19歳で第一子出産、4児のママでモデルのMALIA.さんが実践!子どもの自己肯定感を育む『魔法のあ・い・う・え・お』とは?

4人の子どもを持つママであり、モデルで実業家のMALIA.さんが、これまでの子育ての体験から学んだことをつづった『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』を出版しました。友人から「親子関係が憧れ!本を出して」と言われるほど、身近な人からも評判のMALIA.流育児。子育て歴22年で学んだことや実践している子育て術を伺いました。

19歳で第一子出産!4児のママ、現在も5歳の末っ子を子育て中

モデル・実業家として活躍するMALIA.さんは、三男一女の4人の子どものママ。19歳で初めての出産を経験し、その長男は今は22歳で、なんと子どもが生まれたばかり。MALIA.さんは孫がいる”グランマ”でもあるのです。
一方で末っ子の三男はまだ5歳で、子育て真っ最中。三男の進学のため、現在は長女と3人でドバイで海外生活を送っています。

子育てにはタイムリミットがある!

――著書『育児育時論』のなかで、子育てにはタイムリミットがあり、15歳でサッカーのための一人で大阪の高校に進学をした長男に対して「たったの15年しか一緒に過ごせなかった」という言葉がとても印象的でした。

MALIA.さん 「子育て中の心積もりとして、子育てにはタイムリミットがあるという言葉を持っておいたらいいと思います。必ずしも15歳で、「はい、家を出ます」とならないことはもちろんある。でも、その子の個性が伸びて、どう活躍していくのがわかるのが早く見積もってそのくらいなんじゃないかな。我が家は4人子どもがいますが、4人中2人は15歳で巣立つ(※長男は中学卒業後に大阪の高校に入学するため単身で大阪へ、長女は15歳で海外留学へ)ということがあったし、自分自身の成長過程を振り返ってもそうだったと思います」

「この子に対してもっとできたことがあったんじゃないかな?」と自分を責めることも

MALIA.さん 「長男が大阪に行くことが決まったときは、夢に近づくことが嬉しい気持ちと応援する気持ちももちろんあったけれど、彼が旅立つまでの半年間は「15年の間にもっとこの子に対してできたことがあったんじゃないかな?」って自分を責めるような、涙が溢れてきちゃうような期間もありました。
でもその時は全力でやっていたのは確か。全力で100メートルを走り続けることはできないから。でも私の体感としては全力で走り抜けてきた。15年っていう時間が私にはあまりにも短すぎました。これは体験しないとわからないことでしたね」

――15歳で家を出ることはなくても、精神面で巣立ったなという感覚もありましたか?

MALIA.さん 「ありました。次男は15歳で家を出なかったけれど、触れ合うというか関わる時間が減って、ちょっと距離ができるような時代がやっぱりあって。急にというよりもじわじわ、だんだんと。ベタベタできたのは生まれて数年間のあの時だけなんだなって」

2010年 愛郁5歳 ありあ3歳 海鈴8歳(『育児育自論』より)

 子どもと向き合うなら交換日記がおすすめ

――「3、4年生ぐらいまでは子どもに手を尽くしてあげたい」という内容がありましたが、忙しいママには難しい場合もあります。MALIA.さんはシングルマザーでもありましたが、どのようにやりくりしていましたか?

MALIA.さん 「私は仕事も家事も、常に両方やらないといけなかったんだけれど、共働きのご両親がこれだけ増えている中では、ご両親が揃っていたとしても条件は一緒ですよね。お母さんはお家のこともやって、仕事もある、子育てもあるってなると、本当に毎日時間に追われて、もう1年経っちゃったみたいな。

そうすると、(子どもとの時間を)かみしめられてないんじゃないかって、自分を責めたくなるのもすごくわかる。“もっとこれできたんじゃないか”って。でも、“全力でやったのよ”って自分のことも褒めてあげて欲しい

長男とは交換日記のようにノートでやり取りをしていていた

――今この瞬間を、もう少し丁寧に子どもと向き合いたいと思っている読者に対してアドバイスはありますか?

