【前編】では、お子さんが赤ちゃんのときにどんな英語教育をしたのかお話を伺いました。
目次
日本語NGのインターナショナルスクールで苦労も
2人の娘さんたちは、小学校からはほとんど日本語を話さない多国籍のインターナショナルスクールに転入されたんですよね。
お子さんはすぐにインターナショナルに順応されたのですか?
中林さん:両親ともに日本人だったのはうちの家族だけだったので、苦労もしました。
娘たちは英語にはなじみがあったのですが、登校してから学校を出るまで日本語を一切話さないって環境は初めてで。
最初の2、3ヶ月ぐらいは「学校に行きたくない」って言うことも多かったんです。娘たちの気持ちに寄り添いながら、でもナーバスにならないように話を聞いていました。
例えば、子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、「えー? どうしてー!?」なんて話しながら、どんどん学校に連れてっちゃう。もちろんそのときの様子を見極めながらですが。娘の場合は、本人がシリアスに思ってることに対して、私がシリアスになってしまうと、どんどん不安になってしまうから、「大丈夫! 大丈夫!」と励ましながら、私はいつも明るくいるようにしていました。
しばらくすると英語力がぐんぐん伸びてきて。そこからは楽しそうに学校に通っていましたね。子どもってやっぱり順応力があるんですよね。
母親である中林さんも英語を勉強!お酒が出るイベントに驚愕も
気になるのは、インターナショナルスクールで必要になるであろう親の英語力。
中林さんは、英語は話せるのですか?
中林さん:いいえ!
特に大変だったのは、私も先生とのコミュニケーションが英語なので、例えば、「お腹が痛くて今日欠席しますとか、熱などの症状や状況、彼女が今こういうマインドだから」などを細かく英語で説明すること。完璧にはできないからごまかしながらですが、いい経験になりましたね。
インターナショナルスクールで驚いたことはありますか?
中林さん:スクールでイベントがあるとき、多国籍だからいろいろな国の文化を知れてすごく楽しかったですね。
例えば、スクールフェスティバルなどでは、先生と子どもと親が一緒に踊ったり、各国の伝統的な食事やお酒がブースに出されたりもするんです。その雰囲気にも驚きましたね。異文化体験は親子で学びが多かったです。
ほかにも、外国人ばかりだった親同士のコミュニケーションは、言語が分からなくてもとにかく明るく振る舞うようにしていましたね(笑)。
また、学校にはカフェテリアもありましたが、「ママのお弁当が食べたい!」と言われ13年間毎日お弁当作りもしました。お弁当も多国籍なので、さまざまなランチボックスやスタイルで、娘たちは日本風のおかずがたくさん入ったお弁当だったのでお友だちからも人気だったようです。わっぱのお弁当箱を使ったり、お相撲さん柄のお弁当包みを使ったりもしていました。
英語が堪能な子どもたちは世界が身近な感覚に!
アメリカやヨーロッパ、アジアなど出身国も母国語も価値観も異なる子どもたちが集まっていたインターナショナルスクール。そこで得たものは英語だけではなかったよう。
インターナショナルスクールを卒業されたお子さんの今は?
中林さん:世界各国に当時スクールで出会ったお友だちがいっぱいいるんですよね。なので、海外旅行に行くと必ずと言っていいほど現地にお友だちがいる。それがすごく羨ましいです。
また、子どもたちには普通っていう定義や感覚があまりないんです。
「 普通って何?みんな違うのが当たり前。」っていう感覚で。時代もあるかもしれませんが、感覚が自由だし、一つの枠にはまらないというか。それがインターナショナルスクールでより身についてるっていうか。娘たちを見てると、新しい時代の人たちだなって感覚があります。
次女はスクールに通っていた当時、韓国の文化が好きだったことから、独学で韓国語の勉強もしていて。彼女が韓国に行った後に、部屋の掃除してたら、韓国語の本が10冊ぐらいとノートが出てきたんです。私は勉強していたのを知らなかったから、自分で学びたいと思って、本を買って勉強していたんですよね。その努力が実を結んで、今は韓国語もネイティブレベルで話しています。
長女は今、新しい経験のために留学も視野に入れているみたいです。
視野が広いのはいいことだなと思いますね。言語に対してとても柔軟だから、勉強すれば英語以外の言語もすぐしゃべれるようになるだろうって。長女は英語が話せることでアルバイトやインターンもインターナショナルな環境で活動しています。
英語が話せたら、それだけでちょっと開ける道がある
お話を伺って、中林さんの「勉強ができなくても、何ができなくても、英語が話せたら、それだけでちょっと開ける道があると思う」という想いが、確実に実を結んでいるよう。 「長女が留学することになったら、私も一緒に行って近くに住みたいな。なかなかそんな機会もないし、1年くらい海外住むのもいいかなって」と中林さん。
生まれてすぐ始めたバイリンガル教育だけなく、ママのフットワークの軽さが、お子さんたちのいい手本になっているのでは、と感じました。
中林さんの子育て奮闘記もぜひご覧ください!
お話を伺ったのは…
2018年 スパブランド「MAROA」を立ち上げ、代表兼プロデューサーとしても活動中。忙しい女性のためのライフスタイルブランド「chairs-em」も手掛けている。著書に『中林美和のハートフルデイズ』、初のエッセイ『おんぶにだっこにフライパン!』など。
中林美和さん【公式】Instagram→@miwanakabayashi
MAROA【公式】Instagram→@maroa_organic
chairs-em【公式】Instagram→@charisem_official
取材・文/長南真理恵 撮影/五十嵐美弥