ホンジュラスってどんな国?
ホンジュラスという国の名前は耳にしたことはあっても、どこにあっていったいどんな国なのか、知っている方は多くないでしょう。この記事では、ホンジュラスを知らない方にもわかりやすいように、基本情報から治安面、観光スポットなどについてご紹介していきます。
ホンジュラス基本情報
最初は、場所、首都、面積、人口など、ホンジュラスの基本情報から見てみましょう。
国名
ホンジュラス共和国
首都
テグシガルパ
場所

ホンジュラスがあるのは中央アメリカ中部。西にグアテマラ、東はニカラグア、南にエルサルバドルと隣接しており、北はカリブ海、南は太平洋に面しています。
日本との時差
15時間
日本の方がホンジュラスより15時間進んでいます。
面積
112,490㎢
日本の面積が約380,000㎢ですから、ホンジュラスの面積は日本の約3分の1です。
エリア
ホンジュラスは18の県で構成されています。首都テグシガルパがあるのはフランシスコ・モラサン県です。
人口
1,043万人
東京都の人口が約1,400万人、神奈川県の人口が932万人ですから、ホンジュラスの人口は東京都の人口の約75%で、神奈川県よりもやや多い程度です。
言語・公用語
スペイン語
通貨
レンピラ
1 レンピラ=5.8円(2025年11月14日現在)
宗教
伝統的には主にカトリックですが、ホンジュラスでは憲法上信教の自由を保障しています。
歴史

ホンジュラスの地にはかつて、マヤ系の先住民が住んでいました。そして1502年、コロンブスの4回目の航海でホンジュラスの地が発見されました。その後スペイン人の植民が始まり、1539年にはスペインのグアテマラ総督領に編入され、スペインの植民地としての開発が本格的に始まりました。
しかし1821年にスペインから独立し、メキシコに併合。1823年にはメキシコから独立して、中米連邦共和国を結成しました。しかし内部紛争で解体したことにより、1838年には中米連邦共和国から分離独立しました。
ホンジュラスの国旗は、青と白のストライプのデザインです。青は空や海、太平洋とカリブ海を表し、白は国土と平和を表しています。中央には青の星が5つ描かれていて、これは中央アメリカ連邦の5か国を表したもので、連邦5か国に共通しています。
天気・気候
ホンジュラスは赤道に近い低緯度にあるため、基本的に熱帯の気候です。季節は5月から10月の雨季と、11月から4月までの乾季にわかれます。カリブ海側は雨が多く、乾季であっても多くの雨が降ります。首都テグシガルパは標高1000弱の高原地帯にあるため、季節によっては最高気温が30℃以上になりますが、朝晩は涼しく比較的過ごしやすい気候です。
また11月頃には、ハリケーンシーズンがやってきます。1998年に、ホンジュラスはハリケーンによって甚大な被害を受けました。
ホンジュラスの治安・住みやすさ

ホンジュラスの治安と住みやすさはどうでしょうか?
治安は悪い
中米には比較的治安の悪い国が多く、ホンジュラスもそんな国のひとつです。2011年には人口10万人あたりの殺人の死者数が86.5人に達し、世界最悪といわれました。ただし翌年の2012年からは減少し、2023年は31.14人とピークから半数以下になりました。しかしそれでもこの数値は世界的にもとても高く、殺人事件が多い国に違いはありません。
外務省「海外安全ホームページ」によると、首都テグシガルパ市をはじめ、ルテス県、アトランティダ県、ジョロ県などは不要不急の渡航中止を呼びかけるレベル2、それ以外の地域は十分注意が必要というレベル1が発令されています。
ホンジュラスで起きる凶悪犯罪は「マラス・パンディージャス」という青年ギャング団などの犯罪組織によるものが多くあります。またカリブ海沿岸やグアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアとの国境地域では、薬物犯罪も多発しています。
日本人が強盗事件の被害にあったケースもあるため、強盗、スリ、ひったくりなどに十分注意する必要があります。
住みやすいとはいえない
世界最悪の治安といわれるホンジュラス。現地では「日本人は金持ち」というイメージがあるため、常に用心して、危険な場所には近寄らず夜間の外出は控えなくてはなりません。
さらに路上売店などの食品衛生は悪いためそういったものは買わず、水道水は飲用にせず、できるだけ加熱されたものを食べるといった注意が必要です。それに加えて現地の医療機関は医薬品や医療器具などの不足に陥っており、病気やケガの場合も十分な治療を受けることが難しいでしょう。このようなことを考えると、ホンジュラスは住みやすい国とはいえません。
ホンジュラスの見どころ・観光

ホンジュラスでは、コパン遺跡をはじめとした観光スポットがいくつかあります。
コパン遺跡
コパン遺跡は、ホンジュラスの西部でグアテマラの国境近くにあるマヤ文明の遺跡です。世界遺産に登録されており、首都テグシガルパから車で8時間ほど離れたところにある人気の観光スポットです。コパン遺跡の特徴のひとつは、石碑の美しさ。細かな模様や文字の彫り込みがきれいに残っています。
ロアタン島

カリブ海に浮かぶロアタン島には、オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ大きなサンゴ礁があります。シュノーケリングやスキューバダイビングを楽しめる場所として知られています。
バジェ デ アンヘレス
バジェ デ アンヘレスは、首都テグシガルパから車で約1時間の場所にある小さな町。民芸品などを販売する小さな店がいくつも並んでます。レストランやカフェもこじんまりとしていて、とてもかわいい印象です。
ホンジュラスの特徴・有名なもの
ホンジュラスの主産業は農業で、コーヒー、バナナなどが有名です。
コーヒー

ホンジュラスは標高の高い地域が多く、さらに土壌も肥沃で、高い品質のコーヒーが生産されています。味わいはコーヒー農園や地域により異なりますが、酸味がすっきりとしていて、果実のような風味もあります。世界のコーヒー愛好家が認めるホンジュラスコーヒーを、ぜひ一度味わってみてください。
バナナ
ホンジュラスではバナナの栽培も盛んに行われており「バナナ共和国」とも呼ばれています。ホンジュラスのバナナ栽培地の半数以上は米国企業が所有しており、経済や政治は米国のバナナ企業に依存しているといわれています。
ハリケーン・洪水などの自然災害
ホンジュラスは、ハリケーンや洪水などの自然災害が多く発生してきました。2021年は2つのハリケーンに見舞われ、人口の3分の1以上の人が被災。道路の寸断や橋の崩落、河川の洪水などの大きな被害を受けました。農業が主産業であるため、そのような自然災害によって経済発展が妨げられています。
今後の変化が期待されるホンジュラス
中米の国ホンジュラスは、豊かな自然と文化を持つ国です。マヤ文明の遺跡や美しいカリブ海に囲まれたロアタン島など、観光地も豊富で訪れる人々を魅了します。また農業が盛んで、特にコーヒーやバナナの輸出は世界的に有名です。近年では治安面での改善も進んでおり、安全で魅力的な観光地としての発展が期待されています。ホンジュラスはその独特の文化や自然環境を楽しめる国ですから、今後の変化や成長に注目してみてください。
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文・構成/HugKum編集部