顔のたるみの原因は?
「顔がたるむ」という言葉を耳にすることがありますが、これは「顔の筋肉の衰え」が原因のひとつです。
地球には重力があり、あらゆる物質は下へ引っ張られています。顔にも同様に、常に重力が働いています。顔の筋肉が衰えるということは、重力に逆らう力を失っているということです。「顔のたるみの原因=顔の筋肉の衰え」とまずは知っておきましょう。
顔のむくみ
「朝起きたら顔がむくんでいる」という悩み持つ人は少なくありません。なぜ顔がむくむのでしょうか。主な原因は「水分の滞留」です。
・塩分の摂りすぎ
・アルコールの飲みすぎ
これらは水分の正常な代謝を妨げる原因となります。実際に、塩分やアルコールをたくさん摂取した翌日は顔がむくんでしまった、という経験がある人は多いでしょう。
以下に顔のむくみの解消方法をご紹介します。
・顔のマッサージ
・小まめに水分を摂取する習慣
・減塩された食生活
・お酒はほどほどに
顔のマッサージで筋肉を動かし、リンパの流れをよくしましょう。むくみはリンパの流れが滞ることで起こりやすくなりますが、マッサージすることで改善することが可能です。
また軽いむくみであれば、水分不足が考えられます。水分は多すぎても少なすぎてもむくみの原因になります。適量の水分が体内にめぐるよう、水分はこまめに摂取するようにしましょう。
また水分の調整にかかわる「ミネラル」「ビタミン」をしっかり摂取するようにしましょう。これらの成分が含まれているキュウリ、バナナ、昆布、肉、魚、豆類、穀類などを積極的に食べるのがおすすめです。
生活面では、入浴は浴槽でしっかりと体を温めること、仕事の合間に軽いストレッチを行うこと、しっかりと睡眠をとることなどを意識するようにしてください。むくみにくい体質を作ることを、日ごろから意識していきましょう。
脂肪の増加
「顔太り」ともいわれる、顔の脂肪の増加。体質によって脂肪が付きやすい人、そうでない人がいますが、総じて原因はお腹回りと同様に「食生活」「運動不足」です。
顔に脂肪がつくと顔が大きく見えたり、二重顎になったりします。また顔には「皮下脂肪層」という、血管や神経が極端に少ない部分があります。そこに脂肪がつきやすく落ちにくい傾向があります。
顔太りが気になり始めたら、早い段階で対策することをおすすめします。食生活の見直し、適度な運動、体温を高く維持することによる代謝向上、リンパマッサージなど、お腹回りなどに行うのと同じような対策を、顔にも施すようにしましょう。
5つの顔の筋肉の特徴を知ろう
まずは顔を構成する筋肉の、部位別の特徴を知りましょう。
①前頭筋(ぜんとうきん)
前頭筋は、顔の表情筋に該当します。 眉間にしわを寄せたり眉を上下させたり、目を大きく開いたり瞑ったりする時に使う筋肉です。 前頭筋の衰えは、皮膚のたるみや額の皺などの原因になります。
②眼輪筋(がんりんきん)
眼輪筋は、目の周辺を覆っている円盤状の筋肉で、主に目を開閉する時に使う筋肉です。 眼輪筋が正常に発達しているかは「目に必要な水分が供給され続けて潤っているか」という点で確認できるため、そうでない状態の場合は医師の診断を受けてください。額に力を入れて目を開けていると、眼輪筋が衰える原因になるため気をつけましょう。
③大頬骨筋(だいきょうこつきん)
大頬骨筋は、唇の周辺にある筋肉です。 口角を上に引き上げる役割を持っていて、円滑な発音をするためにも重要な筋肉です。引き締まった口元を維持したい場合は、大頬骨筋の筋肉をしっかり維持する必要があります。大頬骨筋の衰えは口角が下がることに繋がり、老けた印象を与えます。
④口角挙筋(こうかくきょきん)
口角挙筋は別名「犬歯筋」とも呼ばれる筋肉です。上顎の犬歯周辺から上方向へ向けて、小鼻の周辺までを口角挙筋と呼びます。大頬骨筋と同様に口角を上げる働きがあるため、衰えには気をつけたい筋肉です。
⑤口輪筋(こうりんきん)
口輪筋は口元を円状に囲っている筋肉で、「口を閉じる」「唇を突き出す」役割があります。口元の微妙な表情を作る時によく使われます。他の部位の筋肉と同様に、衰えるとやはり老けた印象を与えます。
