2023年の七夕はいつ?伝統的七夕の日付や由来、各地のイベント、短冊の意味まで解説

年に一度だけ会える織姫と彦星。日本には季節の行事がいろいろありますが、七夕はロマンチックだと思いませんか?当記事では、2023年の七夕はいつなのか、七夕はいつから始まったのかなど、七夕の由来や歴史をご紹介します。また、「織姫と彦星」の七夕ストーリーをはじめ、七夕とはどんな行事で何をするのか、 七夕の短冊や笹竹はいつからいつまで飾るのか、 それらの色や飾りの意味を解説。さらに、七夕の短冊や飾りのおすすめ商品もチェックしてみました。

2023年の七夕はいつ? 7月7日じゃないの?

七夕は「星祭り」とも呼ばれ、旧暦(太陰太陽暦)の7月7日に行われてきました。現在使っている新暦(太陽太陰暦)にすると、2023年の七夕は8月22日です。

国立天文台では2001年から旧暦の七夕を「伝統的七夕」として報じています。少しややこしくなりますが、二十四節気の処暑の日かそれより前で、処暑に最も近い新月を含む日から数えて7日目が「伝統的七夕」の日となります。

国立天文台によると、伝統的七夕の日あたりは一般的に梅雨が開けた後であり、晴れになる確率が高く、月は夜10時過ぎには沈み、天の川がよく観察できる条件が整うのだそうです。新暦の七夕よりも、旧暦の七夕の時期の方が、天の川がきれいに見えるようですね。

七夕はいつから始まった?

七夕はもともと中国の行事で、今では日本・韓国・台湾・ベトナムなどに広がっています。

日本には奈良時代に伝わったとされています。

平安時代の宮中行事

平安時代には、七夕は宮中行事として行われるようになりました。

お供え物として、もも、なし、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなど並べ、貴族たちは星をながめて歌を詠んだそうです。女性たちは針に5色の糸を通して供え物と一緒に並べ、裁縫が上手になるようにと祈ったようです。

また、願い事を梶の葉に書いたという記録もあり、これがその後、短冊に願い事を書く習慣になったといわれています。

江戸時代には庶民の行事に

宮廷では一年を通して、さまざまな行事が行われてきましたが、江戸時代になると幕府がそのうちの5つを「五節句」として式日に定めました。

七夕(たなばた)は「七夕の節句(しちせきのせっく)」として五節句の一つとなり、庶民の間にも広まっていきました。ちなみに他の4つは、人日(じんんじつ):1月7日、上巳(じょうし):3月3日、端午(たんご):5月5日、そして重陽(ちょうよう):9月9日です。

それぞれ七草の節句、桃の節供(ひな祭り)、端午の節句(こどもの日)、菊の節句として知られています。

七夕の由来

七夕の由来
七夕の由来

七夕の由来といえば、「織姫と彦星」の伝説が有名ですが、実はそれを含めて、3つの説があります。

「織姫と彦星」

こと座のベガとわし座のアルタイルは、天の川を挟んで並び、七夕の頃、夜空でひときわ輝きます。

中国の人はいつしか、七夕を年に一度、ベガ(織姫)とアルタイル(彦星)が出会える日と考え、「織姫と彦星」のストーリーが生まれました。その内容についてはこの後にお伝えしますね。

日本の神事「棚機(たなばた)」

中国から七夕が伝わる前、日本ではすでに7月7日は別の行事が行われていました。それが「棚機(たなばた)」「棚機津女(たなばたつめ)」と呼ばれる行事です。

秋の豊作を神様に祈るために、若い女性が選ばれ、水辺に小屋を立てて、そこにこもって、神様に備える布を織りました。

このときに使ったのが「棚機」と呼ばれる織り機です。いつしかこの棚機の行事が、次に紹介する中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」や織姫の話と融合していったようです。

