昔は「残さず食べる」 今は…
「うちの子、好き嫌いがあって給食が心配」とか「少食なんです」といったお悩みは保護者会でもよく聞かれます。
昔は「残さず食べる」ことを第一に指導してきました。そのため、「昼休みになっても1人で食べさせられていた」といった辛い思い出をお持ちの親御さんもいらっしゃることでしょう。
けれど、今は食べられなくてもいいのです。子どもたちには「自分が食べきれる量を知ろうね」といった指導を行っています。
具体的には給食当番が均等に配膳してくれたものを、後から増減できるようになっています。自分で量を決めることができ、食べられる量を知ること。低学年はそれが給食のめあてになっています。
嫌いなものは「チャレンジ」として、「少しだけでも食べてみよう」と指導しています。嫌いなものをはじくのではなく、少しでもいいからがんばってみる。一口でも食べられたら、「すごいね!」「意外とおいしい」など、食べられることに自信を持たせるということが大切なのです。
1年生ですと、「半分だけならいけるかな?」というと、がんばろうとします。全部だと戸惑うけれど、「半分」という選択肢を与えると、子どもは動くんです。
嫌いなものに「チャレンジ」はさせますが、強制はしません。人は嫌いなものがあって当たり前。嫌いなものを無理強いしてはいけないというのが、今の教育の基本なのです。
お話を伺ったのは…
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1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2023年2月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子