喉つまり(窒息)はなぜ起こるのか
子育てメディア「ぎゅって」では、横田小児科医院院長 横田俊一郎先生に取材をし下記の通り解説しています。
口は、空気と食べもの共通の通り道です。空気の通り道である気道が塞がれ、空気が通らなくなってしまうことで喉つまり(窒息)は起こります。特に小さい子どもは大人と比べて、喉つまり(窒息)を起こしやすく、窒息による死亡事故は、0歳から3歳に最も多いのです。
窒息を起こしやすい食品
子どもは、丸くて、表面がつるっとしているものは、噛まずに飲み込んでしまうことがあるそう。
例:ミニトマト、ぶどう、飴、こんにゃくゼリー、さくらんぼ、うずらの卵、白玉団子、チーズなど
他にも、パン、餅、やきいも、せんべいなどの「粘りけがあり、飲み込みづらいもの」、リンゴや肉類などの塊など「固くて噛み切りにくいもの」も要注意とのことです。
食品以外に窒息しやすいもの
乳幼児は、遊んでいる時も目を離してはいけません。
生後5カ月~6カ月頃から、子どもは目に見えるいろいろなものに興味を持ち始め、手にしたものを口に持っていくようになります。子どもの成長過程のひとつですが、口に入れたものを誤って飲み込んでしまい、喉つまり(窒息)を起こしてしまう事故も多く起きています。
例:小さいボールやブロックや積み木、食べ物の形をした玩具など
喉につまった!応急手当方法は
食事中や遊んでいるときに、子どもが急に苦しそうにしたり、顔色が悪くなってきたりしたら、慌てますよね。食べ物や異物が喉につまってしまう窒息のときは、どのような応急手当が必要なのでしょうか?
動画で応急処置方法の基礎知識を学びましょう。
喉にものをつまらせたときの応急手当
意識があり、苦しんでいる場合は、下記の方法で異物の除去を試みます。そばに人がいれば、救急車を呼んでもらいましょう。
乳児(1歳未満)…背部叩打法(はいぶこうだほう)
乳児を片腕にうつぶせにのせ、顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も継続して強くたたく。
幼児(1歳以上)…腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)
幼児の後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片手を握り拳にして、もう片方の手でこれを持って、腹部を上に圧迫する。
意識がなく反応が返ってこない場合は、早急に救急車を呼び、心肺蘇生法(心臓マッサージ)に切り替えましょう。
ここには注意!
応急手当の注意事項もあります。
口の中に指を入れて除去を試みようとすると、詰まらせたものが余計に奥に入ってしまうことがあります。詰まったものがはっきりと目に見え、掴んで取り出せそうであれば、除去を試みてもいいですが、無理に指を入れないようにしましょう。
また、1歳未満の乳児は、肝臓や脾臓などの臓器を傷つけてしまう可能性があるため、腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)は行いません。
窒息事故を防ぐためには
下記のポイントを意識しましょう。
①小さく切って与える
②食事の仕方に気を付ける
③直径約4センチ以内の玩具
命を救う行動ができるよう「応急手当」を学ぼう
喉つまり(窒息)で命を落とさぬよう「応急手当」の方法を学んでおくことはいいことですよね。
ほかにも、子育てメディア「ぎゅって」では、「嘔吐」や「熱性けいれん」、「やけど」、「出血」、「打撲」などの応急手当を紹介しています。そちらも合わせてご覧ください。
文・構成/HugKum編集部