MALIA.さん  「うちでは私が仕事で帰りが遅いときや出張で不在のときは、交換日記のようなノートでやり取りをしていました。最初は長男がサッカーと向き合うために、どんな練習をして何を食べて、何時に起きたっていうのを書いていたノートに、私がひと言残すようになったのがきっかけでしたが、会えなくてもコミュニケーションをとることができていたと思います」

ダメなことをダメって私が教えなくて誰が教えるんだろう

――MALIA.さんの育児は褒めて育てている姿が印象的です。現在“叱らない育児”も注目されていますが、褒める育児と叱らない育児は別物だと思いますか?

MALIA.さん 「私は18歳で妊娠、19歳で出産して、年齢がすべてじゃなくても、当時の自分は若くて”叱らない育児”ができるほどのキャパがなかったの。23歳の時には子どもが3人いて、3人連れて「わーっ」てやってる時に叱らないでいましょうって、そんな心構えはできていなくて。

それに、いいことは褒めようと思うけど、ダメなことをダメって私が教えなくて誰が教えるんだろうって。だから褒める育児と叱らない育児は全然違うものだと思います」

違うことを注意して解説するまでが叱る

MALIA.さん 「叱るっていう表現が悪いのかな。違うことは違うよっていうことをちゃんと注意して、指摘して、その部分を解説するまでが叱るだと思う。子どものなんで?の着地までさせないと。

私自身が子どものときも、ママはダメだダメだって言うけど、なにがダメなのかわからなかった。だからこそ、子どもがいくら小さくても、解説をし続けてあげないと。ただ、ダメだよっていうのでは、子どもはわからないままなんじゃないかなと考えています」

2009年 ハワイ(『育児育自論』より)

やってよかった!魔法の言葉「あ・い・う・え・お」

MALIA.さんの育児は、子どもが頑張っていること、あきらめなかった経過をきちんと見て、タイミングを見極めてしっかり褒めるのが基本。そして口癖となったのが、子どもの自己肯定感を高める魔法の言葉「あ・い・う・え・お」です。

「ありがとう」の〝あ〟
「いい子だね」の〝い〟
「うれしいよ」の〝う〟
「えらいね」の〝え〟
そして
「おりこうさん」の〝お〟
最後の〝お〟はこどもの年齢と共に変化し、少し大きくなると「よくできたね」と
表現するようになりました。
この「あ・い・う・え・お」は、わたしが大事にしている〝魔法の言葉〟。
赤ちゃんが生まれてすぐにできた言葉ではありませんが、ある時気づいた自分の口
癖が、この「あ・い・う・え・お」。
常々口にしている「愛してるよ」「大好きだよ」以外の具体的な表現で、わたしの想
いを伝えたかったのです。
決して特別じゃない。だけど、言われたら絶対にうれしくなるスペシャルな言葉達。
こどもの〝自己肯定感〟を高めてくれるのを感じます。-『育児育自論』より抜粋

この言葉たちは子どもたちにも受け継がれ、長男はお嫁さんに「ありがとう」とたくさん声をかけているそう。お嫁さんからは「ママ(MALIA.さん)がそうやって育ててくれたから」と言われたそうで、魔法の言葉「あ・い・う・え・お」の効果を実感した瞬間でもありました。

ドバイでは子どもが熱を出したら脱がす!

――現在はアラブ首長国連邦の都市ドバイにお住まいですが、子育てに関してカルチャーショックを感じたことはありますか?

