「七草がゆ」は子どもが食べやすい「リゾット風」にアレンジ!【行事食を手軽に親子で楽しもう】

行事食って「これでいいんだ!」とママの気持ちがラクになる方法を(社)日本キッズ食育協会・キッズ食育マスタートレーナーの石井千賀子がアイデアを2022年1月から連載でご紹介していきます。

七草がゆって、なぁに?

1月7日は、「七草がゆを食べる日」という風習がありますよね。

「春の七草」には整腸作用があると言われおり、七草をお粥にし「七草がゆ」にすることで、クリスマス、年末年始とごちそうをいただいた後の疲れた胃を休めるという意味合いがあると言われています。

「人日の節句」

ですが、実は「人日の節句」という中国からやってきた『五節句』のうちの一つです。

昔、中国では、1月1日から、6日までの各日に、動物を当てはめた占いをしていたと言われています。1月1日は鶏を占い、1月2日は犬を占うといった形です。そして、1月7日には、「人」を占うこととし、それぞれ占うものを大切にするという考え方が定着していきました。

また、古来中国では、1月7日に7つの若菜を食べることで、邪気を払い、無病息災を願う日でもありました。

それらが平安時代に日本に伝わり、日本に古来から伝わる「若菜摘み」の伝統と相まって1月7日に七草を食べ、無病息災を祈る日となりました。

では、「春の七草」についてもご紹介します。

「春の七草」とは

せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の7つです。普段、私はキッズ食育マスタートレーナーとして「青空キッチン」や「食育イベント」を開催しているのですが、テンポよく歌うように唱えると、子どもたちは思いのほか、すんなりと覚える印象を受けます。

実際に「七草」を見せると、親御さんからは

「あれ?どこかで見たことがあるような……?」

という反応も。そんなときは、

「そう! 道端にさく草花であったりもします」と伝えます。

春の七草は、身近な存在

すずなは「カブ」すずしろは「だいこん」と、身近な野菜ですし、なずなは、通称「ぺんぺん草」とも呼ばれ、晴れの日にお子さんと公園で探してみると比較的見つかりやすい草花なのです。

「ぺんぺん草」は、ママパパ世代なら、昔、公園で音を鳴らして楽しんだ記憶はないでしょうか?

1月の行事食「七草」を手軽に楽しもう

今回は、七草を使った「リゾット風」をご紹介します。

チーズ、コンソメを使うことで、子どもでも食べやすくなりますし、お手伝いをお願いすれば、興味関心を持ってもらうきっかけにもなりますよ。

子どもと楽しめる!七草リゾット風

【材料】(2人分)

・ごはん 300g
・七草  1/2パック(約75g)
・ベーコン 1/2枚
・たまねぎ 20g
・茹で人参 6枚
・コーン  10g
・バター 10g
・ピザ用チーズ 30g
・コンソメ 大さじ1/
・水 200ml

【作り方】

① たまねぎはみじん切り、ベーコンは1㎝幅の短冊切り、すずな、すずしろは5㎜幅のいちょう切り、七草の葉は小さくちぎる。

② 茹で人参は型抜きをする。

③ フライパンにバターをいれ、玉ねぎ、ベーコン、すずな、すずしろを加え火が通るまで炒める。
④ ③にごはんをいれ、水、コンソメを加え沸騰したら蓋をして弱火で3分煮る。
⑤ 蓋をあけ、ピザ用チーズ、コーン、①の七草の葉の順に乗せ、蓋をして弱火で3分加熱する。

⑥ お皿に盛り、②で型抜きした人参を乗せる。

子どもにお手伝いをしてもらうときは

人参の「型抜き」をお願いしてみて!

「型抜き」は、2歳くらいから小学校高学年まで楽しめる子どもの大好きなお手伝いです。店頭でもたくさんの型が売られていますが、ポイントは、「少し小さめの型を用意すること」です。はみ出てしまってうまくいかなかった!という残念な気持ちではなく、成功体験を得るきっかけになるからです。

七草の葉をちぎってみて、とお願いしても!

「ちぎる」という作業は、2歳くらいからでも安全にお願いできるお手伝いです。手先の感覚を豊かにしてくれますし、顔に近づけることで、「香り」も感じることができます。料理の中で、「葉っぱのにおいだね」「ピクニックしている気持ちになるね」と香りでワクワクを引き出すと、「食べてみようかな」という前向きな気持ちになれるかもしれません。

忙しくて、行事食が作れないときは?

食卓で、「七草ってね、こんな由来があるらしいよ」とか、「こんな歌があってね」などとお話しをし、ごはんが食べられたら十分だと思っています。

ほうれん草や小松菜といった緑の野菜で代用OK

七草がセットになって売っているものを使うという方法もいいですが、ほうれん草や小松菜といった緑の野菜で代用するのもおすすめです!

フリーズドライの七草も

また、最近では、フリーズドライの七草も売られています。スリーズドライの七草を使って味噌汁にするでもOK。「出来なかった」と思うのではなくて、あるもので行事を親子で感じられたら素敵な食育だと思っています。

「出来なかった」と感じる必要はない

春の七草が店頭に並ぶのは、1月7日以前の数日です。

年始のお仕事も始まり、気がついたら、1月7日当日の夜だった!なんてこともあるかもしれません。そうなるともうスーパーには七草が並んでおらず、「あぁ、もうなくなっちゃった!」と思うことが私もあります。

ですが、「出来なかった」と感じる必要はないと思っています。

実は、七草の中でも、「すずな」、「すずしろ」はカブと大根ですし、「せり」も野菜コーナーによく並んでいる野菜の一つだから。七草ではなく緑の野菜に代用したり、「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」とテンポよくお子さんと歌いながら、お子さんと食卓を囲んでみませんか。

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この記事を書いたのは…

石井千賀子|キッズ食育マスタートレーナー
東京都大田区在住。2児(9歳、7歳)の母。
出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。興味関心の幅が広い幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。また、「食」から広がる世界は無限大であり、「食」を通し、子どもの探究心に火をつけ学ぶ意欲のある子どもを育てることに注力している。

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