Q:生きものを殺して遊んでいた息子にびっくり!
先日、ダンゴムシを水の入った水槽に浮かべて遊んでいた息子。驚いた私は、慌てて水槽の水を捨て、ダンゴムシを取り出しました。息子には、「こんなことしてはダメでしょう」と、理由も聞かずきつく叱ってしまいました。
後日、息子はダンゴムシが泳げるかどうか実験していたのだと教えてくれました。「ダンゴムシにも命があって、それはあなたと同じなんだよ」と教えましたが、うまく伝わったかどうかわかりません。このまま様子を見ても大丈夫でしょうか。(みーままさん)
A:叱るのではなく、命について向き合い、親子で学びましょう。
息子さんは、自分で感じた疑問を自分で検証し、答えを見出だそうとしたのですね。好奇心、探究心が豊かな証拠です。「自分で答えを見つけようとしたんだね、すごいね」などと、まずはお子さんをほめましょう。
ただ、ダンゴムシにも命があります。その命を誰かの手で安易に絶ってはいけません。お母さんが最初に見て驚いたのは、わが子が「生きものを殺している」と思ったからなのですよね。
探究心の豊かな息子さんをほめると同時に、お母さんが慌てて叱ってしまった理由も話しましょう。お母さん自身の正直な気持ちでよいのです。「あなたがそんな実験をしていたなんて、知らなくて叱ってしまってごめんね」と。そして、命の大切さについて伝えましょう。
「お母さんね、あのとき、ダンゴムシの気持ちになってしまったの。突然、水に入れられて泳げなくて、苦しかったんじゃないかってね」
ダンゴムシをはじめ、どんな生きものもそれぞれの世界で生きていて、何より命はひとつしかないのだということをはっきりと伝えてほしいのです。
生きものの命は、ゲームのようにリセットボタンで復活することはありません。だからこそ、大切にしなくてはいけないのだということを、お母さん自身の言葉で伝えましょう。
それから、どうしても実験をしたいときは、ルールを決めておきましょう。どんな実験をしたいのか計画を立て、親や先生など、大人に相談すること。事前に何をするのかがわかっていれば、一緒に取り組んだり、間違った方向に行きそうなときはその都度、アドバイスできますよね。
それから、絵本や本には命の大切さを伝えるものがたくさんあります。また、子どもの心や思いに気づくヒントがたくさんちりばめられています。お母さんもこうした本を日頃から手に取り、心の引き出しに蓄えておきましょう。
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1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年12月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ 構成/天辰陽子