「水いぼ」とはどんな病気?治療法は?
小さないぼが肌にできる病気。自然治癒も可能です
猛暑日が続くこの夏…。毎日のように水遊びやプールをするお子さんも多いはず。そしてこの時期よく耳にするのが「水いぼ」という肌トラブル。水いぼの正式名称は「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」といい、小さないぼが肌にできる病気です。
治療をするか、自然に治るのを待つかは、保護者の判断次第です。
step1 「水いぼ」のおもな症状と原因は?
小さないぼができ、人から人へもうつる
子どもに多く見られる皮膚の感染症で、「伝染性軟属腫ウイルス」に感染することで発症します。いぼは直径1〜5ミリ程度で、中にウイルスが含まれています。いぼがつぶれてウイルスが肌につくことで、広がったり人にうつったりします。水いぼそのものにかゆみや痛みはありませんが、アトピー性皮膚炎などを起こしていると、いぼの周囲にかゆみを感じてかきこわし、感染を広げてしまいやすくなります。
step2 「水いぼ」治療の基本
時間がたてば自然に治るが、病院で治療をすることも
水いぼは自然に治る病気ですが、治るまでに半年〜3年ほどかかり、水いぼがあるとほかの子と一緒に水遊びができない園もあるため、病院で治療をすることもあります。治療法として確実なのが、専用のピンセットでつまみとる方法。テープ状の麻酔薬を貼ってから行いますが、多少は痛みがあります。外科的な処置のほか、塗り薬や液体窒素を使う治療も。
漢方薬「ヨクイニン」の内服で効果が出る場合もあります。
step3 子供の「水いぼ」予防のためにできること
肌と肌が直接触れるのを避ける
感染予防には、肌と肌が触れるのを避けることが第一です。園などで水遊びを禁止することがあるのは、子ども同士の肌の接触を防ぐため。水を介してうつることはありません。ただし、浮き輪やビート板などの遊具や、タオル、寝具などには注意が必要。水いぼのある子と共用するのは避けましょう。
肌のバリア機能が低下すると感染しやすいので、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子は特に、保湿ケアを心がけます。
水いぼかな? と思ったら
・治療するかどうかを決める
特に治療をしなくても治るが、3年ほどかかることも。医師とも相談して判断するとよい。
・水いぼがあるときの注意
ほかの子と、肌が直接触れあわないように注意する。プールなどの水を介してうつることはないが、肌に直接触れる浮き輪などの遊具やタオル類は感染の原因となることがあるので、共用しない。
・予防のために心がけること
肌のバリア機能を正常に保つことが大切。アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子は、保湿剤などを正しく使って肌をよい状態に保つ。
記事監修
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部