そもそも「おやき」とは?
長野県を訪れた際に「おやき」を食べた、という方も多いのではないでしょうか。モチモチとした生地に、おかずや甘いもの、様々な中身が楽しめて、とても美味しいですよね。まずはそんな「おやき」とはどんな食べ物なのか、基本知識からチェックしていきましょう。
「おやき」とは、どんな食べ物?
「おやき」とは、小麦粉やそば粉などで作られた生地に、あんこや味付けされた野菜などを包んで焼いたもの。おまんじゅうのような形をしているのが特徴で、信州地方の郷土料理として有名です。
「おやき」の歴史は思った以上に古い!
「おやき」の歴史には諸説ありますが、縄文時代までさかのぼるのだそう。縄文時代中期に、木の実などをすりつぶし、薄くして焼いたものを食べられていたものが「おやき」のルーツだといわれています。その際に使われていたと考えられている土器が長野で出土されています。
「おやき」の魅力は?
「おやき」の魅力は、バラエティーに富んだ具材、食べやすさ、意外とダイエットにもおすすめ、ということがあげられます。
バラエティー富んだ具材
「おやき」の魅力はなんといっても、バラエティー豊富な具材。野沢菜やきんぴら、切り干し大根などのおかず系から、あんこやかぼちゃなどのスウィーツ系まで、さまざまな具を包むことができます。作りすぎたおかずを入れるなど、アレンジも無限。何にでも合うのがおやきの魅力のひとつでしょう。
食べやすい
生地で具材を包んであることから、片手でも食べやすく、おやつやお弁当などにもピッタリです。
ダイエットにもおすすめ
中に入れる具を注意すればダイエット中のご飯にもおすすめ。小麦粉などが使われていますが、パンよりも少量で抑えられ、中身を野菜や豆類などにすれば、栄養バランスがとれたおかずになります。
「おやき」は家庭でも作ることができる
では「おやき」は家庭でも作れるのか? というと、答えは「作れます!」。しかもそんなに難しくありません。作ったことがないという方も美味しい「おやき」を作ることができますよ。
「おやき」の生地には何が使われている?
モチモチとした生地は、中力粉もしくは強力粉と薄力粉に、熱湯を入れて作られています。また本場長野では、そば粉が入っているものも多いそうです。
「おやき」は蒸す? 焼く?
昔は各家庭に囲炉裏があり、囲炉裏の灰の中に表面を焼いた「おやき」を入れ、蒸し焼きにし、灰を払って食べられていたそう。しかし現在、家庭ではフライパンで焼いてから蒸し焼きにして作ることができます。
「おやき」を自宅で作る方法は?
実際に「おやき」を作る手順を紹介していきます。
まずは、「おやき」の中に入れる具材を用意。次に生地を作って焼くというステップです。では一緒に作っていきましょう!
ステップ1:「おやき」の具材を用意
「おやき」の具は、残ったおかずでも何でもOK。水分量を調節すれば、生地で包むことができます。一般的なのは、野沢菜や切り干し大根、なす、あんこなどです。
ここからは「おやき」のおすすめの具材のレシピを2つ紹介します。
◆なす味噌
【材料(6個分)】
・なす… 2本
・しめじ… 1/2パック
・大葉… 3枚
・味噌… 大さじ1
・みりん… 小さじ2
・砂糖… 小さじ2
・醤油… 少々
・ごま油… 適量
【作り方】
1、大葉はみじん切り、しめじは石突きをとって、バラしておきます。
2、なすは2cm角のサイコロ状にカットし、水に晒してアクを抜いておきます。
3、フライパンにごま油を入れ、なす、しめじを炒めます。
4、3がしんなりしたら、味噌、みりん、砂糖、醤油を入れ混ぜます。
5、味が馴染んだら、大葉を入れて混ぜます。
6、汁気がある程度なくなったら完成です。
◆さつまいもバターあん
【材料】
・さつまいも… 200g
・バター… 20g
・牛乳… 大さじ2
・きび砂糖… 20g
【作り方】
1、さつまいもは柔らかくなるまで、茹でるか蒸します。
2、1は熱いうちに潰して、バター。きび砂糖を入れ混ぜます。
3、2に牛乳を少しずつ入れて、なめらかになるまで混ぜて完成です。
ステップ:2「おやき」の生地を作ろう
本記事では、薄力粉と強力粉を使う方法で作ります。中力粉を用いたり、本場信州のようにそば粉を用いても作ることができます。
材料(6個分)
・薄力粉… 100g
・強力粉… 100g
・塩… ひとつまみ
・熱湯… 120cc
・強力粉… 打ち粉用
作り方
1、ボウルに薄力粉、強力粉、塩を入れ菜箸4本を使って混ぜます。
2、1に熱湯を4回に分けて少しずつ入れながら混ぜます。
3、生地の粉っぽさがなくなったら、手でこねていきます。
4、生地がまとまってきたら、ひとつのかたまりにして、布巾やラップなどをかけて30分常温で寝かせます。
5、生地を6等分にして丸めます。
6、まな板などに打ち粉をして、約10cmになるように伸ばします。
7、お好みの具をのせ、つまむように包み、口を閉じれば完成。
ステップ3:「おやき」を焼く
1、フライパンにサラダ油を入れ、作った生地を並べます。
2、弱火で両面に焼き色がつくまで焼きます。
3、2に50ccの水を入れてフタをし、5分ほど中火で蒸し焼きにしていきます。
4、最後にフタを開けて水分を飛ばしたら、できあがりです。
手作り「おやき」の保存には冷凍がおすすめ
作った「おやき」は冷凍保存することができます。一度にたくさん作って冷凍保存しておけば、いざというときに便利です。
冷凍保存方法、解凍方法を見ていきましょう。
作ったおやきの冷凍保存方法
1、おやきは1つずつラップで包みます。
2、フリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存。
3週間~1か月間保存が可能です。
解凍方法
食べる前日に冷蔵庫に移して冷蔵解凍します。電子レンジで温め、そのあとフライパンもしくは、トースターで表面を軽く焼くと香ばしくなるでしょう。
信州名物「おやき」は自宅でも作ることができる
信州名物「おやき」はさまざまな具材を包むことができます。作っておいたおかずや、あんこなど甘いもの、何にでも合うためアレンジは無数に。
また作った「おやき」は、冷凍保存しておくのがおすすめです。食べたいときに解凍すると、いつでも美味しい自家製「おやき」を楽しむことができます。
おかずにもおやつにもなる「おやき」。自宅で作ってみてはいかがでしょうか?
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)