小学2年生で「分数」は早い⁉と感じるのには理由があった!家でできる分数トレーニングを伝授

「2年生に分数って早いような…」と感じるママ・パパがいるのには、理由があるのです。今使われている算数の教科書では、小学2年生の3学期に「分数」の学習があります。
ママ・パパが感じる違和感の理由、2年生の分数学習、幼児さんからチャレンジできる分数トレーニングについて、元小学校教員が解説します!

 2年生に分数は難しいのでは?と感じるのには、理由がある

小学生のお子さんを持つママ・パパの中には、「2年生に分数なんて難しい気がする」「自分が子どもの頃は、もっと上の学年でやっていたような…」と感じる方もいるかもしれません。その直感は、大正解! 実は、ママ・パパ世代が子どもの頃、2年生では「分数」を学習していないのです。

昭和46年から平成13年まで使われていた教科書では、小学3年生から「分数」を学習していました。平成13年のときに小3(9歳)というと、平成4年ごろまでに生まれたママ・パパですね。

平成14年から平成22年まで使われていた教科書では、小学4年生で初めて「分数」を学習していました。この世代のママ・パパは、“ゆとり世代”と呼ばれた経験もあるかもしれませんね。
この時期は、小学4年生で初めて「分数」を学習し、5年生で「通分や約分」「分数のたし算・ひき算」、6年生で「分数のかけ算・わり算」と、高学年でまとめて分数の学習をしていたようです。そう考えると、「2年生で分数なんて難しい気がする」と思うのも当たり前ですよね。

2年生の分数は、こんな学習!

「分数」とは、同じ大きさに分けたうちのいくつ分かを表す方法です。イラストや図を見ながら、視覚的に捉えやすいのも特徴で、2年生にも無理のない内容になっています。

半分って? 1/2(にぶんのいち)を学ぶ

まずは、同じ大きさ半分を使って、1/2(にぶんのいち)を学びます。ここでポイントなのは、“同じ大きさ”というところ。大きさが違う2つに分けたのでは、分数は成立しませんよね。子どもたちに身近な、折り紙・ピザ・ケーキなどを使って、説明していきます。実際に、折ったり切ったりできるものなので、「同じ大きさに切る」と言う場面を、2年生でもイメージしやすいです。

1/4(よんぶんのいち)、1/8(はちぶんのいち)

1/2(にぶんのいち)をさらに半分にすると、元の大きさの1/4(よんぶんのいち)になります。それをさらに半分にすると、元の大きさの1/8(はちぶんのいち)になります。
2年生の「分数」では、この1/8(はちぶんのいち)まで学習するのが一般的です。

個数ものにも、分数を使ってみよう

折り紙やピザとは違う、“個数もの”も例に挙げて考えます。算数の教科書では、お菓子やいちごなど、2年生が数える可能性のありそうなものを例に挙げています。
例えば「12個のチョコレートの1/3(さんぶんのいち)は?」のような問題です。12個を3等分すると、その1つ分は4個になりますよね。まだわり算を習っていない2年生、“分ける”という考え方に慣れていない子もいるかもしれません。下の2つのような、パズルみたいな分け方も間違いではありません。ただ、数が大きくなると数えにくくて混乱しやすくなるかもしれません。

1年生や園児さんでもチャレンジできる! おうちで分数トレーニング

ここからは、日常生活の中でできる、分数トレーニングをご紹介します。分数の学習真っ最中の2年生はもちろん、1年生や園児さんにもおススメです。

「お姉ちゃんのほうが、大きくてずるい!」を体感

きょうだいで又はお友達同士で、おやつを半分こするときによくあるのが、「そっちのほうが大きい!ずるい!」というやりとりですよね。
大人は同じように分けたつもりでも、隣の芝生は青く見えるようで…。ただ、この「ずるい!」という感覚の背景には「どちらかが大きいのはずるい。ぴったり同じ大きさじゃなきゃ!」という想いが隠れています。
「同じ大きさに分ける=等分すること」の大切さを実感できる機会です。「そうだね、同じ大きさにするのが大切だよね」と言葉にしながら取り分けてあげると、その意識がさらに高まりますね。

同じ大きさ・同じ数ずつ分ける

次のステップは、お子さん自身が、“同じ大きさ・同じ数”に分ける体験をすることです。例えば、画用紙を半分に切る、いちごやクッキーを人数分に分けるなど、実際にお子さんが手を動かしながら作業すると、良いですね。

“1/2”を見つけたら、話題にしてみよう

実は、分数はご家庭の中にもあるかもしれません。食品や調味料の「カロリー1/2」や、計量カップにも「1/2」という表記がありますよね。
そんな表記を見つけたら、「これで にぶんのいち って言うんだよ」と話題にしてみると、興味を持つかもしれません。その後、お子さんといっしょにスーパーに行くと「分数」を探してきょろきょろする子もいるそうですよ。

“同じ大きさに分ける”がポイント

ママ・パパ世代の時には、小3や小4で学習していた内容ですが、2年生でも無理なく学べるようになっているので、安心して見守ってあげましょう。

筆者が小学校で「分数」の授業をしたとき、理解度の差は「同じ大きさに分ける」だと感じました。「同じ大きさに分ける」を意識できている子にとって、2年生の「分数」はさほど難しくないようです。むしろ、「え?分数のお勉強ってこれだけ?」という感想を持つ子が多いほど。
しかし、「同じ大きさに分ける」という意識が定着しない子、「同じ大きさに分ける」経験がない子にとっては、なかなか難しいと感じるようでした。普段の生活の中で身につけた感覚が、こうやって学習に生かされていくのですね。

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構成・文/yurinako

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