「かるかん」ってどこの銘菓? ふわふわ食感の秘密は山芋? お取り寄せのおすすめ5選

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「かるかん」というお菓子を知っていますか。かるかんは、鹿児島県の銘菓として知られています。この記事ではかるかんにスポットを当て、歴史や由来、特徴などについて解説していきます。また、作り方やおすすめのかるかんもご紹介します。

「かるかん」とは

かるかんは、山芋、上新粉の一種であるかるかん粉、水を使って作られる、蒸した和菓子です。

どこで食べられている?

かるかんは、鹿児島県内全域で食べられているお菓子です。また、鹿児島県のほかにも、福岡県や大分県別府市、沖縄県でも食べられています。最近では、高知県香美市の新土産としてかるかんを販売しています。

いつ、どんなときに食べる?

かるかんは、かつては大名家の冠婚葬祭の席で食べられていました。そのため、鹿児島県や沖縄県では、今でも冠婚葬祭の引き出物に使われています。また、おやつや間食としても食べられています。

そのほか、自然薯の旬である秋から冬は「軽羹の旬」とも呼ばれることもあり、採れたての自然薯を使ったかるかんを食べることができます。

伝統ある和菓子としての「かるかん」

歴史

かるかんのはじまりには諸説あります。有力な説のひとつが、江戸時代の薩摩国(現在の鹿児島県)で生まれたという説です。薩摩藩の第11代藩主であった島津斉彬(しまづなりあきら)が、保存食の研究のために、明石出身の菓子職人・八島六兵衛(やしまろくべえ)を江戸から招聘。八島によって考案されたというものです。

鹿児島で根付いた理由には、鹿児島の大部分がシラス台地で、自然薯が多く自生していたことと、奄美地域や琉球から砂糖が入手したすかったことといわれています。当時は、砂糖は貴重なものだったため、かるかんは主に大名家で食べられる「殿様菓子」でした。庶民に広まったのは明治時代に入ってからと考えられています。

由来、言い伝え

「かるかん」という名前の由来は、「軽い羹(羊羹)」という意味からきています。そのため、漢字では「軽羹」と書きます。これには、「蒸す前よりも重量が軽くなるため」や、「見た目が羊羹に似ていることから」という説があります。

かるかんの特徴

かるかんの特徴

かるかんの見た目や味、栄養効果といった特徴を見ていきましょう。

特徴1:見た目は真っ白

一般的なかるかんの見た目は真っ白でふわふわとしています。これは、おもな原材料が自然薯であるためと、空気をたっぷり含んで蒸されるためです。

ただし、最近では真っ白なものばかりではなく、生地にさまざまな食材で色をつけたものもあります。なかでもピンク色のかるかんは、白いかるかんとともに結婚式の引き出物に使われるそうです。

特徴2:上品な甘みとコクが感じられる味わい

かるかんの味は、素朴ながらも上品な甘みとコクが感じられます。癖がなく、やさしい風味なので、子どもから年配の方まで、だれもが親しみやすい味わいです。

特徴3:免疫力アップや疲労回復などのうれしい効果が

かるかんのおもな原材料は自然薯や山芋です。自然薯や山芋には、免疫力アップや疲労回復効果、滋養強壮効果があるといわれています。

かるかんと見た目が似ているお菓子

ここでは、「かるかん」と「かるかん饅頭」の違いや、地域での違い、形や種類について解説していきます。

違い1:「かるかん」と「かるかん饅頭」の違い

かるかんの違い
あんこが中に入っていて丸いのが「かるかん饅頭」

かるかんの生地を使った和菓子に「かるかん饅頭(まんじゅう)」があります。このかるかん饅頭は、あんこをかるかんの生地で包んだものです。

かるかんとの違いは、あんこが入っているかどうかです。ただし、あんこが入ったものでも単に「かるかん」という場合もあるようです。また、かるかん饅頭は丸いおまんじゅうの形をしているのも特徴です。

