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スゴ腕小学生たちが、プログラミングなどの技を競い合うイベント開催!
「GPリーグ」とは、プログラミングなどの21世紀型スキルを身につけることを通して、子どもの「好奇心」や「向上心」を刺激し、「学びの環境」を作りだすことをねらいとしたフィールドのこと。
詰め込み型でスキルを学ぶのではなく、プログラミングの力を「競技」の中で生かして、まるでスポーツのように競い合う取り組みでもあります。
今回、その 1都3県決勝大会「GPリーグ ヤマハ発動機プログラミングコロシアム」が、9月22日(土)三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷にて開催されました。
東京、神奈川、千葉、埼玉の各地区で7月から行われた予選を勝ち抜いた、計5チームのGPリーガーはプログラミングに自信がある強者ぞろい。
司会にはあのマインクラフトのレッドストーン講座動画でおなじみのYouTuber、赤石先生も登場しました!
GPリーガーたちがめざすは未来のサイバーアスリート! それぞれが頂点をめざし、熱いバトルをくり広げました。
▲会場にはたくさんのモニター、PCが用意されました。
各地区の代表チームは以下の通り、4人1組です。
埼玉県代表:PCファイターS チーム(幹事校:日本工業大学)
東京西地区代表:EXGP チーム(幹事校:東京工科大学・日本工学院八王子専門学校)
東京東地区代表:NAKANO チーム(幹事校:早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所)
千葉県代表:サイバープロ チーム(幹事校:千葉工業大学)
神奈川県代表:ウォーターベリー チーム(幹事校:神奈川工科大学)
4つの競技種目でバトル!
大会では、以下の4つの種目で競い合いました。どれも、これからの社会で役立つであろう「21世紀型スキル」を駆使するバトルです。
ファーストバトルステージ:スクラッチ対決!(プログラミング表現系競技)
セカンドバトルステージ :メイクコード(Minecraft)対決!(アルゴリズム系競技)
サードバトルステージ :ドローン対決!(制御プログラミング系競技)
ファイナルバトルステージ:ハックフォープレイ対決!(ゲーム攻略系プログラミング競技)
会場はファミリー層などでにぎわう商業施設内の吹き抜けスペース。幼児・小学生の親御さん世代にとっても関心が高いのでしょう、お客さんが次々と立ち止まっては大会の様子を見学していました。
短時間でプログラミング表現 スクラッチ対決!
ファーストバトルステージ:スクラッチ対決!(プログラミング表現系競技)
まずは、プログラミングでの表現力などを競う種目からスタート!
スクラッチというソフトを使い、「お題」に合わせてプログラミングでストーリーを作成。制限時間は20分。その表現力と技術力で得点を競います。
全チーム共通のお題は「運動会」。
徒競走、玉入れ、綱引き、リレーなどのテーマを、スクラッチに元々ある素材を選んで使って、短いアニメ形式で表現していました。
▲埼玉県代表:PCファイターSは徒競走を表現。
▲玉入れを表した東京西地区代表:EXGP 。
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▲神奈川県代表:ウォーターベリーの作品。ドラゴンが空から登場して、赤玉をドサッと入れるというコミカルな仕上がりでした。
▲画面上のキャラクターなどを、どのような動きや見た目にするかを指示する「ブロック」を組み合わせることでプログラミングができる仕組みになっています。
お題に合わせて黙々と1人で作品を作り上げる出場者は、まるで映像クリエイターのようでした。しかも、それぞれの発表は、短いアニメストーリーを見ているようでとても楽しめました!
表現力と技術力の評価を合わせて「10点」が満点のこの種目。4チームが9点を獲得、1チームが8点を獲得しました。
あのゲームで!? メイクコード(Minecraft)対決!
セカンドバトルステージ :メイクコード対決!(アルゴリズム系競技)
つぎは、マインクラフト(Minecraft)という人気ゲームを使っての対決です。
複雑な道(階段)を作らないとゴールまで行けない空間で、どのように道を作っていくべきか? プログラミングを考えるThinkタイムは15分、実行時間は10分の同条件で競い合いました。
▲隣り合った3つの部屋を通ってゴールまで進むという条件も、各チームとも同じでした。
▲どの方向に何を動かすかなど、プログラミングで入力していました。
ゴール寸前まで行っても、ちょっとのプログラムのミスでゲームオーバーになってしまうというチームが続出! 制限時間内にゴールすれば「10点」が与えられるこの種目はかなり難しかったようで、1チームのみが10点を獲得しました。
ドローンを操り、制御系プログラミングで競う!
