実用本やホビー本からも語彙力がアップ!
実用本やホビー本だからといって国語力がつかないというわけではありません。
国語力には、読解力や聴解力、表現力などさまざまな能力が必要とされていますが、これらの本からも国語力の基礎を成す語彙力を高めることができます。
実用本からも文字を読む楽しさを知ることができるので、読書好きになるきっかけの本としても役立つでしょう。
幅広い本を読むことが、新たな学びのチャンス!
とはいえ、幅広いジャンルの本を読むことで、語彙力以外の国語力を育むことができます。
物語を読んで読解力を深めるには、文学や小説を読むのが効果的です。登場人物の心情や情景描写を相手の心に響く文章で表現されており、それらの文章を読み取り、理解しながら、読解力や表現力を育むことができます。また、ストーリーの状況や登場人物の気持ちを思い浮かべながら読むことで、想像を膨らます力も身につけることができます。
さまざまなジャンルの本を読むことは、新しい力を習得する機会となりますが、やはり、お子さんが自分ひとりで選ぶ本には偏りがでてしまいがちです。そんな時は焦らずに、後述する3つのステップを踏んでしっかりと読書習慣をつけていくと、自ずと幅広いジャンルの本を読めるようになります。
焦らなくても大丈夫!好きな本をたくさん読むことから始めてみよう
読書をするうえで大切なのは、お子さんが本を楽しんで読んでいるということ。無理して興味がない本を読ませてしまうと、本が嫌いになってしまうことも。まずは、子どもが楽しんで読む本をとにかくたくさん読むことから始めてみましょう!
①楽しく→ ②たくさん→ ③幅広く の3ステップで誰もが読書好きに
文学や小説、難易度の高い本など幅広いジャンルの本を読むようになるには、まずは本を楽しむことがファーストステップ。
楽しく本が読めるようになったら、好きな本をとにかくたくさん読んでいきましょう。「うちの子は、同じような本しか読まない…」という場合は、本をたくさん読めていないケースがよくみられます。
①~③のステップを順番にこなしていくのがカギとなるので、順序が逆にならないように注意が必要です。楽しくないのにたくさん読ませたり、たくさん本が読めていないのに幅広いジャンルにチャレンジしてしまうと、本を読むことに抵抗感をもってしまいます。焦らずにそれぞれのお子さんのペースとタイミングを見計らってステップアップしていきましょう。
興味のあるトピックを題材にした文学や小説を選んでみよう!
読書習慣が身につき、たくさんの本を読めるようになったら、少しずつ幅広いジャンルの本に挑戦してみましょう。
いきなり違うジャンルの本ばかり読んでしまうと、読書が楽しくなくなってしまうことがあります。10冊の自分が選んだ好きな本のうち1冊だけ小説に変えて読んでみるといったように、好きな本を読みながら少しずつ新しいジャンルの本にもチャレンジするのがおすすめです。
また、新しいジャンルの本を選ぶときは、挑戦したい次のジャンルの本との間の本を選んであげて、今読んでいる本と繋げてあげるのがポイントです。お子さんが好きなものを題材にしているものや、好きな本のストーリー展開と似ている本を選んであげると、子どもが興味を持つようになります。
例えば、ポケモンが好きなお子さんが小説を読むのに挑戦する場合、冒険して仲間を増やしていくような内容の小説を選んであげ、「この物語は、ポケモンと似ているお話みたいだよ」などと紹介してあげると、子どもは「それなら読んでみたい!」と思えるようになるでしょう。
なかなかぴったりな本が自分では見つけられない場合は、図書館のレファレンスサービスを活用して、新しい本を紹介してもらうのもおすすめです。オンラインサービスをしている自治体もあるのでぜひ近所の図書館を調べて、たくさんのおもしろい本を見つけて読んでみてください!
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◆お話を伺ったのは…
教育に読書を取り入れる分野で第一人者の澤田英輔氏の指導を受ける。英語多読講師の経験も活かし、大学在学中の2020年4月に中学以来の友人と「Yondemy」を起業。「子どもの読書離れ」という課題の解決に向けて、同年12月にオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。2年間で累計3500人以上の会員登録者数を誇る。
文・構成/HugKum編集部