違い2:「かるかん」と「薯蕷饅頭」の違い

薯蕷饅頭
薯蕷饅頭

かるかんに似ている和菓子に、「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」があります。

薯蕷饅頭は、原材料に山芋、米粉、水を生地に使い、蒸し上げた和菓子です。かるかんとの違いは、生地に上新粉(かるかん粉)を使うか、米粉を使うかということになります。

違い3:形の違い

巻きかるかん
巻きかるかん

かるかんにはさまざまな形があります。羊羹のように竿状のものもあれば、丸いおまんじゅうのような形のもの、竿状のものを切り分けた四角い形のもの、あんをロール状に巻き込んだ「巻かるかん」もあります。

違い4:沖縄のかるかんはあんこ入り

沖縄でもかるかんが食べられていますが、鹿児島のかるかんとの違いは、なかにあんこが入っているものがスタンダードであることです。

なお、沖縄では紅白のかるかんを結婚式の引き菓子として配ったり、お供え物の定番菓子として用いられています。

違い5:かるかんの種類による味の違い

かるかんはプレーンなものが定番の味わいです。しかし昨今では、よもぎや紫芋、抹茶などの味も登場しています。

また、あんもさまざまで、つぶあんやこしあんはもちろん、梅あん、抹茶あん、たんかんあん、黒ごまあん、さくらあん、カスタードクリームなど、バライティーに富んでいるのも特徴です。

そのほか、絶妙な塩加減の「塩かるかん」や、金時豆が入ったかるかん、栗が入った「栗かるかん」などもあります。

かるかんの作り方

ここでは、かるかんの作り方をご紹介します。作り方は意外と簡単で、生地を混ぜて蒸すだけです。

かるかんはすりおろした山芋を使います

材料

長芋(すりおろす) 100g
上新粉 100g
砂糖 100g
卵白 1個分
水 50ml

作り方

【1】 ボウルに長芋を入れ、砂糖を数回に分けて加えてその都度泡立て器でよく混ぜる。
【2】別のボウルに卵白を入れ、泡立て器で角が立つまで泡立てる。
【3】【1】に【2】を入れ、泡立て器でよく混ぜる。
【4】【3】に上新粉を入れ、ゴムベラでさっくり混ぜる。
【5】【4】に水を数回に分けて加え、よく混ぜる。14×11×4cmの流し缶に入れる。
【6】【5】を蒸気の上がった蒸し器に入れ、中火で20分程度蒸す。
【7】【6】の生地に竹串を刺し、なにもついてこなかったら蒸し上がり。型から外して粗熱を取る。食べやすい大きさに切る。

おすすめのかるかん

かるかんを食べたくなった人のために、ここでは、お取り寄せできるかるかんのおすすめをご紹介します。

津曲食品 鹿児島銘菓 【板かるかん】

 

原材料に上質な山芋と、米粉、グラニュー糖だけしか使っていない本格的な板かるかんです。山芋の風味と、ふわふわの食感を堪能できます。

寿屋  薩摩銘菓  あんなしかるかん 8個入り

 

粗挽きした国産米粉と国産山芋を使い、しっとりと蒸し上げることで艶を帯びた銀白色に。もちっとした食感と、噛むほどに優しい甘味が広がります。

徳重製菓とらや 極上はじまりかるかん 5個入

 

天然の自然薯を使用した本格派の「かるかん」です。しっとりとした食感と良質の原料が醸しだす、上品な風味を味わえます。

九面屋 塩豆かるかん 10個入

 

鹿児島銘菓である「かるかん」に、鹿児島県与論島の海洋深層水より採取したこだわりの塩「星の砂塩」を練りこみ、北海道産の金時豆をトッピングしたのが「塩豆かるかん」です。塩けと甘味が絶妙に調和した、新感覚の味わいをご賞味あれ。

津曲食品 鹿児島銘菓 【巻かるかん】白

梅餡を白かるかんで巻いた逸品。白かるかんのやさしい甘さと梅餡の甘酸っぱさがマッチします。うずまき模様もかわいらしいお菓子です。

かるかんは大名家で食べられていた由緒あるお菓子

真っ白でふわふわのかるかんは、だれもが好きなやさしい味わいの和菓子です。このかるかんは、かつて大名家で食べられる「殿様菓子」だったこともあり、食べれば殿様気分を味わうことができるかもしれませんね。紹介したかるかんをお取り寄せしたり、自分で作って食べてみてはいかがでしょうか。

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文・構成/HugKum編集部

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