幼稚園で友だちから「いじめ」の標的にされる5歳の息子。どう対応すれば?【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

仲がよかったはずの3人の友だちから、いじめられるようになってしまい、どうしたら…

 

息子は、ずっとひとり遊びが好きな子でした。しかし幼稚園の年中になってから「友だちと遊びたいけど、入れてくれない。意地悪される」と言うようになりました。「友だちに嫌なことばかりされるから、ママから先生に言って」と泣かれたこともあります。そのときは担任の先生に相談して解決しました。

その後、友だち関係はうまくいっていたのですが、年長になってから、お迎えのときに「みんなで、〇〇(息子の名前)をやっつけろ!」と言われているのを見てしまいました。仲がよかったはずの友だち3人に蹴られたりするそうです。

最近「また仲間に入れてもらえない」「なんでみんな、僕のこと嫌いになったの?」と言うこともあります。息子にも、何か原因があるのでしょうか? 親として、どんなふうに対応したらいいのでしょうか?(年長の男の子のママ)

年長になると、弱い者いじめをする子も。目撃したらしっかりと叱ることが大切!

なんか切ないですね。せっかく友だちができたと思ったら、意地悪されている光景を目撃。年長児は、つるむと強くなることを知ります。弱い者をいじめて自分の力を誇示するといった人として嫌な面が出てくる時期です。そんな気持ちが出てくると、やってみてしまうのが幼児です。

大きい子どもたちと違うのは、いじめて自分のストレスを吐き出すなど、根が深くないことが多いです。単にやって試しているということなので、その子の性格が問題と言うことではなく年齢的なものと言えます。だからといって、そういう行為を許してはいけません。

子どもにはけんかがつきものですが、数人で1人を攻撃するのはいじめです。叱って人として許せないことであることを知らせなくてはいけません。もし複数の子から攻撃されているのを目撃したら、しっかり叱ってください。まわりの大人が叱ることで、子どもは善悪がわかるようになります。先生にも耳に入れて、子どもたちがそういう傾向にあることを知らせ見守っていただきましょう。

 

子どもの気持ちに共感しながら、親子で解決策を考えて

息子さんは、ひとり遊びの時期が長かったようなので、自分のやりたいことがハッキリしたタイプなのでしょう。そのために友だちの間で浮いてしまうのかもしれませんね。でもこれは親が言い聞かせたからといって解決するものではありません。子ども同士でかかわっていくうちに、自然と相手との折り合いのつけ方を覚えていくものです。

お母さんに心がけてほしいのは、友だち関係で愚痴を言ってきたら、「そんなこと言われたら嫌だよね」「悲しいよね」と気持ちに共感しながら、どうしたらいいか親子で考えることです。子どもから「先生に言いつける!」「違う友だちを見つける!」など意見が出たら、「それがいいね!」とできることを実行に移すように後押ししてあげてください。幼稚園で傷ついている分、家庭を安心できる場にしてあげてくださいね。安心できる基地を持っている事が、外界にでていく気持ちを後押ししてくれます。

 

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記事監修

保育者
柴田愛子 しばた・あいこ

自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて47年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。

イラスト/海谷泰水

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