あまり食べてないのになぜ?
一体なぜ、あまり食べていないのに太ってしまうのか、ご家庭の体験談とともに、その原因と対策を考えていきます。
体験談のご紹介
食べてないのに太る理由
アンケートの結果からも、あまり食べていないはずなのに太ってしまうと悩んでいる人は多いようです。では、どんな理由があるのでしょう?その理由が分かれば対処法も違ってくるはず。
元々カラダは食事から効率よくエネルギーを吸収する
食べればカラダは、そのエネルギーを吸収して一旦体内に蓄積し、必要な時にエネルギーに変えるという「エネルギー代謝」をします。この一連の仕組みは生きていくうえで重要な仕組みで、ある「原因」によってその仕組みは性能アップしたり、ダウンしたりすると言われています。つまり、それらを理解したうえで対策をとらないと、逆効果になるときもありますので注意が必要なのです。
太る原因はひとつではありません
「太る原因は?」と聞くと、一番多い答えが「食べ過ぎ」と「運動不足」です。では逆に食事制限をしたり、激しい運動をしたりすれば本当に痩せるのでしょうか?その答えはみなさん知っているはず。最初の数日は痩せても、途中で停滞したり、リバウンドしたりと、思うように痩せません。太る原因というのは、それだけが原因ではないようです。では、どんな原因があるのか?いろいろご紹介しますので、当てはまりそうなものをチェックしてみましょう。
無理なカロリー制限は逆効果
痩せたいと思うと一番に思いつくのが、食事によるカロリー制限です。極端なカロリー制限には「低糖質ダイエット」「ケトジェニックダイエット」などが代表的ですが、開始約5~10日を経過するとカラダ自身が低カロリーでも対応できるようになっていきます。つまり、カラダが「極低代謝体質」に変化してしまったと推測されます。一度この状態を経験すると、カロリー制限では痩せにくくなると言われています。
栄養バランスは保つことが理想
5大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)はどれが不足しても、カラダは「食欲」もしくは「腸内吸収効率の向上」をもって、より栄養を取り込もうとします。何かが不足した場合、カラダはその不足要素のみを選別して吸収するほど器用ではないので、「とにかく何でも吸収する」という「太りやすい」仕組みに変化してしまいます。
太りやすい食べ方
一気に食べると血糖値上昇(スパイク)が大きくなり、インスリンの分泌を急激なものにし、吸収力を飛躍的にアップさせます。これも「太る原因」です。
同時に、そのような食べ方をしていると、内臓を著しく動かすために内臓から老廃物が排出され、結果的に腎臓に負担をかけ「太りやすくなる」と言われています。
ストレスによるもの
ストレスの語源である「猫の対峙」を想像してください(瞬きせず、呼吸もほとんどせず、鼓動は早く、いつでも行くぞ!というあの状態のこと)。つまり、ストレスとは「精神的不満」というのが一般的ですが、実は集中している時も肉体的にはストレス状態と言えます。
ストレスを感じると、「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。これはエネルギーの吸収効率を大幅にアップさせるもので「太る原因」となり得ます。
また、脳からの信号が常に発せられている状態では、骨格筋・内臓筋・心筋の3大筋肉に多大なる負荷がかかっており、乳酸をはじめとする老廃物が大量に生成されています。その最後の排出を担うのが腎臓であり、腎臓の能力によっては代謝低下のために「太る原因」となります。
食品添加物の多い食生活
現代社会での食生活で「便利さ」を追求すると、必ずというほど「添加物」という問題に直面します。食品添加物の多い食事を継続すると、肝臓や腎臓に悪影響が出ます。添加物は長期的に摂取し続けると「太りやすくなる」と言われますが、最近の研究でその理由は「腎機能の低下」によるものと推測されています。
腎臓がキーワード?
最近の研究では先述の要因以外にも、加齢による腎機能低下も太る原因なのではないか?と言われ始めています。すでに日本人の腎機能障害患者数は1330万人を越えており、生活習慣病で有名な糖尿病患者数よりも多いのですが、腎機能低下は血液検査や尿検査でも初期段階が見つけにくく、日本では4000万人も予備軍がいるとさえ言われ深刻になりつつあります。
生理や妊娠によるホルモンバランス
女性が避けて通れないのが、生理などによるホルモンバランスの影響。特に排卵後は、妊娠を継続させる目的のホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。体は妊娠初期と似た状態になり、栄養を溜め込もうとします。一方で体内の水分は一時的に細胞液側に多く移動するため、むくみとなって現れます。生理はおよそ15,000キロカロリーのエネルギーを消費すると言われており、事前にこのエネルギーを貯めこまないと正常に始まらないとされています。体重で換算すると2キロ強!よって、生理前は「食べなくても体重が増える」のです。
太りにくい食事の摂り方
食べていないのに太ってしまう理由が分かったところで、その対策について実践しましょう。
炭水化物(糖質)について
一般的に、人間の脳は糖が主なエネルギーなため、しっかり炭水化物(糖質)を摂らないといけません。砂糖などの多糖類は控え、果物などの単糖類をメインに、あまり大量に摂取(血糖値昇降)せず、小まめにゆっくりと少量の補給をすることが理想的です。
脂質について
