よく飛ぶ紙飛行機の折り方を教えて!
やっぱり一番知りたいのは、遠くまで飛ぶ紙飛行機の作り方。作っては飛ばす実験をして、どんどん研究を重ねるおもしろさがあります。戸田さんも「どこでも紙一枚で作れるので手軽ですし、折り方や調節の仕方、飛ばし方を、練習すればするほどうまくなっていきます」と魅力を語ってくれました。そこで、著書の『おうちで紙ヒコーキ』より、基本的で簡単な「ウォーターバード」という紙飛行機の折り方を伝授してもらいました!
ウオーターバードの作り方
『おうちで紙ヒコーキ』(二見書房)より
「昇降舵」が紙飛行機のコツ
折り方解説の最後に、「昇降舵」の調整方法がのっていて、どうやらここがよく飛ぶ紙飛行機を作るコツのよう…。この言葉はちょっと馴染みがないかもしれません。
戸田さんは「本物の飛行機もラジコンなどの飛行機も、すべて翼のこの後ろのひねりで上下左右をコントロールしています。ひねりがもとに戻らないようにするには少し爪をたてるようにして、かたをつけた方が良いですよ」と教えてくれました。
翼の後ろのひねりが大切
どんな紙で折ればいいの?
『おうちで紙ヒコーキ』には、形はもちろん、折り方も飛ばし方も異なる10機種の紙飛行機が紹介されています。正方形、長方形、さらには三角形や帯形状のものもあり、紙の大きさや形が違うだけで、飛び方が全然違うんですね。用紙を変えるという発想は、ありませんでした!
「同じ紙質なら、大きな紙はふわりと飛ばす形の紙飛行機に向いています。それから室内で飛ばすのには、正方形の柔らかい折り紙用紙の方が向いていますし、長方形で固い紙は、屋外での距離競技に向いています」と戸田さん。
『おうちで紙ヒコーキ』(二見書房)の付録。大型の長方形やかっこいい色の紙で作ってみると、違いがわかっておもしろい!
飛ばし方についてのアドバイス
飛距離を伸ばすには?
まずはきれいにまっすぐに飛ぶように、翼の後ろのひねりを調節することが大切です。
「飛ばし方は、まっすぐより、わずかに上向きに力いっぱい投げてください。途中でスピードを失うような飛び方になる場合は、翼の後ろをわずかに下げます」
真っすぐに向かわずに、すぐ落ちてしまうときの原因は?
ほとんどは、翼のよじれが原因となります。「右に曲がって落ちていく紙飛行機は、翼の左の後ろを上げて右の後ろを下げます。左に曲がって落ちていく紙飛行機は、反対に翼の右の後ろを上げて左の後ろを下げてください」
飛距離だけじゃない紙飛行機の遊び方
「どこまで遠くに飛ばせるか」という遊び方が定番ですが、紙飛行機の特性を生かした遊びはたくさんあります。上の解説では左右に曲がってまっすぐ飛ばないときの直し方を教えてもらいましたが、逆に回転を利用してブーメランのように手元に戻るように改良したり、的を狙って遊ぶという遊び方もできます。
大きくふわりと飛ぶ紙飛行機を作ったら、2人組になって、飛ばした飛行機をもう一人がキャッチするというのも楽しいですね。本の中では、上から落として回転を楽しむ紙飛行機なども紹介されています。
おうちで紙ヒコ―キ
著:戸田 拓夫 画:100%ORANGE
二見書房
戸田拓夫さんが、おうちの中で楽しくあそべる最新の紙飛行機・10機種の折り方を紹介。2冊組となっていて、100枚のカラフルな折り紙と、紙製ゴムガン付き。もし小さい弟など、どうしても水平に飛ばすことができない子がいたら、ゴムガンを使うとまっすぐ飛ばすことができます。「おうちで」と名がつくだけあって、部屋の中でも悠々と飛ばすことのできる機種を多く紹介しています。
書籍について詳しくはこちら>>
<教えてくれた人>
戸田 拓夫さん
モノづくり企業「株式会社キャステム」代表取締役。「折り紙ヒコーキ協会」会長。早稲田大学在学中に折り紙ヒコーキと出会い、長年にわたり折り紙ヒコーキの研究を続けている。折り紙ヒコーキ教室・折り紙ヒコーキ大会を日本各地で開催し、海外でも紙ヒコーキの普及につとめ、2001年、広島県福山市に「紙ヒコーキ博物館」をオープンした。
折り紙の記事、こちらもおすすめ
文・構成/日下淳子