十五夜とは
十五夜は、旧暦の8月15日のことです。旧暦は、月の満ち欠けを基準としたもので、現在の太陽を基準にした暦とはずれが生じます。ですので、毎年十五夜は決まった日にちではなく、2023年の十五夜は、9月29日です。
お月見団子の由来
中国から伝わった十五夜の行事は、平安時代から貴族を中心に楽しまれてきましたが、十五夜に月見団子を供える風習は、江戸時代から庶民に定着したと言われています。
米の粉で作った月のような丸い団子を供え、農作物の収穫に感謝し、次の年の豊作を祈願したとされています。お団子は何個飾るのか?ということも諸説あり、15個の地域もあれば、13個の地域も。「これが正解」と決めつけるのではなく、お団子を作ったり飾ったりする過程を楽しんではいかがでしょうか?
お月見団子を作ってみよう!
今回は、「野菜パウダー」を使った三色団子をご紹介します。野菜が苦手な子も、野菜に一歩近づくきっかけにもなったらうれしいです。
お月見カラフル三色団子
材料(15個分)
・白玉粉 100g
・絹ごし豆腐 100g
・水 大さじ2
・かぼちゃ野菜パウダー 4g
・紫いも野菜パウダー 4g
※みたらしのタレ (作りやすい分量)
・醤油 大さじ1
・砂糖 大さじ3
・水 大さじ4
・片栗粉 小さじ1
作り方
① 白玉粉を指先ですりつぶす。
② ①に絹ごし豆腐を入れ、滑らかになるまでよく擦り混ぜる。
③ ②に水を少しずつ加えながら、耳たぶ程度になるまでこねる。3等分にし、器に分ける。
④3つにわけたうちの1つに、かぼちゃパウダー、もう1つに紫いもパウダーを加え、色を付ける。
⑤ それぞれ五等分に分け、丸める。
⑥ 鍋に分量外の水を入れ、沸騰させ、⑤を入れる。
⑦ 団子が浮いてきたら冷水に移し冷ます。
※みたらしのタレの材料を全て鍋に入れ中火にかけよく混ぜ、とろみがついたら火を止め、団子にかける。
子どものお手伝いポイント
① 手先の感覚をじっくり味わってみよう。
白玉粉のかたまりや、豆腐を潰すお手伝いをお願いしてみてください。白玉粉はやや硬いかたまりがありますが、潰すとサラサラになります。豆腐はほんのわずかな力でも潰せますよね。「どんな感じ?」「かたい?」「やわらかい?」「サラサラ?」「ごつごつ?」様々な表現方法があると思います。声をかけながら作業することで、お子さんの意識も手先に集中し、感覚を表現する力や、手巧性を育むきっかけとなります。
② 〇等分に分けてみよう。
2色の色を付けるために、「3等分」や「5等分」にし、丸める工程があります。まずは「2等分ってどういうことだろう?」と「2つ同じ大きさに分けること」というイメージを伝えてみてくださいね。月齢により、3等分が難しい場合には、1つ分は先にママがとり出して、残りを「半分」にしてもらうことをお勧めします。等分の考え方は、小学生でも難しいと感じることがあります。「できた!」が感じられる工夫をぜひ取り入れてみてくださいね。「半分にできたね!」「2等分っていうカッコいい言い方もあるんだよ!」など、できた喜びを共有し、次につながる声掛けができると子どもの笑顔につながりそうです。
③ 野菜パウダーで、野菜を身近に感じて
今回は野菜パウダーを使った月見団子です。野菜パウダーだけで、「野菜が摂れる」とは言えないかもしれませんが、「お野菜だって!色がつくなんておもしろいね!」「おいしく食べられちゃったね!」など、野菜をちょっと身近に感じられるきっかけや、食べられたという自信につなげることができます。かぼちゃ、紫いもの他にも、小松菜できれいな緑色のお団子も良いかもしれません。
行事食が作れないときにはスーパーで「味覚探し」を
今年のお月見は、29日、平日です。平日の夜にお子さんとお団子づくりは、ややハードルが高いような気がします。そんな時には、お迎え帰りにスーパーに寄って「秋の味覚探し」をしてみては。
「秋に食べるとおいしいものってなーんだ!? 探してみよう!」と声をかけると、まるで宝探しのようにワクワクした気持ちに。店頭には、ブドウや柿が並んでいるかもしれませんし、たくさんの種類のきのこに出会えるかもしれません。普段は見かけない栗や、様々な種類のさつまいももありそうです。そして、その帰り道に、一緒にお月様を眺められたらいいですね。
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この記事を書いたのは
出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。興味関心の幅が広い幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。また、「食」から広がる世界は無限大であり、「食」を通し、子どもの探究心に火をつけ学ぶ意欲のある子どもを育てることに注力している。