脂質は血管の修復、消化酵素やホルモンの材料になる重要なエネルギー源ですが、特に「油」に注目してください。外食の油には「シリコン」が入っている油が非常に多く、この油を体内に取り込むと、これはATPに変化しないため「運動しても燃えない」ことが最近の研究でわかってきました。この油はショートニングや大豆油などに入っていますが、似た理由でマーガリンもNGです。食品を購入するときには必ず「食品内容表示」を見るようにしましょう。
タンパク質について
太りにくい体質や浮腫みにくい体質にするためには筋肉が多い方がいいのですが、そのためにプロテインだけで栄養補給することは、腎臓の負担増の観点からもオススメしません。大豆製品や牛肉(赤身)・豚肉・鶏肉・魚類が良いと言われていますが、「餌」に注意してください。添加物の多い餌を食べさせられている養殖系の鶏・豚・魚はNGです。牧草を食べている牛肉やきちんと餌の管理飼育されている地鶏やブランド豚、ほぼ100%天然魚である青魚をしっかりと摂取してください。
ビタミンやミネラルが豊富な食事を
ビタミンやミネラルは野菜や海藻から摂取すると良いのですが、スーパーのカット野菜やコンビニのサラダはNGです。これらは塩素などで漂泊しているために、見た目はいつまでも新鮮に見えますし食中毒もありませんが、その漂白剤が長期間摂取する事でカラダに悪影響を及ぼしているのではないか?と言われ始めています。よって、自分でサラダを作ることをお勧めします。自作ならスムージーも良いと思います。
食べる時間帯を決める
3食を毎日同じ時間でバランスよく、20回以上よく咀嚼して食べましょう。夕食だけはあまり多くを摂取せず、ビタミンやミネラルを中心に睡眠前の3時間で食事を完了させましょう。また寝る前に果物を少量食べるとお肌に良いという研究もあります。
食べる順番を考える
血糖値上昇からインスリンの分泌を促進させないためにも、炭水化物の摂取は最後にしましょう。よって、食前の30分前にサラシア茶などの漢方茶を飲んで血糖値上昇を抑えつつ、酢の物(海藻)と食物繊維(野菜)から食べて、タンパク質(肉・魚・大豆など)でメインとし、そして最後にご飯という順番で食べれば太りにくい食べ方に。ごはんの時までに半分ほど残しておいたメインと一緒に食べる方法が、無理のない方法だと思います。
食事制限以外に見直したいこと
食事の制限はあまり意味がなく、そもそもきちんとバランスよく食べることが一番大切なことだとご理解いただけたと思います。では、それ以外に見直したいことをまとめてみました。
健康のために適度な運動を
痩せるためにではなく、健康な内臓をキープするために、循環器系や呼吸器系の内臓筋肉にも適度な負荷は必要です。簡単に運動を取り入れるなら、負荷が少ない割に、効果が高いウオーキングがオススメ。最新の理論では、首は40度ほど上を向き、胸を張って少し小股で歩くと良いでしょう。時間は15分ほどで脂肪が燃焼し始めるので、そこから30分程度歩けばOK。速さは気にしないで、気持ちよく。
もう少し出来る方ならば、プールウォーキングがオススメ。同じ歩き方で40分間歩いてください。数カ月でむくみがスッキリして、便通やお腹周りがスッキリしてきます。
ストレスを上手にコントロール
ストレス状態になると太りやすくなることは分かったので、ストレスを適度にコントロールする方法を見つけましょう。例えば、軽くストレッチをしたり、アロマオイルやお香を焚いて、ヒーリングミュージックを聴いてリラックスをしたり。自分が落ち着ける方法をいくつか覚えておくと、とても良い効果が期待できます。
睡眠をしっかりとる
太りにくい体を作るには睡眠がとても大切。子どもの睡眠の際によく聞く成長ホルモンは、大人でも分泌されるもの。入眠してまもなく分泌される成長ホルモンは、筋肉の合成や脂肪を分解する働きをしてくれるもの。そのためには、良質な睡眠をとることが大事です。朝は早起きをして、カーテンを開け太陽の光をしっかり浴びると、夜には眠くなるメラトニンがしっかり分泌されるので、子どもと一緒に早寝早起きを心がけましょう。
腎臓をケアして代謝を回復する
新しい考え方のひとつに「腎臓をケアして代謝向上を回復させる」というものがあります。本来回復が難しいとされていた腎臓も、最新の研究では特定の漢方や特定の運動で、機能回復ができることがわかってきました。
腎臓機能の回復によって、老廃物や過剰に摂取したものが体外に排出しやすくなれば、今よりずっと「太りにくくなる」ことが期待できますし、その先には「痩せやすい体質づくり」にもつながっていくと思います。
数年後の自分のために!
「太ってしまう」色んな理由をチェックしましたが、あまり食べていなくても、こんなに要因があったのかと驚いた人も多いのでは。でも安心してください!それぞれにはそれぞれの対策が用意されています。ただし、理由が一つとは限りません。複数の場合は焦らず出来ることから継続する事がとても重要です。
まず基本は、栄養バランスの摂れた食事を心がけ、正しい方法で正しく食事すること。そしてストレスのコントロールや適度な運動・睡眠で健康的な生活を心がければ、自ずと結果は出てきます。少しづつトライしてみて。
記事監修
カイロサロン『Ulysses』 院長
林 基弘
ハワイ国際大学客員准教授(カイロプラクティックと心理学と痩身の統合的研究)、米国応用心理カウンセラー取得、東京東新宿と大阪肥後橋に予約の取りづらいカイロサロン『Ulysses』を開院する。
https://ulysses.tokyo/
http://ulysses.osaka/
近年ではYouTube「Ulyssesモテ痩せチャンネル」https://www.youtube.com/channel/UCeKMPnFAFvxKbqz1gK41wtg
文・構成/HugKum編集部