MALIA.さん  「日本では子どもが熱を出したら体を温めることが多いけど、ドバイは逆。熱が出たら「脱がせ脱がせ!」って。私は「寒がっているんだから服を脱がせちゃダメでしょ」って言うんだけど、「熱をこもらせてどうするの」って脱がせるんです。熱を出しているときに、水のタオルで体を拭くこともあって、日本とぜんぜん違うってびっくりしました。それでも、今ではガタガタって震えてなければ、私も脱がせるようになりました(笑)」

上下関係の大切にするなど日本の素晴らしさに気付くことも

MALIA.さん  「海外にいるからこそ、日本の思いやりや空気を読むこと、上下関係の大切さや、目上の方を大切にする部分の素晴らしさにも気づきました。外国の人からも日本は親切な国だって思われていて、「どっから来たの?」って聞かれて「日本」って答えると「わぉ!大好き」みたいな感じでみんな喜びます(笑)」

末っ子ポコちゃんお気に入りの「貸し切り砂漠」♪(Instagramより)

ドバイは色々な国から人が集まる多国籍都市。そこでは自分の知らないことの多さにショックを受けることも多いそう。「世界のことをもっと学校で教えて欲しかった。今はそれを体当たりで学んでいます」と教えてくれました。 

昨年末にはグランマに!お嫁さんの希望で立ち合い出産も経験

――ここ最近で「楽しかった」と感じたお子さまたちとの思い出・出来事はありますか?

MALIA.さん 「我が家は、長男家族は山口県、次男はニューヨーク、私と長女と三男はドバイに住んでいる解散スタイルだから、年に1回か2回、家族全員が集合できる時がすっごく嬉しい

昨年末にはお孫ちゃんが生まれて、お嫁ちゃんの希望で出産に立ち会って、退院後もママたちはドバイに帰っちゃうからって自分の実家じゃなくてうちに帰ってきてくれたの。だからずっと一緒に過ごせて。やっぱりみんなが集まると楽しいかな」

お嫁さんも子どもたちと同じように褒めるというMALIA.さん。家族が増えたことも嬉しく、お嫁さんとも深夜1時ぐらいまで2人でお茶することもあるなど、良好な関係を築いています。

 最後に、「この本をどんな方に読んでほしいですか?」と聞くと、「子育てのことはもちろん、以前は否定していた母親の教育のことも今になってすごくよかったと気付いたなど、心の葛藤や成長も書いたので、親とうまくいかないなって思ってる思春期の子とか、経営者とか、まだ赤ちゃんを産んでいない方など、お母さんやお父さん以外の方にも、ぜひ読んでいただきたいなと思います」と語ってくれました。

また、思春期の子どもついて話が及ぶと、「女の子の思春期は違う惑星からやってきた生き物だと思ってて接しました。同じ地球上の、同じ国の同じ言語を話す相手だと思っちゃいけない。そうじゃないと私の心までもっていかれそうで……」とユニークに話してくださった姿も印象的でした。

これまでの育児経験から、子育て中のママやパパの参考になる話をいくつも披露してくださったMALIA.さん。発売中の書籍『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』もぜひチェックしてくださいね。

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お話を伺ったのは

MALIA.さん

1983年生まれ。経営者・モデル・タレント。4児の母。 MALIA. (マリア) として15歳でデビュー。以来、多くの女性誌専属モデルを務め、ファッションイベント等にも出演。その後、テレビ番組にも多数出演するなど人気を博す。2019年12月号より始まった女性誌『Domani』(小学館)の連載では、「経営者」「母」「一人の女性」という多角的な視点を通して自身の経験を赤裸々に語るなど、その言動は反響が大きく、多くの女性から支持を得ている。

経営者としては、2009年に「Anela Inc.」を立ち上げ、ブラジリアンワックスサロン〝Moalani(モアラニ)〟他、多数のアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド〝Anela Beauty〟を手がけるなど、ANELAONLINEとしてEC事業を幅広く展開。

2022年に三男の進学を考えてアラブ首長国連邦の都市Dubaiへ移住。2023年には「Anela Holdings」へと会社をホールディングス化し、Dubaiにも会社を設立。2024年3月、新保 真里有として『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(1760円/A-Works)を発売。躍進し続けている。

MALIA.さん【公式】Instagram @maliarehman
WebStore「ANELAONLINE
ブラジリアンワックスサロン「Moalani

こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論」

      税込み1,760円(A-Works)

    文・構成/長南真理恵

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