子どもが性的なものに興味をもったとき、親の声かけは?プロに聞くおうち性教育

「性教育?うちの子にはまだ早い」…いいえ。何も準備をしないまま性を意識しはじめる思春期に入ると、親も子も話しづらく聞きづらくなります。自分の子どもがこれらの悩みをもったとき、もしくは悩む前に、親としてどのようなフォローをしてあげられるでしょうか。
性に関する社会問題の解決を目指すプレイリー株式会社の岩川龍之介さんに、そのポイントをうかがいました。

悩み② 性的なものにすごく興味がある

抑圧はNG!他の人に迷惑をかけない範囲なら自由でOK…と早い時期から伝えよう

性に興味を持ち、疑問に思うのは自然なことです。一方で、性に興味を持ちはじめる年頃には、親に相談することはほとんどなくなり、友だちやインターネットなどから情報を得るようになります。

子どもが噂に惑わされず、正しい知識を備えられるように、低年齢の時期から「いやらしくない」「性に関する科学的な知識」を身につけるためのフォローをしてあげましょう。

幼い頃から親がしてあげられること

●見聞きしたことを鵜呑みにせず、正しい情報を得る習慣をつける

性に関することに限らず、どこが発信しているデータか裏付けるデータはあるのかを確認するクセをつけましょう。友だちやメディアの情報は必ずしも正しいとは限らないことを認識します。

ひとつの情報だけで判断せず、複数の情報を比較することも教えてあげられると尚良いでしょう。何か興味を持ったことを調べる際に、親が意識して声掛けをしたり、一緒に調べて方法を見せてあげるのも良いですね。

●モラルや罪に問われることについて話す

子どもは「おちんちん」「おっぱい」といった言葉が大好きです。面白がって下ネタを言う子もいます。その場では「外で言わないのよ」と指摘するだけかもしれませんが、家に帰ってからでも改めて、嫌な思いをする人もいることや「性的なこと=面白いこと」ではないと伝えましょう。

「そういう話をしちゃダメ」と言うだけでは、性に関することが恥ずかしい・口にしてはいけないことだととらえ、いざというときに親に相談できなくなります。

●生殖機能を守ることも大切に

自分で性的欲求を満たす方法もあること、そしてそれは全く悪いことではないことを伝えてあげます。ただし、床や物に性器をこすりつけて強い刺激を与えたり、過激すぎるオカズを使うと、将来の生殖機能に影響します。「触るときは優しくね」という言葉も添えてあげましょう。

子どもが性に興味を持ちはじめてからでも良いですし、性器いじりをしているときや(女の子も)、夢精を経験したときなど低年齢の時期でも機会があれば伝えてあげましょう。

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記事監修

岩川龍之介さん|プレイリー株式会社  代表
福岡のセックスの人、社会起業家。
SNSを通じた出会いの中でクラミジアに罹患し、「性」を取り巻く社会課題に関心を持つ。それらを解決するサービスや仕組みを作りたいと2020年12月にプレイリー株式会社を設立。
「自分の性を好きになれる世界に」を掲げ、性行為が好きでも嫌いでも、どんな人を好きになってもなれなくても、あらゆる人が自分の性のあり方を好きでいられる世界を作るためにさまざまな取り組みを行う。

取材・文/村上詩織

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