サードバトルステージ :ドローン対決!(制御プログラミング系競技)
3つ目の種目では、プログラミングによって操作するドローンが登場! 4か所の障害ポイントをクリアしてドローンを飛ばし、ゴールの円内にドローンのあしが2つ以上入れば得点が与えられるというルールです。
▲こちらが競技に使うドローン。
▲手元のタブレットであらかじめプログラミングして、制御します。
▲青い円がスタートポイント。
▲1mと50cmの高さにある2つの輪をくぐり、ピンクの輪のゴールをめざします。
▲ドローンを見つめる表情は真剣そのものです。
▲飛距離やスピード、高さ、角度など気を遣うポイントがいっぱい! 見ている方もハラハラしてしまいました。
▲ゴールに到着!
角度が数度ずれるだけでまったく違う方向に進むこともあるというドローンプログラミング。それぞれのチームが挑戦していましたが、今大会でのゴール成功率は50%ほどでした。
チームプレイでゲームを攻略 ハックフォープレイ対決!
ファイナルバトルステージ:ハックフォープレイ対決!(ゲーム攻略系プログラミング競技)
最後は、プログラミングのおもしろさがわかるゲーム「ハックフォープレイ」での対決です。さまざまなコマンドを組み合わせて、敵キャラクターに挑みます。
15分が攻略タイムで、対決タイムは10分。ステージは4つあり、短時間でクリアしたチームから得点をゲット。4人の力を合わせたチームプレーが大事な対決です。
▲ハックフォープレイ開発者の寺本大輝さんがゲストとして登場。
▲プログラミングしたくなる工夫が盛り込まれたゲームです。
▲これまでは個人戦でしたが、最後はチーム戦。
▲プレーヤー以外のメンバーも画面をじっと見つめて応援!
▲みごとクリア!
子どもたちの好きなゲームがテーマとあって、モニター上では次々とクリアしていく様子が見られました。プレイ中のメンバーを他の3人がしっかり見守る様子からは、団体戦の良さが伝わってきました。
ここまでの4種目の総合点で、いよいよ優勝チームが決まります!
会場では、初心者向けのプログラミングワークショップも同時開催!
さて今回、会場に隣接したスペースでは、プログラミングが体験できるワークショップが集う「GPリーグ プログラミング・ラーニングスタジオ」が同時開催されました。
プログラミングに興味はあるけど、どんなもの? という初心者から楽しめる内容で、子どもはもちろん、パパやママも夢中になっているようでした。
〈ワークショップ〉
・マインクラフト・ヒーローズジャーニー(Hour of Code)
・プログラミングゼミ(DeNA)
・プロッチ(モノ・グラム、ジャコム)
・Mamboドローン体験(Parrot)
・プログラぶっく(オフィス・ゼロ)
▲各ワークショップは大盛況でした!
圧巻!会場には大型のドローンも!
さらに、会場でひときわ存在感を放っていたのが、本大会のオフィシャルパートナーであるヤマハ発動機株式会社が開発した、全長約2mのマルチローター(ドローン)「YMR-08」の展示です。
隣接しているゼットフットサルスポルト新三郷にて、迫力のライブパフォーマンスも行われました。
▲大きさにびっくり! 産業用マルチローター(ドローン)「YMR-08」。
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さて、みごと優勝したチームは…?
およそ3時間にわたる競技の結果、グランドチャンピオンの座を勝ち取ったのは埼玉県代表の「PCファイターS」でした! 全員が6年生の4人組です。
チームメンバーの1人が語ってくれました。
「優勝の実感がわかないけれど、少しブルブル震えています。うれしいです! プログラミングが好きでロボットにも興味があるので、これから先、ロボット工学の道に進んでみたいなと思っています」
準優勝は、千葉県代表の「サイバープロ」。チームメンバーの1人が語ってくれました。
「GPリーグはおもしろいです。プログラミングはずっと続けていきたいです!」
受賞チームには賞品として、ヤマハ発動機賞 深海探査プロジェクト「Team KUROSHIO」見学体験会などが贈られました。
取材を通して印象に残ったのは、個人のスキルが大切なプログラミングは1人でもできることですが、今回のようにチームを組んで協力し合うことで、より大きな目標を達成することができるということです。
このように子どものころからプログラミングに興味をもって取り組んだメンバーの中から、きっと一流のプログラマーやエンジニアが生まれることでしょう。
GPリーグでは、サポーター登録をすることでイベントやプログラミング体験会の情報などを受け取ることができます。また、オリジナルのゲームアプリ「GPリーグ・トレーニングジム」(無料)で遊びながらアルゴリズムの基礎を身につけることもできます。
プログラミング初心者でも大丈夫! 「やりたい気持ち」さえあれば誰でも参加できる機会をGPリーグは設けています。
今回は関東地方の開催でしたが、12月の大阪府、静岡県、広島県での開催をはじめ、2020年の全国展開に向けて、各県の幹事校を募集中とのことです。みなさまの自治体で開催の際はぜひ参加してみてください!
協力/ヤマハ発動機株式会社
取材・文/村重真紀 写真/細谷悠美