「猫って他の動物とお友達になれるの?」
子どもの質問はいつも突然です。先日も、道で猫を見かけた息子が、「猫の赤ちゃんって、どうやっておっぱい飲むの?」「猫って他の動物とお友達になれる?」と疑問を投げかけてきました。しかし、筆者は猫を飼った経験がなく、猫についての知識も乏しい状態。そこで、“子猫の成長ドキュメンタリー!?写真集”と言われている、『母親になった猫(マリモ)と仔猫になりたいフクロウ(フク)。』(小学館刊)という1冊を息子たちと一緒に読んでみることにしました。
『母親になった猫(マリモ)と仔猫になりたいフクロウ(フク)。』は、コキンメフクロウのフクとスコティッシュフォールドのマリモが、マリモの子猫4匹を仲良く育てている様子が見られる、かわいさ満点の写真集です。
息子たちも、ページを開くなり、「かわいいーーー」を連発。しかし生まれたての写真を見て、「目が見えないの?」と心配そう。
本によると、目も見えず耳も聞こえていない状態で生まれてきて、生後7日頃からやっと目が開きはじめてくるとのこと。耳も生後3~7日ごろから耳の穴が開きはじめ、だんだんと聞こえはじめてくるのだそう。生まれてすぐは音ではなく鼻の体温センサーだけでおっぱいを探し当てるというのです。
生まれたての子猫たちが並んでおっぱいを飲んでいる写真を見つけ、「みんな一緒におっぱい飲めるの? 猫ってすごいね!」と驚いていました。
写真集には、生まれたての写真だけでなく、歩きはじめや歯が生えてきたときの写真なども載っているので、見ている方も子猫育て気分を味わえます。
また、フクロウのフクが小さい子猫に交じって遊んでいる写真がたくさんあり、「フクロウと猫って仲良しになれるんだね」と興味深そうに眺めていました。
猫がおっぱいを飲む姿も、他の動物(フクロウ)と仲良く遊んでいる姿も載っていたので、息子たちの疑問も解消したようです。本を最後までじっくり読み、「僕、猫欲しい!」「僕はフクロウ飼いたい!」と兄弟そろっておねだりコールが(笑)。残念ながら、長男がアレルギー体質で動物と暮らすのはちょっと難しいので、「フクロウと猫が恋しくなったら、またこの本を開いて、一緒に暮らしている気分を味わおうね」と答えました。
『母親になった猫(マリモ)と仔猫になりたいフクロウ(フク)。』は、子猫のかわいさに胸キュンするのと同時に、フクロウの母性にびっくりさせられます。猫好き、フクロウ好きの方はもちろん、動物に癒されたいという方にもおすすめです。
『母親になった猫(マリモ)と子猫になりたいフクロウ(フク)。』
コキンメフクロウのフクとスコティッシュフォールドのマリモは、とっても仲良し。本来なら獲物同士といえるフクロウと猫の仲良しぶりは、さまざまなメディアでも紹介されているほど。そんなある日、マリモが4匹の赤ちゃんを産んでママになりました。突然現れた子猫たちに戸惑いながらも、一緒に子育てに参加するフク。生まれたての子猫の愛らしい姿や、お世話するマリモとフクの様子に癒される写真集です。本文掲載の『マリモの子育て。』(一部書き足し)のブログは猫部門3位、鳥部門1位になった作品。
永原律子(ながはらりつこ)著
アートディレクター。カラープランナー。グラフィックデザイン非常勤講師。家電メーカーのプロダクトデザインのサポートを長く務める。写真集『ずっとともだち。』『フクマリ』では著者として、ミュージックCD『ニャンクラ~ニャンコが歌うクラシック~“GIFT”』では制作、撮影、フクロウ&猫の声の録音などで携わる。監修の写真集『フクとマリモ』と原案コミックス『フクとマリモのHUKULOU COFFEEへようこそ』は台湾版も好評発売中。大阪で猫カフェ『HUKULOU COFFEE』を営業中。
文/井上加織