さて、小学一年生のお子さんをもつご家庭では、入学後の生活は入学前とどのように変わりましたか?
この時期に陥りやすいママ・パパのお悩みにお答えします!
Q:習い事をさせたいのですが、まだ早いですか?
息子が小学生になったので、習い事をさせたいと考えています。ただ、まだ入学したばかりで学校に慣れてからでもいいかなと思ったりして、迷っています。
息子の友だちのお母さんも「どんなのがいいかな」といった話をしています。習い事はいつごろからさせるのがよいでしょう。また、子どもの脳によいおすすめの習い事はありますか。 (のっちさん)
A:習い事は脳の仕組みづくりに役立ちますよ!
小学1年生の子どもにとって、一番大切なのは、見たり聞いたりしたことを行動に移せるようになること。例えば、授業中に先生の話を聞きながら、ノートに書いていくといった作業です。このとき、脳内で何が起きているかというと、耳と目から得た情報をインプットし、運動系の脳のラインで、得た情報をアウトプット(書く)しているのです。
子どもに習い事をさせることで、この能力をより伸ばすことができます。
また、これをしっかり習得した子は、どんな分野でも十分な能力を発揮できるようになりますよ。
習い事は、野球や水泳などの運動系、絵画教室やピアノなどの芸術系、習字やそろばんなどの学習系に分かれます。どんな習い事でも、基本的には見たり聞いたりしたことを実際にやってみるということは同じです。
例えば、ピアノなら、先生に教えてもらったことを家でも練習しますよね。親や学校の先生以外によるこうした指導と練習をくり返すことで、脳内のインプット、アウトプットの練習につながっているのです。
ひとつ注意したいのは、習い事で大きな成果を求めないことです。もちろん、どんな習い事でも続けていれば上達します。けれどそれは、先生に教わったことを実行に移せる脳の仕組みがしっかりと根付いた結果なのです。習い事を通して脳の仕組みづくりをしているととらえ、上達を求めるような子どもへの声かけは控えましょう。
1年生におすすめ!習い事選びのポイント
① 子どもの興味・関心のあること。
子どもが喜んで取り組めることが大切。
② 運動系でとくに下半身を動かせる。
空手や合気道など、型を覚えて下半身を動かせるもの。
③ 続けられるかどうか。
脳のトレーニングに持続性は不可欠。
④ お家の人が経験したり、くわしい。
習ってきたことを子どもと共有しやすい。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年5・6月号 別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 撮影/黒石あみ(小学館写真部) 構成/天辰陽子