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山下智久と小沢真珠とのディープな冒頭シーンにニンマリ
冒頭では例によって、クールなイケメンオーラ全開である山下さんのサービスショットを拝みました。永瀬からアクアパッツアをふるまわれた小沢真珠演じる冴子が「ヴォーノ!」と感激すると、永瀬が「グラッチェ」と答えるというディープなやりとりがツボでしたね。その後、冴子と石川瑠華演じる若い桃香から包丁を向けられるという夢オチの展開でつかみはOK(笑)。
そんな第2話での永瀬は、新米の月下咲良(福原遥)と共に大奮闘するなかで、永瀬の好敵手というべきライバル・桐山貴久(市原隼人)との売上対決にも闘志を燃やしていきました。
なるほど!と感心させられた桐山の営業テク
(以下、ネタバレを含みます)
ウソをつけなくなったことで、営業売上ナンバー1の座を後輩の桐山に奪われてしまった永瀬。月下と桐山は、同じ家賃12万のマンションを探しにきた客に、家賃13万の物件をプレゼンしますが、2人の営業スキルには雲泥の差があったようで。
月下は、お客が予算オーバーについてしぶると、あっさり引いてしまいますが、一方の桐山は最初から「相場15万円の部屋が13万円という破格の家賃で借りれます」とアピール。さらに駅から遠いというデメリットを口にしたあと、バスが遅くまであるというメリットをアピール。さらに犬アレルギーなのに、あたかも客と同じトイプードルを飼っているかのように装うという用意周到ぶりでした。
永瀬は「心理学のアンカー効果」だと月下に説明しましたが、見ていてそのテクに感動さえ覚えました。お仕事コメディならではの面白さですが、本ドラマでは不動産業界の知られざる舞台裏が明かされるので、毎回新しい発見があります。
どんな職業でも、実際にやってみないとわからないことって山ほどありますし、掘れば掘るほど、いろんなトリビアが出てきそう。特に、今後家探しをするママパパにとっては収穫の多いドラマだなと思いました。
永瀬VS桐山のライバル関係がドラマを牽引
本作はお仕事コメディですが、主人公の職業は不動産屋の営業マン、すなわち企業戦士ということで、サラリーマンとしてのガチな浮き沈みのリアルも描かれていきます。そこの大きな軸となるのが、原作でも大いに見応えがある、永瀬VS桐山バトルの構図かと。
どんなバトルものでも、主人公に拮抗する敵キャラが魅力的であればあるほど、主人公は輝きを増しますが、永瀬にとっての桐山がまさにそういう存在です。彼が単にずるくて薄っぺらい人間というステレオタイプなキャラクターだと、視聴者も冷めた目で観てしまいますが、今回桐山の「意外といいやつ」な部分がチラ見せされたことで、彼の好感度がバク上げしました。
山下さんと市原さんは、俳優としても同世代で、多くの作品を背負ってきたトップスターだけに、そこを含めて2人が切磋琢磨していくというバトルは見応えがあるのではないかと。また、ともすれば逆の役柄のほうがハマるんじゃないかと思いがちですが、そこを逆手にとったキャスティングの妙がすばらしいです。
ちなみに原作コミックは、平成29年から連載がスタートしているので、企業ドラマとして観ても、パワハラ上等、コンプライアンスほぼ皆無の昭和・平成初期のものとは違い、令和にアップデートされています。
第2回では、永瀬が月下を無理やり飲みに連れていくのではなく、月下が永瀬を誘って先に酔っ払い「もっと飲んでください」と絡むという逆の構図が笑いを誘いました。こういう点も行き届いたドラマですね。
2話のあのシーンをマンガでチラ読み!
第3話では、3年前に永瀬から物件を購入した夫婦が、永瀬に物申す!
第3話では永瀬から物件を購入した夫婦が再び永瀬のもとにやってきました。夫婦は当時、永瀬の勧めでペアローンを組み、高額マンションを買ったものの、離婚が決まってローン返済で大いにもめているとのこと。果たして彼はどう出るのでしょうか?放送をお楽しみに。
文/山崎伸子
「正直不動産」毎週火曜日、夜10時からNHK総合にて放送
見逃し配信はNHKプラスで!(放送後、最新話が公開されます)
連載第1回はこちら
営業に必要なこと以外、客に見せも教えもしないーー
そんな不動産業界に前代未聞の爆弾が、いま炸裂する!!千三つと言われる海千山千の不動産業界でかつての成績が一気に低下する中、永瀬は、嘘が上手くつけない正直営業で苦戦するが…!?
不動産屋の裏側を全部ぶっちゃけちゃうニュー・ヒーロー、誕生。
本書は、大人気漫画『正直不動産』で取り上げてきたテーマのうちの24テーマを、宅建業者のTwitter集団・「全宅ツイ」の各専門クラスターが数人ずつトーク形式で語る本です。