「小1の壁」対策はもう始まっている⁉入学後の困りごとを減らすために、今からできることとは?

「小1の壁」という言葉を聞いたことがありますか。お子さんが小学校に入学して、子育て・仕事・家庭の両立が難しいと感じるような状態のことをいいます。そんな「小1の壁」を少しでも軽減するために、今からできることを、小学生二人のママで元小学校の先生である筆者がご紹介します。

「小1の壁」とは?

子どもが小学校に上がるときに、親が感じる壁のこと

「小1の壁」とは、お子さんが小学校に入ると、仕事・育児・家事の両立が難しくなることをいいます。仕事を続けることが難しくなり退職や転職を決意する方もいるほどです。

小学1年生が学校から帰るのはおよそ15時ごろ。その後に学童保育を利用しても18時までには迎えに行かなくてはならないところが多いのです。保育園は親の勤務時間に合わせて保育時間が決められていますから、大きな違いですね。

また、子どもが小学生になると時短勤務ができない、学校行事やPTA活動など平日に対応しなければならないなどの困りごとも出てきます。

 1の壁を感じた先輩ママパパはたくさん!

ある企業での調査では、小1の壁を感じるママパパの想いが赤裸々になりました。保育園に通う子どもを持つママパパに聞いたところ、お子さんが小学校に入るタイミングで、仕事と子育ての両立に不安を感じる方は、なんと90%以上にものぼります。
また、小1の壁が原因で転職・退職を考えたことのあるママパパは35%、およそ3人に1人は働き方を変えようか考えているのです。

 「1プロブレム」とは違う

「小1プロブレム」は子ども自身が感じる困り感や、子どもの行動によって先生や親が感じる困り感のことを指します。
例えば、「ずっと座ってるなんていやだ!」「字を書くのばっかりで疲れちゃう」と感じたお子さんの中には、学習に取り組まない・立ち歩くなどの行動をとる子もいます。気持ちに素直であるともいえますが、集団の子どもたちを見ている先生にとっては、頭を抱えてしまうかもしれません。

保育園と小学校は大きく違う!働き方に調整が必要になることも

“朝の時間どうする?”問題

フルタイムで共働きのご家庭にとって、大きな悩みとなるのが、“朝の時間どうする?”問題です。出勤時間が早めのお仕事でも、保育園なら朝の7時台から預けることができました。しかし小学校の登校時間は誰でも一律で、8時ごろとなっています。
そうすると、子どもよりも親の方が先に家を出なければならないことも! つい最近まで年長さんだった子どもを家に置いて出勤するなんて、まだまだ想像できないですよね。
「遅刻していないかな」「カギは閉められたかな」と一日ヤキモキしながら仕事をすることになってしまうかもしれません。

フレックス制度を活用したり、朝の1時間だけテレワークにしたりして出勤時間をずらすことができれば問題ないのですが、そうはいかないお仕事もたくさんありますよね。740分から学校の門で待たせた、朝は近所に住むおばあちゃんに送り出してもらった、親が出勤した後は幼馴染の家で待たせてもらった、ファミリーサポートセンターを利用したなどの例もあるようです。

 子どもの学校行事が平日に行われることもある

大勢の親が見に来ることを想定した運動会や音楽会などの行事は土曜日に行われることが多いですが、入学式・保護者会・授業参観・個人面談などは平日に行うことがほとんどです。先生たちの出勤日を考えると仕方ないことかもしれませんが、平日の昼間は働いているママパパからすると、「こんな時間設定⁉」と感じることもあるようです。

大きな行事については、入学式や新1年生保護者会の際に予定を知ることができます。「年間行事予定表」というものを作成して配布する学校がほとんどです。それに合わせて、仕事のほうもお休みがとれるように調整しておくと良いでしょう。

予定表については、あくまで“予定”です。運動会のような大きな行事が変更になることはまれですが、保護者会や個人面談などは、年度の途中で変更になることもあります。特に、感染対策で実施ができない、感染症が流行し学級閉鎖が起きたなどの場合には延期・または中止になることもあります。

 子どもの夏休みのこと、早めに考えておいて!

共働きママパパにとって大きな壁となるのが、夏休みです。小学校は、720日前後から831日程度まで、約40日も夏休みがあります。地域によってその期間に差はありますが、1年で最も長い休みであることは変わりないでしょう。

子どもたちが休みでも、親は仕事があります。夏休み期間は学童保育に朝から預けることができますので、大人が見守るもとで過ごすことができます。ただ、学童には給食がありませんので、毎日お弁当を持たせる必要があります。また、学童の時間は学校の登校時間よりもさらに遅い場合があるので、“朝の時間どうする?”問題がますます過熱することも!

