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哺乳瓶の消毒はいつまですればいい?
粉ミルクや搾乳した母乳を赤ちゃんにあげるとき、必ず使うものが哺乳瓶です。でも1日中赤ちゃんのお世話で忙しいママ・パパにとって、哺乳瓶の消毒は面倒に感じることもあるでしょう。
哺乳瓶の消毒は、いつまで続けなければならないのでしょうか?まずは、そこから見ていきましょう。
哺乳瓶の消毒が必要な理由
そもそも、哺乳瓶の消毒はなぜ必要なのでしょうか。病院や産院で、哺乳瓶を消毒して使うよう指導を受けたことと思います。その理由は、もちろん、哺乳瓶は赤ちゃんが毎日口に含むものだからです。
哺乳器具の洗浄や滅菌について、厚生労働省が公表しているガイドラインにも、「乳児への哺乳と調乳に使用された全ての器具を次の使用前までに徹底的に洗浄及び滅菌することは非常に重要である」と記述されています。
参考:乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(厚生労働省)
洗っただけでは菌が残っている可能性
食器用洗剤を使って哺乳瓶を洗っても、雑菌などの病原体が哺乳瓶に残っている可能性があります。ミルクには栄養分がたくさん含まれているため、残ったミルクに菌が増殖しているかもしれず、それを十分に洗い流せていない可能性があります。
抵抗力が弱い赤ちゃんを守るため
大人なら、さまざまな菌に対する抵抗力がありますが、赤ちゃんはまだ十分な抵抗力がありません。哺乳瓶をしっかり消毒しなければならないのは、哺乳瓶に残っている可能性がある雑菌を除去し、赤ちゃんを守るためです。
哺乳瓶の消毒はいつまで必要?
では、哺乳瓶の消毒は、いつまで行うべきなのでしょうか?
6ヶ月くらいまで続けるのが一般的
赤ちゃんは、成長とともに徐々に抵抗力がついていきます。細菌に対する抵抗力は、だいたい生後3ヶ月頃から少しずつつき始めます。それでも、大人の半分程度の抵抗力がつくのは、生後6ヶ月~1歳頃と言われています。
ちなみに、ベビーグッズを取り扱う「ピジョン」では生後3~4ヶ月頃まで、哺乳瓶の消毒剤で知られる「ミルトン」は1歳まで、哺乳瓶の消毒を推奨しています。
哺乳瓶消毒をやめるタイミング
哺乳瓶の消毒をやめるタイミングは、赤ちゃんが指やおもちゃを口に入れだす頃、あるいは、離乳食を始める生後5~6ヶ月頃をひとつの目安と考えるとよいでしょう。赤ちゃんがおもちゃを口に入れるようになると、雑菌に触れる機会は多くなります。つまり、哺乳瓶の消毒を行っても雑菌を防ぐことは難しくなります。
ただ、食中毒の心配がある時期や赤ちゃんの体調がすぐれないときなどは、哺乳瓶の消毒を行うほうがよいでしょう。哺乳瓶の消毒をやめる時期は、生後6ヶ月~1歳くらいの間で、赤ちゃんの様子を見ながら判断するようにしてください。
ママパパの体験談
HugKumでは、0~2歳のお子さんを育てるママやパパに、哺乳瓶の消毒はいつまでしていたか、その期間までは消毒しようと思った理由はなぜか、アンケート調査してみました。「哺乳瓶を卒業するまで」消毒を続けるという回答も多数みられました。
みなさんの体験談をご紹介します。
生後3~4ヶ月頃まで
生後5~6ヶ月頃まで
「何となく離乳食まではやった方がいいと思ったので」(30代・広島県・子ども3人)
生後7~12ヶ月頃まで
哺乳瓶を卒業するまで
「 口に入れるものなので不安だったのと習慣になっていたため」(30代・東京都・子ども2人)
哺乳瓶の消毒のやり方・頻度・時間
哺乳瓶の消毒方法は、おおまかに3つあります。熱湯と煮沸による方法、消毒液(液体/錠剤)を使う方法、電子レンジを利用する方法です。
いずれの方法でも、消毒した後は哺乳瓶をしっかり乾燥させ、雑菌やホコリがつかないよう、清潔に保管してください。
熱湯・煮沸
