行を防ぐため、保育者や保護者もワクチンの接種歴を確認しましょう。接種状況がわからない場合、追加接種を受けておくと安心です。

接種状況がわからない場合

 

記事監修

澁谷紀子|小児科医

総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。


出典/『0・1・2歳児の保育』 文/野口久美子 写真/石川厚志 再構成/HugKum編

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