中国の宮中行事「乞巧奠(きこうでん)」

中国では古くからベガ(織姫星)は針仕事を司る星とされてきました。一方、アルタイル(彦星)は農業を司る星です。

乞巧奠(きこうでん/きっこうでん)は、中国で7月7日の夜に行われた宮中行事。女性たちは織姫星に手芸や裁縫、機織りの上達を願いました。

この儀式が日本に伝わり、平安時代には宮中や貴族の間に広がりました。

「織姫と彦星」の七夕ストーリーを簡単に解説

天の神様には「織姫(おりひめ)」という娘がいました。織姫は、毎日毎日、機織り機の前に座って、美しい布を織っていました。

神様は毎日熱心に仕事をする娘が自慢でしたが、お化粧をしたり、着飾ったりしない娘のことが少し心配になり、娘にピッタリの結婚相手を探すことにしました。

神様が地上の若者を探していると、一生懸命、牛の世話をする一人の若者がいました。「彦星」です。二人は結婚すると、とても仲良く暮らしました。

ところが、しばらくすると二人は仕事をしないで遊んで暮らすようになってしまいました。織姫が機織りをしないため、天の服は足りなくなり、彦星が牛の世話をしないため、牛たちはやせてしまいました。

神様が注意しても、二人は言うことを聞きません。怒った神様はとうとう、織姫を天の川の西側に、彦星を東側に引き離してしまいました。

離れ離れになった二人は悲しむばかり。これには神様も困ってしまい、二人に、「毎日、一生懸命仕事をするなら、年に一度、7月7日だけ会わせてあげる」と約束しました。

こうして二人はまた一生懸命仕事をするようになり、毎年7月7日の夜だけ、会うことができるようになりました。

七夕とはどんな行事?何をするの?

七夕といえば、願い事を書いて笹竹に吊るのが習わしですが、そもそも七夕ではどんなことが行われるのでしょうか?

短冊に願い事を書いて笹竹に吊るす

七夕は、中国の宮中行事だった「乞巧奠(きこうでん)」が日本に伝わり、日本古来の「棚機(たなばた)と融合し、宮中や貴族の女性たちが針仕事の上達を願って、織姫と彦星に祈る行事となりました。その時、笹や竹はお供え物として捧げられました。

それがいつしか宮中で、梶の葉に和歌を書き、書の上達を願う風習とも合わさり、短冊に願い事を書いて笹竹に吊るすようになりました。

各地で七夕祭りやイベントが行われる

2022年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止や規模を縮小して行われていた七夕まつりですが、2023年は3年ぶりに開催する地域がたくさんあります。イベント情報チェックしてみましょう。

特に、「仙台七夕まつり」(宮城県仙台市)、「湘南ひらつか七夕まつり」(神奈川県平塚市)、「おりもの感謝祭 一宮七夕まつり」(愛知県一宮市)は、日本三大七夕まつりと呼ばれます。

日本三大七夕まつり

仙台七夕まつり(宮城県仙台市)

最も規模が大きいのは「仙台七夕まつり」で、毎年、200万人以上の人で賑わいます。

開催日時:2023年8月6日(日)~8月8日(火)

開催場所:仙台市中心部および周辺の地域商店街

詳細は「東北のまつり(東北六県商工会議所連合会)」をチェック>>

湘南ひらつか七夕まつり(神奈川県平塚市)

日本一といわれる大型の七夕飾りの掲出を主体としたお祭りです。

開催日時:2023年7月7日(金)~7月9日(日)

開催場所:JR平塚駅北口商店街を中心とする市内全域

詳細は「[公式]湘南ひらつか七夕まつり(湘南ひらつか七夕まつり実行委員会)」をチェック>>

おりもの感謝祭 一宮七夕まつり(愛知県一宮市)

昭和31年に始まった一宮七夕まつりは夏の最大イベントとして100万人を超える人出でにぎわいます。

開催日時:2023年7月27日(木)~7月30日(日)

開催場所:市内一円

詳細は「【公式】一宮七夕まつり~おりもの感謝祭~(おりもの感謝祭一宮七夕まつり協進会事務局)」をチェック>>

関東三大七夕まつり

「湘南ひらつか七夕まつり」、「茂原七夕まつり」(千葉県茂原市)、「狭山市入間川七夕まつり」(埼玉県狭山市)の3つを関東三大七夕まつりと呼ぶこともあります。

茂原七夕まつり(千葉県茂原市)

開催日時:2023年7月29日(土) 10:00~21:00、7月30日(日) 10:00~20:00

詳細は「茂原七夕まつりオフィシャルサイト(茂原七夕まつり実行委員会)」をチェック>>

狭山市入間川七夕まつり(埼玉県狭山市)