昔ながらの消毒が、熱湯を使って煮沸する方法です。他のやり方に比べると、やや手間はかかりますが、特別な機材が不要で、あまりコストがかからないというメリットがあります。
やり方
哺乳瓶が入る大きさの鍋を用意し、水をたっぷり入れて沸騰させます。哺乳瓶の本体、乳首、キャップを分解し、鍋に入れて煮沸します。
煮沸が終わったら、清潔な布かキッチンペーパーの上で乾かします。布巾などを使うと、せっかく煮沸した哺乳瓶に雑菌が移る可能性があります。必ず清潔なものを使うようにしてください。
頻度
哺乳瓶は、使ったら消毒することが基本です。複数の哺乳瓶を使っている場合は、1日の終わりにまとめて煮沸してもよいでしょう。
時間
本体は約7〜10分、乳首やキャップなどの小さなパーツは約3分、鍋に入れて煮沸します。
消毒液
市販の消毒液を使った方法は、哺乳瓶を漬け込むだけ。とても手軽で、しかもキッチンで火や電気を使わないため、目を離していても安全です。
ただし消毒液を定期的に購入する必要があるため、割高感があるかもしれません。また一定の時間、漬け置きしなければならないため、急いでいるときに、すぐに消毒が終わらないというデメリットがあります。
やり方
哺乳瓶が入るケースなどに消毒液を入れ、哺乳瓶を漬け置きします。消毒液は、一度作ると、24時間使用できるタイプもあります。そのようなタイプを使えば1日に何度も消毒液を作る必要はありません。
頻度
哺乳瓶は使うたびに、消毒してください。
時間
漬け置きする時間は、消毒液の表示に従ってください。おおよそ1時間程度漬け込むことが一般的です。
電子レンジ
手軽に、かつ低コストで安全に消毒できるのが、電子レンジを使った消毒です。ただし、タッパーや食用品袋などでは完全に消毒できない恐れがあります。専用グッズを購入して、消毒するようにしてください。
電子レンジでの消毒におすすめのグッズと注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
旅行のときの哺乳瓶消毒はどうする?
赤ちゃんと一緒に旅行するときも、哺乳瓶の消毒は欠かせません。赤ちゃんと安全に旅行が楽しめるよう、旅行先での哺乳瓶の消毒方法を紹介します。
ジップロックと消毒液で消毒
熱湯を沸かせなくても、電子レンジがなくても、消毒液があれば哺乳瓶の消毒ができます。哺乳瓶が入る大きさのジップロックなどの食用袋を用意し、そこに消毒液を入れて漬け置きすれば、簡単に消毒できます。
旅行の日程などに合わせて、必要な分の消毒液と食用袋を持っていきましょう。
電子レンジを借りる
電子レンジがあれば、電子レンジを使って消毒できます。ホテルの部屋に電子レンジがあるかどうか、出発前に確認しましょう。部屋にない場合でも、ホテル内にある電子レンジを貸してもらえるかもしれません。
使い捨て哺乳瓶を使う
使い捨てタイプの哺乳瓶を使う方法もあります。使い捨てタイプなら、毎回、哺乳瓶を消毒する必要はありません。災害時や緊急時にも使えるため、使い捨てタイプの哺乳瓶は何個か用意しておくとよいでしょう。
使い捨てタイプの哺乳瓶の選び方やデメリット、おすすめ使い捨て哺乳瓶は以下の記事で紹介しています。
哺乳瓶消毒のおすすめアイテム
消毒液を使って哺乳瓶を漬け置きするグッズ、電子レンジで消毒するときに使う消毒ケースなど、哺乳瓶の消毒に便利なアイテムがあります。
こうした便利アイテムをうまく活用して、毎日の消毒の負担を軽減してください。
負担の少ないやり方がおすすめ
哺乳瓶は毎日使うものだから、消毒の手間は決して無視できるものではありません。ママやパパの負担が少しでも減らせるように、それぞれのご家庭でやりやすい方法を見つけてください。
もちろん、ライフスタイルやその時々のシチュエーションで方法を変えても構いません。また哺乳瓶の消毒をいつまで行うかは、赤ちゃんの様子を見ながら判断してください。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部