また、意外と知られていないのが、保育園に通っていた子の“夏休みをずっとおうちで過ごす子がいるの⁉”という意識です。
保育園では、どこのご家庭も共働きが基本なので、親の夏季休暇に合わせて、子どもは保育園をお休みしますよね。しかし小学校の夏休みになり、学童に行くと、顔を合わせるのはいつも同じ面々…。「同じクラスの○○くんは全然来ないな、何してるのかな?」という疑問が浮かんでくるのです。夏休みに学童を利用しない子ももちろんいるのですが、お子さんにとっては大きなカルチャーショック!
40日もずっとお家で過ごせる子がいるなんて!ぼくももっとおうちで遊びたい!学童なんて行きたくない‼」と駄々をこねる子がいるのです。

夏季休暇の時期を考える、夏はできるだけテレワークができるようにするなど、お子さんの気持ちに対応できるように、どんな働き方の工夫ができるか模索しておきたいですね。

 【学童保育】学童選びは、何を優先するかで決める!

まずは、公立学童か、民間学童かを決めよう

学校が終わった後の放課後を過ごす場として、学童保育があります。児童館や公民館の中には公立の学童がありますよね。放課後児童クラブとも呼ばれており、最近では学校の敷地内に学童が置かれているところも増えてきました。その学校に通っている子どもはもちろん、同じ学区域に住んでいて国立や私立小学校に通う子も利用できることが多いです。公立なので、料金は比較的割安ですが、おやつを含む利用や、遅い時間までの利用になると、オプション料金が必要にあることもあるようです。

また、最近では民間学童が増えてきました。英語での学童、夕食つき、学校へのバス送迎、習い事も一括でできるなど、それぞれのメリットがあります。サービスが充実している一方で、料金は割高になることが多いので、よく考えて選びましょう。民間学童は、すでに見学や申し込みを始めているケースもありますので、気になる学童がある方は早めに動き出すことをおすすめします。

 たくさんあって、どこにするか選べない!

特に都心では、近隣にいくつもの学童保育があることも。先輩ママパパはどんな基準で学童保育を選んだのでしょうか。

公立派

・家から近いことが一番!学校の敷地内にある公立学童なら、いつも通りの登下校でOK

・同じ学校の友だちとの関係を深めてほしいので、学区域内の公立学童にしました。

・そのうち行かなくなるかもしれない・・・と思い、割安な公立学童にしました。夏休みに預かってもらった日数を考えると、コスパがすごかったです。 

民間派

・オールイングリッシュで預かってくれる民間学童にしました。日々を過ごしながら、英語の力をつけてほしいと思います。

・学童で習い事もやってくれるので、民間学童に入れて良かったです。家からは少々遠いですが、バス送迎があるので安心です。

・親の仕事が夜間までなので、夕食付きで20時までの民間学童にしました。

 ご家庭の状況によって、学童保育に求めるものは異なりますよね。何を優先とするかをご家族で話し合ったうえで決めていきましょう。

 【習い事】小1になっても通い続けられるかチェック!

年長と小1では時間やクラスが変わるかも?

最後に習い事についてもチェックしていきましょう。現在、習い事をしている方は、お子さんが小1になっても通えるか確認しておくことをおすすめします。クラス分けのある習い事では、幼児クラスと小学生クラスで内容や時間帯を変えているところが多いため、今までとは違ったスケジュールになるかもしれません。習い事の時間や曜日が変わると、それに合わせて親は送り迎えの時間を調整しなければならないですから、早めにチェックしておくと良いでしょう。

 新たに習い事を始める場合は?

お子さんが入学したら新たな習い事を始めようかと考えているご家庭もありますよね。その場合は、今の年長クラスだけでなく、“小学生クラス”も体験・見学できるとイメージがわきます。中には、幼児クラスは楽しさ重視でわいわいした雰囲気、小学生クラスはきっちりと厳しく指導してくれる、と子どもの成長のためにあえて雰囲気を変えている習い事もありますよ。

また、小学校に入学すると新しいことだらけで、お子さんは疲れてしまいがちです。それに加えて新しい習い事もできるかどうかよく考えて、始める時期を決めていきましょう。

 「小1の壁」対策、早めにしておいて損はなし!

お子さんが入学すると、それに伴ってご家庭のタイムスケジュールも大きく変わります。どんな時間を確保しておくとよいのか、どんな対策ができるのか、早めに考えておくと、いざというときにも慌てなくて済みますよ。
入学まで残り3か月ちょっとの期間ですが、できるだけの準備をして、スムーズな就学を迎えたいですね。

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文・構成/yurinako

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