開催日時:2023年7月29日(土) 12:00~21:00、7月30日(日)12:00~20:00

開催場所:狭山市駅西口・市民広場から七夕通り商店街を中心とした沿道

詳細は「狭山市入間川七夕まつり(狭山市役所)」をチェック>>

その他の七夕まつり

その他、「能代七夕・天空の不夜城」(秋田県能代市)、「下町七夕まつり」(東京・浅草)、「阿佐ヶ谷七夕まつり」(東京都杉並区)、「小川町七夕まつり」(埼玉県小川町)、「安城七夕まつり」(愛知県安城市)、「京の七夕」(京都府京都市)など、各地で七夕まつりが開催されています。

能代七夕・天空の不夜城(秋田県能代市)

開催日時:2023年8月2日(水)~8月3日(木)

開催場所:秋田県能代市上町国道101号線、能代市役所~通町交差点付近

詳細は「TENKU FES 2022 | – 能代七夕 天空の不夜城(能代七夕 天空の不夜城 協議会 事務局)」をチェック>>

下町七夕まつり(東京・浅草)

開催日時:2023年7月6日(木)~7月10日(月)

開催場所:かっぱ橋本通り(昭和通りから国際通りまでを結ぶ通り)

詳細は「下町七夕まつり(台東区役所)」をチェック>>

阿佐ヶ谷七夕まつり(東京都杉並区)

開催日時:2023年8月4日(金)~8月8日(火)

詳細は「阿佐谷パールセンター商店街」をチェック>>

安城七夕まつり(愛知県安城市)

開催日時:2023年8月4日(金)~8月6日(日)

開催場所:安城市市街地一円

詳細は「安城七夕まつり 公式サイト(安城七夕まつり協賛会)」をチェック>>

京の七夕(京都府京都市)

2023年も開催予定ですが、詳細の発表はまだ行われていません。

詳細は「京の七夕|京都の夏の風物詩「京の七夕」(京の七夕実行委員会事務局)」をチェック>>

小川町七夕まつり(埼玉県小川町)

開催日時:2023年7月29日(土)、7月30日(日)

詳細は「小川町七夕まつり(小川町観光協会)」をチェック>>

七夕の短冊や笹竹はいつからいつまで飾る?

七夕は、7月7日に年に一回だけ会うことが許された織姫と彦星の伝説がもとになっています。なので、七夕の短冊や笹竹は「一夜飾り」つまり、前日の6日の夕方に飾り、7日には片付けるのが本来の飾り方。ですが、今ではあまり気にしないという人も多いようです。

七夕の短冊の色や飾りの意味

願い事を書く七夕の短冊は通常、5色があります。その色や短冊以外の飾りにそれぞれ意味があることをご存じでしたか?

短冊を笹竹に飾る由来

七夕が庶民にも広がり、短冊に願い事を書いて笹竹に吊るすようになったのは江戸時代のようです。寺小屋が増え、習いごとをする子供が増えたことも影響しているようです。

もともとは字が上手になることを祈ったのですが、いつの間にかいろいろな願い事を書くようになりました。

短冊の色の意味

童謡「たなばたさま」の2番は、「五しきのたんざく」から始まります。短冊には5つの色があり、それぞれの色には意味があります。

古来、中国では世の中は「木・火・土・金・水」の5つの要素からできているという考え方「陰陽五行説」があります。この5つの要素にそれぞれ「青・赤・黄・白・黒」の色が定められています。平安時代の貴族の女性たちが、針に5色の糸を通して裁縫が上手になるようにと祈ったと前述しましたが、その糸の色にも陰陽五行説が採用されていたようです

短冊としては、黒は後に紫に代わり、青は緑が使われることもあります。また5色は人間の5徳を表しており、それぞれの次のような意味があります。

青(緑)

仁(徳を積むこと)

礼(父母や祖先を敬うこと)

信(友達を大切にすること)

義(約束を守ること)

智(学問に励むこと)

七夕飾りの意味

七夕には、短冊のほかにもいろいろな飾りがあります。

折鶴(千羽鶴)

長生きを祈る

吹き流し

裁縫が上手になることを祈る

網飾り

魚をとる網を意味し、豊漁を祈る

巾着(財布)

金運を祈る

神衣・紙衣

紙で作った人形で「かみこ」と読みます。着るものに困らないことを祈るとともに、災いごとの身代わりになってもらいます。

くずかご

整理整頓や節約の心を身につけることを祈ります。

年に一度の七夕を家族で楽しもう

今年は各地の七夕まつりは中止のところが多いようですが、ぜひご自宅で七夕を楽しんで見てください。家族みんなで短冊に願い事を書いて、2022年の後半も元気で過ごせるようお祈りしましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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