「年金」って誰もがもらえるの? 小学生にも分かるように年金の種類と仕組みを解説【親子で学ぶ現代社会】

年金とは、一体どのような仕組みなのでしょうか? 小学生・中学生にも分かるように、簡単に解説します。年金の概要やもらえる年金の種類、年金に関するよくある疑問を確認しましょう。年金について知ることで、人生設計や将来に備える準備ができるはずです。

年金とは?小学生にも分かるように解説

「年金」というと、年を取ったときにもらえるお金という印象を持つ人も多いかもしれません。まずは、具体的にどのような制度なのか、基本的な概要を解説します。

「年金」は国の保険制度

年金は、国が運営する保険のような仕組みです。毎月「年金保険料」というお金を払うことで、将来、お金を受け取ることができます

年金は、年をとったときや、病気やけがで働けなくなったときにそなえるためのものです。そのため、20歳になると、多くの人が年金保険料を払いはじめます。

年金保険料を払っておくと、高齢になったときや、もしものときに年金を受け取ることができ、お金の心配が減ります。

「国民年金」と「厚生年金」がある

国が行う保険制度である「公的年金」には、「国民年金」と「厚生年金」があります。

国民年金は、日本に住んでいる20〜60歳が全員加入するものです。厚生年金は、会社員・公務員などが加入することになっています。

働き方によって、国民年金だけ加入している人と両方に加入している人に分かれるため、将来もらえる年金の金額は人によって違うのです。

出典:10代の皆さんへ | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省

もらえる年金の種類

もらえる年金の種類は、大きく分けて3種類あります。それぞれ、どのような年金なのか特徴を確認しましょう。種類によって、もらえる条件は変わります。

老齢年金

老齢年金は、65歳になるともらえる年金です。年金をもらうための手続きをすると、2カ月に一度年金が振り込まれるようになります。

老齢年金は、その人がそれまで支払ってきた年金保険料に応じて金額が決まります。

国民年金保険料を支払ってきた人がもらえる「老齢基礎年金」と、厚生年金保険料を支払ってきた人が老齢基礎年金に上乗せしてもらえる「老齢厚生年金」があり、どちらも原則65歳になると支給されるものです。

出典:老齢年金|日本年金機構

障害年金

障害年金は、病気・けがなどで生活に支障があるときにもらえる年金です。申請の条件はありますが、働いている現役世代でももらえます。

年金保険料を支払っておくことで、万が一病気・けがで働けなくなったときにもお金がもらえる仕組みになっているのです。

障害年金には、国民年金に加入している人がもらえる「障害基礎年金」と、厚生年金に加入している人がもらえる「障害厚生年金」などがあります。

出典:障害年金|日本年金機構

遺族年金

遺族年金は年金の加入者が亡くなったとき、遺族がもらえる年金です。遺族年金をもらうには条件があり、「年金の加入者に生計を維持されていた遺族」が対象です。

国民年金に加入している人の場合、「遺族基礎年金」が支給の対象です。遺族基礎年金は「子どものいる配偶者」または「子ども」に支払われます。

厚生年金に加入していた人は、遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給の対象です。遺族厚生年金は、年金の加入者に生計を維持されていた親族のうち、優先順位の高い人がもらえる年金です。

出典:遺族年金|日本年金機構

年金についてのよくある疑問

年金は日本に住んで保険料を支払っている人にとって、重要な制度です。将来、自分が年金をもらえるのか、支払えない場合はどうすればよいかなど気になることも多いでしょう。よくある疑問と回答を紹介します。

誰でも年金をもらうことができる?

年金は、年金に加入して保険料を支払っている人がもらえます。国民年金の場合、10年以上の加入期間がある人が対象です。

厚生年金は、1カ月以上加入して保険料を支払っているともらえます。

加入期間を満たすと、老齢年金が受け取れるようになります。基本的に日本に住む20~60歳の人は国民年金に加入することとなっているため、年金保険料を納めていれば、65歳以上になると老齢年金がもらえるようになるでしょう。

出典:年金を受けとるために必要な期間が10年になりました|厚生労働省

年金が払えないときはどうしたらいい?

収入が少ないときに年金保険料が払えない場合は、年金保険料の「免除」や「納付猶予」ができます。もし年金が払えないと感じるときは、役所や年金事務所などの公的機関に相談しましょう。

年金保険料が払えない状態であると判断されれば、支払いをしなくても加入していると認められます。

ただし、働いて厚生年金保険に加入している場合は、給料から年金保険料が天引きされるため、免除・納付猶予の仕組みは基本的にありません。給料に対して、払っている保険料が多すぎるときには、見直しができることもあります。

出典:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構

年金を払わないとどうなる?

年金保険料を払わずに、必要な手続きをしていない場合は、将来年金がもらえなくなります。支払えない状況の場合は、どうすればよいか公的機関に相談することが大切です。

また、支払わないままでいると、支払うように促す通知が届きます。通知が来ても支払わないでいると、強制的にお金を取り立てる仕組みもあるため、注意が必要です。

通常の年金保険料だけでなく、「延滞金」が追加され、より多くの保険料を納めることになります。原則として、毎月の分をきちんと期限までに支払うようにしましょう。

出典:日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)|日本年金機構

「年金」の仕組みを知って将来に備えよう

公的年金制度は、国が行っている保険制度です。保険料を払っていると、年を取ったときや、病気・けがで働けなくなったとき、働いて家族を養っている人が亡くなったときなどに、お金がもらえます。

国民年金は日本に住む20~60歳が全員加入することになっており、厚生年金は会社員や公務員など向けの年金です。保険料を支払うことで、老齢年金・障害年金・遺族年金などをもらえるようになります。

年金の制度を知り、きちんと保険料を納めることで、将来のさまざまなリスクに備えることができるでしょう。

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構成・文/HugKum編集部

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