2024年「仙台七夕まつり」の基本情報
まずは、仙台七夕まつりの日程・開催場所など基本情報を確認していきます。さらに、七夕の夜に運行される、るーぷる仙台「七夕ナイト号」についても簡単に紹介します。
期間は8月6~8日の3日間
2024年の仙台七夕まつりは8月5日の仙台花火大会を皮切りに、8月6~8日の3日間にわたって開催予定です。毎年200万人を超える観光客が訪れる大人気のお祭りです。
華やかな七夕飾りを見られるのは、仙台市中心部にある次の2カ所です。
●中央通り(仙台駅西口から一番丁通りまでの約800m)
●一番丁通り(南町通から定禅寺通までの約900m)
詳細は公式ホームページでご確認ください。他にも、市内の商店街などで笹飾りを見られます。
るーぷる仙台「七夕ナイト号」を利用しよう
「るーぷる仙台」は1周約80分で仙台の名所をぐるっと巡る、仙台市観光シティループバスです。通常期間は16:00で終了しますが、仙台七夕まつり開催中は「七夕ナイト号」として夜間も運行されます。
仙台駅西口バスターミナル発着で、仙台城跡をはじめ仙台出身の詩人・土井晩翠の晩翠草堂、伊達政宗が眠る国宝・瑞鳳殿(ずいほうでん)などを回ります。
1日乗車券(大人630円・小児320円)を購入すれば、乗り降り自由で仙台の名所を観光できます。仙台七夕まつりの会場への最寄りバス停はいくつかあり、以下のバス停が便利です。
●1番:仙台駅前
●2番:青葉通一番町駅
●3番:晩翠草堂前
●14番:定禅寺通市役所前
●15番:広瀬通駅
※数字はバス停のナンバーです
詳細は以下の公式ホームページをご覧ください。
るーぷる仙台とは|仙台市観光シティループバス「るーぷる仙台」
仙台七夕まつりの意味と歴史
仙台七夕まつりは、伊達政宗の時代から続く伝統あるお祭りです。歴史と意味を見ていきましょう。
七夕まつりとは
日本で行われている多くの夏祭りは神を送る行事ですが、七夕は神を迎える行事です。旧暦の7月7日に笹を刈って七夕の飾り付けを行い、翌日8日には川に流したというお祭りです。七日盆ともいい、盆祭に入る前の禊(みそぎ)の意味があったといいます。
旧暦の7月7日は現在の暦では8月にあたることから、仙台の七夕まつりは8月6~8日に行っています。現在の7月7日は梅雨の最中であることも多く、織姫と彦星の伝説にそぐわないというのも理由の一つです。
伊達政宗の時代から
古くは、戦国武将で仙台藩祖・伊達政宗の時代から、七夕まつりが行われていたようです。政宗は七夕まつりが女性や子どもの教育によい影響があると考え、庶民に奨励しました。政宗自身、七夕に関する歌を8首詠んでいることからも、関心の強さがうかがえます。
江戸時代に入ると、七夕まつりは庶民の間に広まりました。しかし、1872(明治5)年の明治維新で新暦が採用されると、徐々に衰退していきます。さらに、第一次世界大戦後の不景気で、人々の七夕まつりへの関心は薄れていきました。
仙台七夕まつりが復活したのは、1927(昭和2)年です。商家の有志による仙台商人の心意気が、七夕まつりを復活させました。華やかに復活した七夕飾りは多くの人々を喜ばせ、翌年からは8月6~8日の日程で行われるようになります。
七夕の願いごと
幼いころに、七夕に飾る短冊に願いごとを書いた人は多いのではないでしょうか。七夕は織姫と彦星が年に一度だけ再会できる日です。
織姫と彦星の伝説が始まり
昔々、織姫と彦星という恋人たちがいました。二人は仲がよすぎて仕事を怠けるようになったので、神様が二人を天の川の両岸に引き離してしまいます。
それでも、二人は会いたくてたまらずに再会を願い続けていました。熱意が届き年に一度だけ会うことが許された日が、七夕の夜です。このような織姫・彦星の伝説がもとになった七夕まつりでは、短冊に願いごとを書いて飾るのが習慣になりました。
この伝説は中国の民間伝承がもとになっており、七夕まつりは別名・星祭(ほしまつり)ともいいます。天の川を挟む夏の大三角形(ベガ:織姫星、アルタイル:彦星、デネブ:二人の橋渡し役をする白鳥座の星)を眺めながら、願いごとをしてみてもよいでしょう。
「七つ飾り」に込められた願い
七夕まつりの笹飾りには、七つの種類があります。七つ飾りには一つひとつ意味があるので、それぞれ確認してみましょう。
●吹き流し:笹飾りの主役 機織りや技芸上達
●巾着:節約・商売繁盛
●投網:豊作・豊漁
●紙衣:厄除け 病気・災難
●折り鶴:健康長寿
●屑篭:清潔・倹約の心
●短冊:学問・書の上達
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仙台七夕まつりの食べ物
多くの日本のお祭りでは、伝統的な食べ物を供えたり、みんなで食べたりするのが習慣です。仙台七夕まつりではどのような食べ物があるのでしょうか。
伝統的な食べ物
仙台七夕まつりで有名なのは、天の川の流れる様子や機織りの糸に見立てた「五色(ごしき)そうめん」です。五色の短冊にちなんで、五つの色で表現されます。
もう一つの伝統的な食べ物は「かりんとう」です。かりんとうは、唐から伝わった索餅(さくべい)という小麦粉と餅粉を練ってひねり揚げにした七夕のお菓子によく似ているということで、七夕に食べられるようになったとされています。索餅は奈良県では「麦縄」と呼ばれ、今でも七夕の食べ物です。
おまつり広場の仙台グルメ
仙台七夕まつりの期間には、勾当台(こうとうだい)公園市民広場で現代の仙台グルメが味わえます。夏が旬の三陸の「岩牡蠣」は、生でも牡蠣飯でも食べられる人気グルメです。
また、仙台のご当地グルメといえば「麻婆焼きそば」で、焼きそばに麻婆豆腐をかけて食べます。香辛料の効いた麻婆焼きそばで夏バテしない体力を維持しましょう。
さらに、暑い日にはずんだ餅ならぬ「ずんだシェイク」がおすすめです。「ずんだ茶寮」のシェイクを片手に散歩するのも楽しいでしょう。ただし、七夕会場では食べ歩きが禁止されているので注意が必要です。
家族で「仙台七夕まつり」を楽しもう!
七夕まつりの起源はお盆を迎えるための禊であり、織姫と彦星の伝説から、年に一度だけ願いがかなう日とされています。仙台七夕まつりは、明治以降振るわなくなっていましたが、昭和に入って商店主たちの奮起で勢いを盛り返しました。
2024年の仙台七夕まつりも、開催が予定されています。七夕まつりの主役である七つ飾りのそれぞれ意味や、ご当地グルメなど、事前に詳細を確認してから出掛けることで、より祭りを楽しめるでしょう。
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構成・文/HugKum編集部