表情筋を鍛える方法
上述したように、顔にはさまざまな筋肉があります。表情筋が衰えるということは、顔の筋肉を失っていくことに等しいのです。そのため早い段階で表情筋のトレーニングを行い、衰えを防ぐ必要があります。
ここからは、表情筋のトレーニングや心掛けたいことを紹介します。
①あいうえお体操
あいうえお体操は「あいうえお」と発声するシンプルな表情筋トレーニングです。メリットはどこででもできることです。仕事の休憩時間や公園でのんびりしている時、散歩中などにもできます。「ながらトレーニング」ができますから、ぜひ気軽に取り入れてみてください。
やり方は簡単で、単に「あ、い、う、え、お」の口の形を作るだけです。発声することが難しい状況の場合は、形だけ作るトレーニングでもかまいません。状況が許すなら、少し大きめの声を出すことで筋肉に振動を与えることができます。
また、大げさに口を開けることもポイントです。ライフスタイルによっては、口を動かすことが少なくなってしまう人もいます。それが続くと表情筋が衰えていくため、あいうえお体操を積極的に取り入れるようにしましょう。
②スマホを見続けない
現代病といっても過言ではない「スマホいじり」ですが、その最中はほとんど表情筋を使うことがありません。スマホいじりを続ければ、表情筋が衰えていくことは必至です。スマホの見過ぎには注意しましょう。
③歯ブラシ・エクササイズ
歯磨きをする時は、口をいろいろな形にします。それはまさにきちんと表情筋を使っている状態といえます。歯磨きの時に大げさに口を動かすことで、特に口角の筋肉を刺激することができます。ただ歯磨きをするのではなく、表情筋を意識して磨くようにしてください。
④よく噛む
食べ物をよく噛むことは、口周りの筋肉を鍛えることにつながります。噛みすぎると顎の筋肉が発達してエラが張るという声もありますが、普通に飲食する程度ならエラが張るほどに筋肉が発達することはありません。程よく引き締まった口周りと顎のラインを維持するために、よく噛んで食べるようにしてください。無糖のガムもおすすめです。
⑤たくさん笑う
たくさん笑う人が若く見える理由は、明るいイメージがあるだけではなく、表情筋がよく発達しているからです。笑うことが美しい顔の維持につながるなら、タダでできるお得な表情筋トレーニングといえます。積極的に取り入れていきましょう。
鍛え方に注意
表情筋は言葉通り「筋肉」です。筋肉を鍛えると、部位特有の盛り上がりや肥大をみせることがあります。そのため、表情筋に過大な負荷を与えるようなトレーニングは避けましょう。「維持」を意識してトレーニングするようにしてください。
顔の筋肉を鍛えていつまでも若々しく
顔の筋肉を鍛えることは、人生を明るくするトレーニングといっても過言ではありません。若々しいイメージを与えることには、メリットしかないのです。いつまでも素敵な笑顔を見せられるように、ぜひ表情筋トレーニングを取り入れるようにしましょう。
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記事監修
ロナロナ クリニック 院長
美容皮膚科医、日本抗加齢医学会専門医。2013年北里大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院にて研修終了後、1日診察人数平均100名以上の都内クリニックにて内科・皮膚科として勤務。2017年5月から2020年6月まで院長として、都内美容クリニックにて勤務。自身の肌荒れの経験から、食事療法や生活習慣の見直しなど、根本的な解決を目指す診察が好評。2019年3月には”女医が教えるシンプルケア“「ラメラの秘密」を幻冬舎より出版。紀伊国屋、ブックファーストをはじめとする各書店で週間ランキング1位を獲得。講演、TV、ラジオ、雑誌、webなど幅広く活躍中。2020年7月より、美容皮膚科と美容院が一体となった「LonaLona CLINIC(ロナロナ クリニック)」を開業、院長就任。現在に至る。